「慶應大学SFCの人気凋落」の嘘…総合政策学部への誤解、低迷・廃止の大学も

 逆に明確な目標がなく『やりたいことがないから、とりあえずSFCに入った』という学生にとっては、悶々とした日々を過ごすことになり、キラキラした学生生活を送る人たちに劣等感も抱いて非常につらい学生生活になるでしょうし、実際に退学する学生も一定数います。また、4年間通っても何も専門的な知識やスキルが身につかないまま、就職もうまくいかず卒業する人というもの一定数いるのが現実です」

 同学部卒の別の30代男性はいう。

「やはり難点は東京都心から電車で最寄り駅の湘南台駅まで1時間くらいかかり、そこからさらにバスに乗らなければならないというアクセスん悪さと、キャンパスが畑に囲まれて家畜のフンの臭いが漂ってくることもあるほど田舎だという点です。なので『田舎が嫌い』『都会の大学に通いたい』という人は、SFCというブランド力に惹かれて無理に入学するのはやめたほうがよいです。この点を軽視すると後悔することになります。

 就職実績に関していえば、SFCであることが強みになることはあっても、ハンディになることはないと思いますし、実際に就職実績は高いです。慶應大学の学生ということであれば、企業側は法学部なのか経済学部なのか総合政策学部なのかを意識することはないですし、あとは個人の能力や経験、資質次第ということになります」

(文=Business Journal編集部、協力=石渡嶺司/大学ジャーナリスト)