トランプはどんな男なのか?元側近、知人たちが明かす数々の不名誉な人物評

2026.04.22 Wedge ONLINE

 「”useful idiot”とはかつてレーニンが好んで使ったもので、トランプを形容するにふさわしい。なぜなら、トランプはロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席との個人的関係を信じ込んでいるが、それらの関係はけっして互恵的なものではない」

 「彼は基本的に、地政学的知識を欠き、自分個人の利益のために、国際関係を不動産取引のように扱い、プーチンのような独裁者に簡単に影響される」

 特にトランプ氏が、プーチン氏との対面で卑下した態度を示した端的な例として今なお話題に上るのが、18年7月、フィンランドのヘルシンキで行われた両首脳同士の2時間以上にわたる秘密会談だった。

 やり取りの中身は公表されなかったが、トランプ氏は会談後の共同記者会見で隣のプーチン氏の顔色をうかがうような表情で、16年米大統領選へのロシア介入疑惑について「プーチン氏が強く否定しているのだから、それを受け止める」と答えたため、米国ではメディアだけでなく、議会でも多くの与野党議員の間で「米国情報機関の報告書を否定し、プーチンの言いなりなった」として大問題となったいきさつがある。

 従って、ボルトン氏が指摘する通り、かつてのレーニンのみならず、今日のプーチン体制もトランプ氏を“useful idiot”とみなしている疑いはぬぐえない。

6.“unprincipled phony”

 20年、トランプ氏の実姉で連邦控訴裁判事も務めたマリアン・トランプ・バリーさんが、姪のメリー・トランプさんとの会話の中で、大統領就任後の弟を評した言葉として話題になった。直訳すると「無節操な偽善者」となる。

 公表されたその時のオーディオ記録によると、バリーさんはトランプ氏について「ずっと以前から、悪ガキ(brat)で、かんしゃく持ち(temper-tantrum)だった。学校の宿題も私が代わりにやったりした。何とか入れたフォーダム大学も1年だけで飛び出し、そのあとペンシルバニア大学に行ったが、入学の際のSAT(大学進学適性試験)は報酬を払って他人に受けさせたことを覚えている。(中略)昔から本など読んだことがなかったが、大統領になってからも、情報機関の用意するブリーフィング・ペーパーなどを読むことをせず、十分な準備もなしに勝手自由にまくし立てている。多くの貧しい移民家族を『違法滞在』を理由に次々に国外退去させたりしており、やることが残酷だ」などと手厳しく非難している。

イラン情勢でも揺れ動く発言

 もちろん、上記に挙げたこれらの人物評はあくまで断片的なものであり、トランプ氏の全体像を描写したものではない。かつて大統領に仕えたり、個人的に接触のあった友人たちの中には、「大胆さと決断力がある」「リーダーシップにたけている」「愛国心が徹底している」といった好意的見方も少なくない。

 しかし、仮に性格や素性の一部であれ、個人的にネガティブで好ましくない要素が世界最強国指導者として内政、外交の政策面に反映されるとしたら、その影響を安易に見過ごすことはできないだろう。

 現に1例として、今回の対イラン戦争についても、トランプ氏の発言は頻繁に揺れ動き、フランスのマクロン大統領をして「日替わりで言うことが変わる指導者にはついていけない」と嘆かせているほどだ。

 なお、米ワシントン・ポスト紙の「ファクト・チェック」班が、在任1期目の4年間にトランプ大統領が事実を歪曲、誇張、まったくの虚言を繰り返した回数を追跡調査したところ、「3万573回」に上ったと報じたことは、記憶に新しい。

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