なめてくるバカを黙らせる技術

AIで頭よさそうに見せてる人が、逆にバカにされる理由

2026.01.14 公式 なめてくるバカを黙らせる技術 第23回
過去の連載をまとめた黒坂岳央氏のビジネス書『なめてくるバカをだまらせる技術』が、大好評発売中!

AIとのシャドーボクシング

そもそも、なめられやすい人は、とにかく反論に弱いという特徴がある。人生を生きるうえで、他人との衝突から逃げ続けて、笑ってごまかしてきたためか、いざ仕事やSNSでなめてくる相手に出くわすと、うまく立ち回ることができない。

そこでAIの活用である。おすすめしたいのが、AIとのシャドーボクシングをすることだ。実際に殴り合うわけではなく、AIを上司や取引先、アンチに見立てて、シミュレーションするわけだ。たとえば、自分の置かれている立場をAIに説明して、「上司や取引先の立場で5つツッコミどころをあげて批判してください」と頼んだり、「アンチの立場でこの投稿にダメ出しをしてください」と言えばいい。上司やアンチから攻撃されるとメンタルが持たないという人も、AIから言われれば傷つかないだろう。

私は実際に、とがった記事を書いたり、意見を発信するときは、必ずと言っていいほどこのシャドーボクシングをやっている。時には「なるほど、これは想定していなかった視点だな」と腑に落ちることもあるし、「さすがにその批判が来たらスルーでいいか」となる場合もある。
いずれにせよ、自分1人では気づくことが難しいことも、事前にAIとシャドーボクシングを経験しておくことで、いざ指摘されても想定内に収まるので落ち着いて冷静に対処することができる。さらにこの経験を積み重ねることで、「おそらくこういう反発が出るだろう」と準備をすることができるようになるのだ。

エビデンスの力でAIを超える

すでに書いた通り、脳みそに汗をかかずにAIに丸投げするだけでは、無味無臭な記事ができてしまう。そうならないためにはどうすればいいのか。
AIには出せない一次情報を盛りこむのだ。

AIは確かに優れているが、エサが過去のデータのテキスト平均値であるため、生々しい当事者体験は出力できない。つまり、それが唯一無二の価値になるのだ。
たとえば、エコノミストであれば、「私はアメリカの大学で経済学で博士号を取得しました。この写真は実際にアメリカの大学で学位記を持って撮影したもので、FRB議長とのツーショット写真もあります」となれば、思いきり信頼性が高まるはずだ。また、手術をする医師について言えば、白衣を着て手術室でスタッフと一緒に写真を撮っているものを出せば一気に信頼されるだろう。
動画なり、記事で意見発信をするときにも、実際の体験を話して、「こういう経験があったので、腕には自信があります。こういう資格も持っています」と言えば、AIを使って情報を引き出すだけの人の手を止め、振り向かせる力が生まれるだろう。

これまでの時代も、経験と実績に価値はあった。同時に、情報や知識にも価値があったので、勉強したり調べたりして、知識や情報があれば、とりあえずニーズは獲得できた。
しかし、これからの時代は、情報そのものはもう価値がなくなっていく。検索だけでなく、AIもあるからだ。だからこそ、これまで以上に経験と実績に価値が生まれ、それを端的に示すエビデンスを出すことが求められるようになるだろう。
目の前の人間はAIより信用できるか?
そのハードルを越えるには、経験と実績を証明するエビデンスを示すしかない。経験も実績もある人間がAIを使えば、ずぶの素人がAIを使うより価値ある情報を引き出せる。AIが間違った情報を吐き出すハルシネーションもいち早く察知できるだろう。
AIの時代になっていくからこそ、経験と実績がものを言うのだ。

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プロフィール

黒坂岳央
黒坂岳央

経営者。ビジネスジャーナリスト。1981年、大阪府生まれ。
関西外国語大学在学中、デポール大学(米国)へ留学、会計学を専攻する。卒業後、ブルームバーグ、現SpireX株式会社、コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社を経て独立。現在は経営の傍ら、幅広い人脈を活かした取材力を武器にジャーナリスト・コラムニストとしても活動。新聞やWebメディアへの寄稿をはじめ、テレビ・ラジオなど多彩なメディアに出演し、独自の視点から情報発信を行っている。『なめてくるバカを黙らせる技術』(アルファポリス)をはじめ著書多数。

著書

なめてくるバカを黙らせる技術

黒坂岳央 /
世の中「なめてくるバカ」が多すぎて、共感、感動、絶賛の声殺到! 大人気Web連...
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