「天神ビッグバン」余波で北九州に脚光…不動産価格高騰の中、移住の波

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●この記事のポイント
・福岡市の再開発「天神ビッグバン」による不動産高騰を背景に、価格と利便性の両立を求めて北九州市を選ぶ動きが拡大している。
・北九州発のアンサー倶楽部は中古物件の仲介を主軸に事業を展開し、2022年にTOKYO PRO Market上場で信頼性と成長基盤を強化。
・地域密着経営と人材育成を軸に、今後は法務・金融・相続を含む不動産コンサルティング企業への進化を目指している。

 九州では福岡市への一極集中が進む一方、その波及効果として北九州市にも新たな注目が集まっている。福岡市は2020年に人口160万人を突破し、現在では約167万人。「天神ビッグバン」などの再開発が進むことで不動産価格は上昇を続け、周辺地域にも影響が及んでいる。

 一方で、利便性と価格バランスを求めて北九州市を選ぶ動きが広がっている。北九州市で不動産事業を展開する株式会社アンサー倶楽部は、圧倒的な情報力と広告戦略を背景に地盤を築き上げた。同社専務の石原孝七郎氏に、北九州エリアの不動産事情と今後の展望を聞いた。

●目次

中古物件の売買が主力事業

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株式会社アンサー倶楽部・専務の石原孝七郎氏

 アンサー倶楽部は、代表の三谷俊介氏が2000年に創業。北九州市に5店舗、福岡市に1店舗を構える。特に北九州市での知名度は高く、「北九州市 不動産」と検索すると上位に表示されるほどだ。

 同社を中核とするアンサーホールディングスは、2022年1月にTOKYO PRO Market市場へ上場。地方発の不動産企業として上場を果たしたことで、財務の透明性と社会的信用を高め、さらなる事業拡大の基盤を築いた。

 上場を契機に、人材採用や教育体制を強化し、組織としての信頼性を向上させたことが、近年の急成長を後押ししている。

「天神ビッグバン」余波で北九州に脚光…不動産価格高騰の中、移住の波の画像3「弊社の主な事業内容はマンション・戸建などの中古物件売買の仲介です。中古物件の売買が9割を占めます。物件の種類で言えば、戸建が35%、マンションが25%、土地が30%です。一部では、弊社自らが中古物件を買い取ってリフォームし、再販する買取再販事業も展開しています」(石原氏)

 近年では新築物件の価格が高騰しており、中古を選ぶ世帯が増加している。

「戸建の場合、主に築年数20年前後・価格は2000万円前後の物件を多く取り扱っています。福岡・北九州エリアの不動産価格はコロナ禍以前と比べて1.5~2倍程度上昇しました。新築物件の相場は福岡市が4000万円台で、北九州市は3000~3500万円台です。リフォームをしても新築戸建より割安に住宅取得できる点が中古物件のメリットです」(同)

 購入者は30~40代の現役世代が中心で、購入者の約9割がリフォームを希望している。水回りの交換や間取り変更のほか、「手間がかかるのを避けたい」「駐車場を増やしたい」といった理由で庭を駐車場に変えるリフォームの需要も高いという。

北九州市の不動産事情

 北九州市は車社会であり、首都圏のように駅からの距離が価格に大きく影響することは少ない。ただし、駅前エリアではマンション開発が増加する傾向が見られる。石原氏は地域特性について次のように語る。

「工業地帯ということもあり、住民の主な通勤圏は市内です。一部、福岡市や海を渡って下関市に通勤される方もいます。小倉~博多間の所要時間は新幹線でわずか15分で、新幹線通勤者も一定数いらっしゃいます。北九州市でも福岡と同様に、不動産価格は上昇を続けています。建築費や人件費の高騰といった供給面の要因に加え、“不便な郊外から便利な北九州市内に住みたい”というシニア世帯の住み替え需要も価格を押し上げています」(同)