こうした状況を受け、トランプ政権はウクライナへの攻撃を継続するロシアからインドが大量の原油を輸入していることに不満を抱いている。このため、トランプ政権は大統領令により、既存の相互関税25%に25%を上乗せした、合計50%の関税を課し、インドに対しロシア産エネルギーの購入抑制を迫っている。
インドの財閥系民間企業リライアンス・インダストリーズ(Reliance Industries)は1月8日、条件が整えば、ベネズエラ産原油の購入を検討する意向をロイター通信に明らかにした。
同社が西部グジャラート州に保有する2カ所の製油所は、合計で日量約140万バレルの原油処理能力を有し、ベネズエラ産のような重質油にも対応可能な設備を備えている。また、インド石油公社(IOC)およびヒンドゥスタン・ペトロリアム(HPCL)も、条件が整えばベネズエラ産原油の購入を検討する意向を示している。
インドはかつてベネズエラから原油を輸入していたことがある。しかし、18年のベネズエラ大統領選挙を不正と見なした第一次トランプ政権は、マドゥロ大統領の2期目就任を認めず、翌19年に同国の石油部門に対する経済制裁を発動した。制裁の影響により、インドは当時原油供給国として第5位(シェア約7%)を占めていたベネズエラからの輸入を、大幅に縮小せざるを得なくなった。
今後、インドはトランプ政権からのロシア産原油購入に対する圧力を和らげ、ロシア分の減少分を補填することを目的に、ベネズエラ産原油の調達を積極的に進める可能性がある。インドは「世界の製油所」として、欧州やアジアなど世界各地への石油製品供給を継続するためにも、ベネズエラを含む多様な原油調達先の確保を必要としている。