出前館は8期連続赤字、マクドナルドは最高益…明暗を分けた「顧客との接点」の持ち方

「LTV(顧客生涯価値)の発想自体は規模を問いません。中小なら、LINE公式アカウントや会員カードのような低コストの手段で常連との接点を持っておくだけでも、外部への依存度はかなり変わります」(同)

「誰の上で商売をするか」という問い

 出前館の赤字は、デリバリーの需要が消えたことを意味しない。実際、注文数は回復している。問われているのは、配達という人手のかかる工程のコストを、プラットフォーム、店、利用者、配達員がそれぞれどれだけ負担するかという分担の問題だ。出前館は26年9~11月期の売上高を110億~115億円と見込むが、通期の利益見通しは示していない。手数料、配達員報酬、利用者への値引きの釣り合いをどこで取るのか、模索はしばらく続くだろう。

 外食チェーンにとって、プラットフォームは使うか使わないかの二択ではない。どの客との関係を外に預け、どこから先を自社で持つかという線引きの問題である。今後は、自社アプリとデータに投資を続ける大手と、プラットフォームの集客力を使う中小という二層の構図がはっきりしていくだろう。ただ、後者が必ず不利になるとは限らない。手数料を織り込んだ価格設計やメニューの絞り込みで、採算を取る道もある。

 外部の販路に乗れば、商品は早く売れる。では、そのとき客との関係は誰の手元に残るのか。外食に限らず、ECモールやSNS広告に集客を頼る企業にもそのまま当てはまる問いだ。

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=杉田誠/外食産業コンサルタント)

【主な参照データ・出典】
日本経済新聞(出前館決算)(ドミノ・ピザ172店閉店)
yuku.co.jp(出前館決算の数値)
note(出前館の注文数・お店価格)
集英社オンライン(市場規模、menu・Wolt撤退)
流通ニュース(マクドナルド25年12月期)
日本食糧新聞(マクドナルドのデジタル注文比率)(ドミノ・ピザ価格改定)
ITmedia ビジネスオンライン(マクドナルドの店舗投資)
ピザハット(600店舗到達)
PR TIMES(丸亀うどん弁当5000万食)
流通ニュース(トリドール第1四半期)
FoodWatchJapan(日本フードサービス協会の25年年間データ)