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1945年8月。身重の律子は、東京の海辺で一人、夫の帰りを待っていた。
夫・忠司は南方戦線への途上で行方不明。兄がもたらした情報は、彼の乗った船が撃沈されたという非情なものだった。戦争がすべてを奪い去り、希望が見えない毎日。しかし、律子は義理の両親のために、夫の故郷・広島へと向かうことを決意する。
「この子に父親の顔を見せてやりたい。ただそれだけなのに」
広島行きの汽車を待つ駅で、律子は人混みの中に、紛れもない夫の姿を見つける。それは、現実か、それとも――。
文字数 3,671
最終更新日 2025.08.05
登録日 2025.08.05
完全な立方体の館の前に またひとり、迷える意識が現れる。 館の主はおもむろに立ち上がる。 そしていつものように、声をかける。 「おい、お前――」
文字数 4,295
最終更新日 2025.06.05
登録日 2025.06.05
私、本音を隠すために、眼鏡を着けてるの――。
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僕の同期の川端さんは、才色兼備でコミュ力お化け、その上――。
文字数 6,846
最終更新日 2025.06.03
登録日 2025.06.03
おれにはお前しかおらん――おじいちゃんはその赤い紙を破いて捨てた。
世界を巻き込む戦争により、本国の戦線は各地で崩壊寸前にあった。
そして最前線での戦いの他に、本国の海を守る子どもがいた。
通称「海の子」――得体の知れない「彼ら」をおびき寄せ、自らの命と引き換えに殲滅する任務を帯びた子どもたち。
少女は今日も海に潜る。
文字数 2,769
最終更新日 2025.05.30
登録日 2025.05.30
きみがここを美しい場所と思うのなら、ここをあたしの終着点としたい――。
未来のある時ある場所で、「僕」と「君」は彷徨っている。 君は君の眠る場所を、僕は君と別れる場所を探して。
文字数 3,118
最終更新日 2025.05.29
登録日 2025.05.29
僕は小児病棟に通い、そこで過ごす十五歳の少女にシェイクスピアを語る。
シェイクスピアを通じて結ばれる絆と――。
文字数 3,111
最終更新日 2025.05.28
登録日 2025.05.28
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