セブン、65%減益の衝撃…「うれしい値!」戦略の誤算、ファミマの逆転あるか

 また、コンビニチェーン関係者はいう。

「売上や客数が前年同月比減になる月が出ているといっても、幅としては1%前後くらいなので“ちょっと風邪をひいた”くらいのレベル。セブンのことなので、いろいろと対策を打って持ち直してくると考えられますが、懸念はあります。セブンは挽回策としてレジ横販売の食品に力を入れるとしており、一昨年以降『お店で揚げたカレーパン』、ピザ類、『お店で揚げたドーナツ』を相次いで投入し、店内焼きたてパン『セブンカフェ ベーカリー』の取り扱い店舗を拡大中です。たとえばドーナツは発売当初はかなり多く売れましたが、こうした商品は客は一度は好奇心で買ってくれるものの、飽きられるのも早いというリスクがあります。なのでレジ横商品で稼ぎ続けるためには、魅力的な商品を揃えて、かつ絶えず新商品を投入して棚に変化をつけ続ける必要があるため、ハードルは高いです」

ACTによる買収提案

 セブン&アイHDは現在、北米をはじめ世界約30カ国に約1万7000店舗を展開するカナダの大手コンビニエンスストア運営会社、アリマンタシォン・クシュタール(ACT)から買収提案を受けている。セブン&アイHDは社外取締役で構成する独立委員会を設置して検討し、「潜在的な株主価値の短中期的な実現について著しく過小評価している」との理由で拒否。ACTは昨年9月、1株あたり18.19ドル(買収総額は約7兆円)に引き上げて再提案を行ったが、米国の独占禁止法(反トラスト法)や、外資による日本企業への出資を規制する外為法に抵触する可能性もあり、先行きは不透明だ。

 セブン&アイHDはACTによる提案に賛同の姿勢を示さない一方、対抗策を重ねてきた。10月、事実上の買収防衛策として、傘下のイトーヨーカ堂やヨークベニマルをはじめとする非中核事業を連結子会社から外す方針を固めた。中間持ち株会社「ヨーク・ホールディングス」を設立し、傘下にイトーヨーカ堂、ヨークベニマル、赤ちゃん本舗、ロフト、「デニーズ」などの外食事業のセブン&アイ・フードシステムズなど非コンビニ事業会社を入れる。さらに、株式の過半を26年2月までに売却すると発表し、手続きを進めている。また、セブン創業家による株式非公開化(経営陣による買収:MBO)も検討しており、米プライベートエクイティ投資会社のアポロ・グローバル・マネジメントが出資を検討しているとの報道も出ている。

(文=Business Journal編集部、協力=渡辺広明/消費経済アナリスト)