仕事の質は「どう」ではなく「誰」とやるかで決まる

1)自分でなくても「どうやるか」のほとんどの部分を十分扱える
2)自分自身は、情熱をもって最大のインパクトを与えられる分野に全力投球すべきだ

ということを理解すべきだ。あなたの注意力とエネルギーは分散させてはならない。徹底的に集中してクリエーティビティーを十分発揮できるところに、焦点を絞るべきなのだ。

努力ではなく、結果がすべてだ。

人生は、注いだ努力や時間ではなく、生み出した結果によって報われる。この現実があるにもかかわらず、結果を出すことに全力投球していなかったり、「プロセス」や「ハードワーク」に気を取られてしまうことがあまりに多い。

もちろん、一生懸命に働くことは必要だ。見事な仕事ぶりをみせる必要はある。しかし、有形で、測定可能で、希少価値のある結果として出さなければ、意味がない。マイケル・ジョーダンは、優勝を手にしていなければ、史上最高のプレーヤーとはみなされなかっただろう。それには、「誰か」が必要だった。もし1人だったら、「どうやるか」にとらわれていたら、今の彼にはなりえなかっただろう。

「どうやるか」の考え方から、「誰とやるか」の考え方へ

ただし、この本のテーマはスポーツではない。自己改革であり、最高レベルのパフォーマンスと成功を収めることだ。最強に効果的な方法で、最大にしてベストな結果を生み出す方法について書かれた本だ。

私たちは、「どうやるか」を重視し、何事も1人で取り組むのがよいと教え込まれてきた。しかし、マイケル・ジョーダンのように、最高レベルの成功を本気で手に入れたければ、個人の素質やコミットメント、才能のレベルに関わりなく、「どうやるか」の考え方から「誰とやるか」の考え方へ転換する必要がある。今まで不可能だと思っていたこと、現状では想像すらできないようなことも実現できてしまうのは、チームワークと協力、これらによってのみである。

本書で伝えたいのは、成功レベルが上がれば上がるほど、結果を出す能力は「どうやるか」ではなく「誰とやるか」に左右されるようになるということだ。

どうやって目標を達成するかではなく、「誰と」仕事をするかを重視することによって、達成のレベルが劇的に向上する。その結果、時間、お金、人間関係、人生の目的という、私たちにとって重要な4つの領域で、自由度が劇的に増えることになる。

もしあなたが、ビジネスで、起業家として、本気で結果を出したいと考えているならば、大きくよりよい未来を思い描こうとすると、必ず直面する問題がある。今の自分では達成する方法がわからないということだ。未来を思い描くときに、多くの人が最初にすることは、「どうすれば(How)この目標を達成できるか?」と自問することだろう。

実は、これが最悪の質問なのだ。

とはいえ、私たちは生まれてこのかたずっと、「どうやるか(How)」を自問するように教え込まれてきた。学校教育も、「どうやるか」の考え方に基づいてできている。幼いころから、何でも自分でやりなさいと教えられてきたことだろう。

「どうやって達成するか?」という問いは今すぐやめよう

では、この質問を変えたらどうなるだろう?

時間が取れないからと先延ばしにしてイライラすることもなく、気が遠くなるほど時間のかかる孤独な道程を進むこともなく、目標を思いついたその瞬間に、やる気とパワーを湧き上がらせるにはどうしたらよいか? すべて自分でやらずに、結果を出すには? 複数の大きな目標を同時に達成するとしたら?

ここで、「どうやるかではなく、誰とやるか」の出番だ。

より大きく力強い未来を実現したいのなら、「どうやって達成するか?」と自分に問いかけるのはいますぐやめよう。