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第5章 すべては夢になりにけり
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「そうだなぁ~
ボクの知り合いに頼んでみるよ。
それまで、その荷物に隠れて、じっとしていてもらおう」
そう言うと、ハンスは馬車から降りて、荷台の隅に置いてある、
大きなカゴをバサッとジュンヤの上にかぶせる。
丁度人が一人、うずくまったら隠れるくらいの大きさだ。
(大丈夫か?まさか…どこかに連れて行かれたりはしないか?)
不安が一気に、倍増する。
けれどもジュンヤは、それを一切口にはせず、柚をギュッと抱き締める。
「いいか?ボクが呼ぶまで、ゼッタイに出て来るなよ。
下手すると…牢にぶち込まれるか、最悪の場合、つるし首にされるぞ」
かなり不穏なことを並べ立てて、ジュンヤに言い聞かせる。
「ねぇ~ホントに、大丈夫なの?」
心優しいアナスタシアは、ハンスに尋ねる。
「大丈夫だよ!
うまくいけば、王子様に会えるはずだ」
そう言うと、メモをちぎって、簡単な見取り図を、カゴの下にいる
ジュンヤの手に握らせる。
「王子様の部屋は、おそらくこの辺りじゃないかと思うんだ。
もっとも、この通りじゃないかもしれないけどな」
カゴのすき間から、ジュンヤをのぞく。
「周りに人がいるはずだから、十分気を付けて…
危ないと思ったら、逃げるんだ」
ここから先は、君の運次第だ!
健闘を祈る!
そうささやくと、アナスタシアを伴って、勝手口の中に入って行った。
(ボクが、頑張るしかないんだ…)
ジュンヤはキュッと、柚の手を握る。
「さぁ、ボクたちも行こうか。
ユウちゃんは、おとなしくするんだよ」
これは、ゲームだ。
ジュンヤはひょいっと、柚を抱き上げると、ハンスに教えられた通りに、
建物の裏に回り込む。
一気に緊張感が、嫌でも増してきていた…
ボクの知り合いに頼んでみるよ。
それまで、その荷物に隠れて、じっとしていてもらおう」
そう言うと、ハンスは馬車から降りて、荷台の隅に置いてある、
大きなカゴをバサッとジュンヤの上にかぶせる。
丁度人が一人、うずくまったら隠れるくらいの大きさだ。
(大丈夫か?まさか…どこかに連れて行かれたりはしないか?)
不安が一気に、倍増する。
けれどもジュンヤは、それを一切口にはせず、柚をギュッと抱き締める。
「いいか?ボクが呼ぶまで、ゼッタイに出て来るなよ。
下手すると…牢にぶち込まれるか、最悪の場合、つるし首にされるぞ」
かなり不穏なことを並べ立てて、ジュンヤに言い聞かせる。
「ねぇ~ホントに、大丈夫なの?」
心優しいアナスタシアは、ハンスに尋ねる。
「大丈夫だよ!
うまくいけば、王子様に会えるはずだ」
そう言うと、メモをちぎって、簡単な見取り図を、カゴの下にいる
ジュンヤの手に握らせる。
「王子様の部屋は、おそらくこの辺りじゃないかと思うんだ。
もっとも、この通りじゃないかもしれないけどな」
カゴのすき間から、ジュンヤをのぞく。
「周りに人がいるはずだから、十分気を付けて…
危ないと思ったら、逃げるんだ」
ここから先は、君の運次第だ!
健闘を祈る!
そうささやくと、アナスタシアを伴って、勝手口の中に入って行った。
(ボクが、頑張るしかないんだ…)
ジュンヤはキュッと、柚の手を握る。
「さぁ、ボクたちも行こうか。
ユウちゃんは、おとなしくするんだよ」
これは、ゲームだ。
ジュンヤはひょいっと、柚を抱き上げると、ハンスに教えられた通りに、
建物の裏に回り込む。
一気に緊張感が、嫌でも増してきていた…
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