日本最大のマッチングアプリ「ペアーズ」、世界展開を決断…韓国進出の先

――韓国展開において、日本でのノウハウをどのように生かそうと考えていますか。

広報担当 ペアーズが持つ価値を最大限に届けるために、日本で培ったサービスをベースとしながらも、現地の特性に合わせてアプリを最適化する「One app戦略」を採用しています。最適化のポイントは大きく分けて二つあります。

1.価値観マッチング機能の最適化
ペアーズの強みである「本音マッチ」は、プロフィールに書きにくい本音の条件や価値観を共有し、マッチングをサポートする機能です。韓国展開にあたっては、現地のユーザーの価値観に合わせて質問項目を最適化しました。

2.基本構造の最適化
安全・安心なサービス提供のために、現地の公的本人確認システムに対応することが重要です。日本版のペアーズでは、マイナンバーカードのICチップ読み取りによる本人確認を導入していますが、韓国では「PASS」というアプリを経由した本人確認システムに対応しました。その他、UIの変更やバックエンド・インフラの改修なども行い、グローバル展開に対応できるアプリへと進化させています。

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――韓国で得た知見を、日本でのサービスに生かすことは考えていますか。

広報担当 現時点ですぐに日本に逆輸入できる機能があるとは考えていませんが、「現地の本音に最適化する」という今回の取り組みは、今後の日本でのサービス改善にも応用できると考えています。

 例えば、「本音マッチ」の質問項目や、新しい価値観の軸などが、日本ユーザーにとっても有益な情報となる可能性もあります。常にユーザーのニーズを把握し、サービスを改善していく姿勢は、日本でも韓国でも変わりません。

――ペアーズ全体の今後の展望について、お話できる範囲で教えてください。

広報担当 ペアーズは、マッチングアプリとして、オンラインでの出会いだけでなく、オフラインでの出会いもサポートするサービスへと進化しています。

 具体的には、コンビニエンスストアでの Pairsプリペイドカードの販売、自治体との連携による婚活支援、カラオケ店「まねきねこ」との提携によるマッチングイベントの開催など、様々な企業や団体と連携し、ユーザーの皆様に出会いの機会を提供しています 。特に、「まねきねこ」との提携は、非常に大きな反響があり、今後の展開に力を入れています。今後も、オンラインとオフラインの垣根を超えた、新しい出会いの形を提案していきたいと考えています。

――最後に、ペアーズのユーザー、そしてこれから利用する可能性のある方々へメッセージをお願いします。

広報担当 マッチングアプリが一般化してきた中で我々は、多くの方に「かけがえのない人」と出会える機会を提供したいと考えています。ペアーズを通して、実際に多くの方が結婚されていますし、我々は、ユーザーの皆様に安心してご利用いただけるよう、常にサービスの改善に努めています。

 今後も、より多くの方に「ペアーズ」をご利用いただき、素敵な出会いを経験していただけるよう、努力してまいります。

――ありがとうございました。

 ペアーズの韓国進出は、日本発のマッチングアプリが、そのノウハウと技術を武器に、グローバル市場でいかに戦っていくかを示す試金石となるだろう。エウレカが掲げる「誰もが出会うべき人と出会える世界をマッチングアプリで実現する」というビジョンは、韓国、そしてアジアでどこまで実現されるのか。今後の展開から目が離せない。
(構成=BUSINESS JOURNAL編集部)