コロナ自粛:『モーニングショー』石垣島“旅行者急増”特集に反響…島民困惑「来ないで」

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石垣市の公式サイトより

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言をめぐる政府の動きが注目されるなか、安倍晋三首相は1日、参院決算委員会で「今、この時点で出す状況ではないと考えている。何よりも国民の命、健康を守ることを第一に判断していきたい」と答弁し、現時点での同宣言発令に否定的な姿勢を示した。

 一方、政府に緊急事態宣言の発令を呼びかけてきた日本医師会は同日に会見を開き、横倉義武会長は「現在、我々が行っている対策というのは2週間後に結果が表れる。感染爆発が起こってからでは遅い。今のうちに対策を講じておくべきだ」と同宣言発令の必要性を改めて強調。さらに「医療現場としては医療危機的状況宣言をしてもいいのではないか」と語った。

 コロナ拡大を受け、すでに外務省は全世界を対象に危険情報「レベル2(不要不急の渡航は止めてください)」に指定しており、すべての外国への渡航自粛を呼び掛けいるため、航空会社は国際便を大幅に減便するなどして、航空・旅行業界は打撃を受けている。

 こうした状況のなか、2日放送のテレビ番組『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)は、海外旅行自粛ムードが強まった2月以降、石垣島への旅行者が急増している実態を報じた。番組によれば、2月には人口約5万人の石垣島に約8万人の観光客が訪れたが、石垣空港では2月下旬以降、アルコール消毒液の在庫切れが続いており、さらに同島には指定感染症病院が1カ所、感染症病床は3床しかなく、PCR検査できる機関もないため、感染者が出るとすぐに医療崩壊が起こる可能性があるという。

 このほかにも番組内では、マスクをせずに島内の飲食店内の密集状態で懇談を楽しむ観光客の様子なども流され、「お願いだから石垣島に来ないで」というインターネット上の島民の声や、「今は国難ともいえる有事だと考えている」と語る中山義隆・石垣市長の様子なども放送された。

感染者発生の場合、迅速な医療の提供が困難になる可能性

 この放送を受け、インターネット上では次のような声が多数あがっている。

「お願いだから石垣島に来ないで 観光客が激増。皆マスクしてない…感染が島の中で広まってしまったら恐怖。感染症病床3床しかなく、島内でPCR検査もできない」

「海外旅行に行けないからコロナ未発生の沖縄離島に来るそうですが島民は戦々恐々としています」

「医療設備が充実していない島民にとっては 感染が拡大することは、本土以上に命取りになる」

「感染が広がればあっという間に医療崩壊と島民の方が懸念してるね。感染してると思いながら行動することが、やっぱり大切だなって思う」

石垣島に観光客殺到っていう特集観ながら、悲しい気持ちに」

「マスク無いし、すぐに離島できないし、病院無いし、ホテルいたら感染はすぐ広まるだろうし、考えたら観光客は怖いことしているなと思うけど」

「来ないで欲しいと思うの凄く分かる」

「マスクもせずに 続々と石垣島へ向かう若者達 解っているのかな 今の状況」

 こうした石垣島の状況について、産業医が語る。

「全国のなかでも東京都の感染者が多いように、新型コロナウイルスに限らず、人が密集すると感染症が拡大するリスクは高くなります。さらに石垣島は離島であり、感染症病床が3床しかないということなので、感染者が生じた場合に初期段階での迅速な医療の提供が困難になる可能性もあります」

 首都圏をはじめ多くの自治体が不要不急の外出自粛を呼びかけるなか、私たち国民も感染拡大リスクを十分に考慮した行動が求められているといえよう。

(文=編集部)