バーガーキング、2度撤退から既存店46カ月連続増収…業界の常識を壊しながら成長

 野村社長は自身の転職経験や挫折を踏まえ、異なるバックグラウンドを持つ人材が自律的に動ける組織づくりを重視してきたという。目先の離職を過度に恐れず、働く意欲と成長機会を提供することへのコミットメントが、「感謝の連鎖」として現場の生産性に還元されつつある。

「人手不足時代の外食産業において、外国籍人材への長期投資は、単なる”補完”ではなく競争優位の源泉になりうる。バーガーキングの事例は、組織多様性とビジネス成果の好循環を示す実践例として注目に値します」(同)

「2番手の正しい戦い方」が示す、普遍的な経営の教訓

 2025年には、運営会社の株式売却においてゴールドマン・サックスが優先交渉権を取得し、700億円規模の買収が報じられた。これは投資ファンドが日本事業の価値を高めて売却するというモデルの成功例であるとともに、バーガーキングという事業体への市場からの正当な評価でもある。

 2度の撤退という過去を持つバーガーキングが示したのは、プロダクト自体の優劣よりも、「誰に・何を・どう届けるか」という戦略の整合性と、それを実行できる組織を構築することの重要性だ。マーケティング・FC展開モデル・人材戦略の3つの歯車が噛み合ったとき、強大な先行者が存在する市場においても独自のポジションを確立できることを、バーガーキングの事例は示している。

 後発ブランドや2番手企業が「正しく戦う」とはどういうことか——その答えのひとつが、このバーガーの中に詰まっている。

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=杉田誠/外食産業コンサルタント)