「いつも私だけ扱いが雑」「待ち合わせをするといつも遅刻される」「損な役回りを押しつけられがち」
気にしても仕方ないと思いつつ、「私、なめられてるのかな」と悩んでしまう。そんな人は少なくないようです。じつは、この「なめる/なめられる」問題はささいなことのようで、人間関係、仕事、ひいては人生すべてさえ左右する重要なトピックスです。
実業家でライターでもある黒坂岳央氏は、グローバルな環境での勤務経験、独立起業を経て、「なめられると人生で損をする」という真理にたどり着いたそうです。この連載をまとめ、加筆・改稿したビジネス書『なめてくるバカをだまらせる技術』が、アルファポリスより好評発売中です。
ではここからは具体的に「なめられないAIの活用法」について解説していこう。
どんな人でも細かな間違いは犯す。私はビジネス記事、書籍を書いてきたが、どんなに気をつけても誤字脱字は出てしまう。だが、書く人間と認識されていることから、誤字脱字や言葉の誤用が続けば専門家として疑われてしまう。そうなれば一部の相手からはなめられる。そこで、AIを上手に活用するのだ。
私がやっているのは、まずは自分で執筆をする。その後、執筆した内容をAIに添削してもらい、内容をブラッシュアップする、というやり方だ。この、ブラッシュアップする過程で、誤字脱字や言葉の誤用を指摘してもらったり、データソースを探してつけてもらったりすることで、原稿を補強してもらうようにしている。また、どうしても主観的になりがちなので、「客観的に内容に問題がないか?」「視野狭窄になっていないか?」「読者からはどんな反論が想定されるか?」といったブレインストーミングをする。そうすることで、隙がない原稿ができるし、執筆途中で自分の間違いに気づくことができる。ツッコミどころがない原稿ができれば、無用な反発やなめてくる人を減らすことができる。
つまり、もともとレベル10の原稿を書く筆力がある人間が上手にAIを使うことで、11、時には12へとレベルアップすることができるのだ。
さらに、意見発信する方法について具体的に提案するとすれば、ただ有益な情報を出せばいいと考えるのではなく、一次体験・数字・感情を1:1:1でバランスよく配合することだ。この数字のバランスは適当に作ったものではなく、レトリックの三角形と呼ばれるもので、アリストテレスが提唱した、説得的なコミュニケーションの3つの要素、Ethos、Logos、Pathosを元にしている。また、ハーバード・ビジネス・レビューの人気記事分析で、「事例(一次体験)」「データ(数字)」「感情語」が平均約3等分で配合されている記事がもっとも人気が出やすいという調査結果(2024年HBRLabs)も参照した。
SNSでは「いかに楽して記事を量産できるか?」みたいなネタが人気を集めているが、世の中がそんな記事だらけになればなるほど、ますます人間が手をこめて書く必然性が高まる一方になるだけだろう。