「アルゴリズムという『見えない手』の存在を認識したうえで、自分がいつ・何を見るかを能動的に選択する──それがデジタル時代の知的自己管理の出発点」(同)
今回のロサンゼルス評決は、SNSの終焉を意味しない。むしろ、長期的には企業にとっても「持続可能な設計」へ移行するための契機になりうる。フィーチャーフォン時代のエルゴノミクス規制が、結果として使いやすい製品を生み出したように、法的・社会的圧力はプロダクト設計を進化させることがある。
個人レベルで必要なのは、高度な「自己経営(セルフマネジメント)」だ。SNSは現代のインフラであり、ビジネスパーソンにとってこれを活用しないという選択肢は現実的ではない。しかし、アルゴリズムが「最大エンゲージメント」に最適化されている以上、その設計意図を理解せずに使い続けることは、意図せず自らの思考の深さと時間という「知的資産」を切り売りすることになる。
問いは単純だ。あなたは今日、自分の意思でSNSを開いたか。それとも、気づいたら開いていたかーー。この問いへの答えが、アルゴリズムとの関係における「主体性」を問い直す最初の一歩になる。
(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=渡邉祥吾/マーケティング経済研究者)