アメリカのものは自分のもの!これではまるで「UNITED STATES OF TRUMP」では?公共財産・施設、政策を私物化するトランプ

2026.01.13 Wedge ONLINE

 トランプ氏は、歴代大統領の執務と家族居住のための機能を兼ね備えた伝統あるホワイトハウスについても、私有財産とばかり庭園から内部の壁面、インテリアにいたるまで自らの趣味に合わせ金メッキを主体とした華美な改装に乗り出し、ファースト・レディーのオフィスや一般の観光客が出入りできるレセプションルームなどのある「イースト・ウイング」(東棟)に至っては、全体をすでに解体させ、現在、巨費を投じたきらびやかな舞踏会場が建設工事中だ。

 こうしたことから、米マスコミの間では、トランプ大統領は英国の国王にあやかり、自らを“米国王”にまつりあげようとしているだけでなく、「国家自体を国民の統合体である『United States of America』から『United States of Trump』へと作り替えようとしている」との指摘まで出始めている。

パーソナル・ブランドをホワイトハウスに持ち込む

 もともと『United States of Trump』の異名は、19年、ジョージア州ケネソー大学社会学部のジョエル・クロンベス助教授ら二人のトランプ研究者が発表した“The United States of Trump Corp”と題する論文のタイトルとして最初に登場したもので、その中で、過去どの歴代大統領にも見られなかった特異なトランプ大統領の統治スタイルについて、以下のように指摘している:

 「トランプが尋常ならざる存在である真の理由は、大統領として米国政治史上初めて、従来からのパーソナル・ブランドをそのままホワイトハウスに持ち込んだ点にある。過去の大統領の場合、ジョンソン大統領の「偉大なる社会(Great Society)』」、レーガン大統領の「強いアメリカ(Strong America)」、オバマ大統領の「オバマ・ケア(Obama Care)」などのように、それなりにユニークな政治的ブランドが推し進められ、世間に広まった。しかし、それはあくまで、一定の支持率を維持し、政権運営安定化のための手段に過ぎなかった。

 これに対し、彼は実業家時代から宣伝してきた自分のブランドをSNSなどあらゆる手段を駆使して国内外に拡大させ、市場主義に依拠した個人ブランドを大統領になってからも国家統治スタイルとして体現させてきたのである。トランプにとっての大統領職は国家や国民の利益増進のためではなく、彼個人のブランドに支えられた“象徴的資本(symbolic capital)”を最大限注入するためであるということだ。

 トランプ・ヒストリーとはつまり、彼が以前から持ち合わせてきた経済的資本と”象徴的資本”の両方を融合し、過去のどの大統領も及ばなかった強大な権力を握るに至ったことを指している。そして、その権力によって、自らのブランドをさらに増進させるために政治を利用し、アメリカという大国を意のままに動かそうとしているのだ」

 そして上記の背景説明に従うならば、「ケネディ・センター」のような国立文化施設に自分の名を冠して事実上、所有者としての理事長に居座り、海軍の次世代戦艦を「トランプ級」と命名した建造計画を打ち出し、ホワイトハウスを私物化するという一連の専制的行動も、驚きの対象外ということになる。

止められるのは有権者のみ

 最大の問題は、今後、この特異な統治スタイルによる「United States of Trump」(すなわち自分国家)なる”国造り“にいかにして歯止めがかけられるかにかかっている。

 「United States of America」とは今さら言うまでもなく、世界の多くの国からやってきた移民に支えられた「人民による人民のための人民の国家」だ。「Trump」などという一個人が支配する独裁国家ではない。

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