若者のやる気を著しく下げる「無駄会議」ベスト3

そもそも報告は会議でなくとも、メールや社内SNSを通じてあらかじめ共有できる。また、その後の問題解決や行動計画を立てることもないため、参加するメンバーも自然と受動的になってしまう。まさにやる気を下げる会議の最たる例である。

◎2位:目的のよくわからない会議

目的のよくわからない会議は、主催者ではなく会議の参加者に「今日の会議はどんな目的で参加されるのですか?」と尋ねればすぐに判明する。

往々にして、目的もわからずに「呼ばれたから参加する」「毎週月曜やってるから会議室へ行く」という人が膨大にいることがわかる。ホワイトカラーの生産性アップがこれほどまでに叫ばれているのにもかかわらず、目的も知らずに1時間も2時間も会議室へ足を運ぶ中間管理職がとても多いのだ。

目的も目標ももたずに仕事をすることがどれほど生産性を悪化させるか、ここで説明する必要はないだろう。このようなマネジャーが正しい部下育成をできるはずがない。

無駄会議は相互につながっている

◎3位:ネクストアクションを決めないまま終わる会議

会議というのは「連続ドラマ」のようなものだ。冒頭必ず、前回の振り返りをしなければいけない。そして終了間際には次回予告があってしかるべきだ。大切なことは会議の最中にあるのではなく、会議と会議のあいだに実践されている行動だ。

正しい会議が正しく連続し、相互につながっていれば、会議の目的はわかるはずだし、報告だけで終わるはずもない。今後どうしていくべきかのネクストアクションも決まるはずだ。

このベスト3の「無駄会議」の問題は、相互につながっている、と言える。

正しい会議のやり方

私は『脱会議』の著者ではあるが、会議は必要だと考えている。ただ、正しい会議のやり方よりもまず、正しいマネジメントのやり方を知ることが先だ。会議はただの道具だからだ。

マネジメントサイクルの基本はPDCA。計画を立て、そのとおりに実行し仮説検証する風土をつくることがまず第一。実行力がない組織に、会議などいっさい必要ない。会議を増やすことで実行力が伴うことなど、ありえないからだ。新刊『若者に辞められると困るので、強く言えません』に書いた通り、上司と部下とのリアルな対面コミュニケーションのほうが、はるかに大事だ。

計画の精度、実行力のある組織文化が醸成されてはじめて、定期的にチェックし、改善案を出し合うというマネジメントサイクルをまわすことができる。

「無駄会議」があふれる組織は、空気が悪くなる。タイパ(タイムパフォーマンス)を重んじる若者のやる気は著しく落ちるだろう。上司が会議に忙しいせいで、部下との接触を減らし、相互の関係も正しく構築できなくなるからだ。

まずは「無駄会議」の特徴を認識し、ひとつでも減らしていこう。「無駄会議」が多くある会社に、優秀な若者が定着するはずがない。