CCC、なぜ書店ツタヤの海外進出を加速?マレーシアで人気、カンボジアも出店

 日本の「TSUTAYA」とは容態やコンセプトなどは、どのように異なるのか。

「東南アジアで展開している『TSUTAYA BOOKSTORE』は、日本の店舗と同様にライフスタイル提案型の書店ですが、現地のニーズに合わせた特徴を持っています。例えば、マレーシアの店舗では、英語や中国語の書籍を中心に取り扱い、現地の文化や嗜好に合わせた商品ラインナップを展開しながら、東南アジアでも人気の高い日本の雑貨や、アニメ・コミックなどのIPコンテンツの提案も行っております。また、CCC独自のカフェを併設し、現地の食文化と日本の食文化を融合させたメニューを提供するなど、地域に根ざしたサービスを提供しています」

クアラルンプールの蔦屋書店は人気を博している

 気になる来客数や売上などは、どのような状況なのか。

「マレーシアの『TSUTAYA BOOKSTORE』『蔦屋書店』は、開業当初から多くのお客様にご来店いただき、地元の人々から高い評価を受けております。特に、クアラルンプールの『ブキット・ジャリル蔦屋書店』は、広大な店舗面積と豊富な品揃えで人気を博しています。来客数や売上について、営業情報となるため、具体的な数字の回答は差し控えさせていただきますが、強い手応を感じております」

 今後の東南アジア、および海外における出店計画について聞いた。

「2025年4月24日にはカンボジアに初出店し、2034年までに同国で6店舗の出店を予定しております。今後もAPECでの出店を計画しており、ブランド認知度を高め、日本と出店国との文化の架け橋となり、文化発展や地域社会に貢献することを目指しています」

 総合商社社員はいう。

「マレーシアやタイ、インドネシアなど東南アジア諸国の都市部は、初めて行く日本人が驚くほど都会化しており、スマホなどデジタルツールも普通に使われているが、意外にTSUTAYAのようなライフスタイル対案型の大型書店というのは、ほとんどなかった。高い経済成長が続いているなか、誰も参入していない空白地帯ともいえる市場があり、そこに目をつけたCCCが素早く進出したということ。CCCは国内で培ったエンターテインメント性の強い大型書店を運営する高いノウハウを持っており、東南アジア事業を大きく成長させていくと予想される」

(文=BUSINESS JOURNAL編集部)