異世界日帰り漫遊記

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ラゴメラ村、愛しき証と尊き日々編

  楽観

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 最近、毎日が楽しくてたまらない。

 今までこんがらがって頓挫とんざしていた計画が、兄弟子あにでし……いや、姉弟子のおかげで、するすると解けて次の段階にすすみ、自分の中でぼんやりとしていた完成図がやっとはっきりして来た事が嬉しくなってくる。

 なにより……ツカサがもうどこにも行かずにずっと家に居てくれる事が、嬉しくてたまらなかった。

 第三者におびやかされる心配も無い、自分達の家という守られた空間の中で、ツカサはいつ帰っても自分を待ってくれている。時には針仕事をして、時には夕食の準備をしながら、自分に向かって「おかえり」と言ってくれるのだ。
 その「離れていても、どこにも行かない」という確固たる要素が、ブラックには何より喜ばしくてたまらなかったのである。

(だって、今までは旅ばっかりしてたし、トランクルの貸家でもほぼ毎日色んな所に一緒に行ってたからなぁ……。ツカサ君を一人にすると危ないからって……)

 そう。今までは、その問題が有って気が気ではなかった。

 ツカサはまだまだ自覚が足りないが、本当に彼は稀有で危うい存在なのだ。
 なにも“黒曜の使者”だからという事ではない。彼自身の素養が、そうさせるのだ。

 彼の少年特有の柔らかな体つきや、とても十七とは思えない幼く愛らしい顔立ち、それに何より彼の天真爛漫でどんな存在だろうが拒まない優しい性格は、善人だろうが悪人だろうがお構いなしに簡単に人を引き寄せてしまう。

 そんな相手に優しくされれば、誰だって彼に好意を抱いてしまうではないか。
 この世界は、ツカサが居た世界とは違う。優しくして距離を詰めれば、相手は“自分に好意を寄せている”と思いこみ、その勢いでベッドへもつれ込んでしまう事も多々ある世界……ツカサに言わせてみれば、性に奔放ほんぽうな世界なのだ。

 だから、ブラックはツカサが心配なのである。
 もしツカサを一人にして、あの駄熊以上に恐れを知らない馬鹿者がツカサを食い物にしようと近付いて来たら、今度こそ自分の殺意を抑えられる気がしない。

 他人がツカサの肌を触る事すら不快なのに、自分の留守中に押し入られて彼が強姦でもされれば、今度こそブラックはそのゴミクズにも劣る存在に生き地獄を味わわせながら八つ裂きにしてしまいそうだった。

 もちろん、そんな事をすればツカサが自分から離れてしまう。
 それだけは絶対に嫌だった。だからこそ、ブラックはずっと心配で、家を空ける事など考えもしなかったのだ。

(でも、ここなら安心だもんね……。周囲は鳥しかいないし、兵士も滅多な事をする奴は出ないだろうし、なによりツカサ君はこの地区から一歩も外に出られないんだ。首輪付きの男どもなら、多少ツカサ君と仲良くしたって……)

 そこまで考えて、ブラックは顔を顰める。

「いや、やっぱ気に入らんな……どうにかしてツカサ君に色目を使う馬鹿どもを罷免ひめんする方法は……」
「なに手ェ休めてんだい! ったく、アンタすぐ思考が逸れるね。それじゃいい鍛金たんきんは出来ないよ! 人にあげようとしてるモンなんだからしっかり形を作りな!」
「いでっ」

 ばん、と後ろから結構な硬い板で頭をぶたれて、ブラックは我に返る。

 しかし中々の痛みで返事も出来ず、後頭部をさすりながら罵倒して来た相手に顔を向けた。そこには、炉の前に座って金槌で金属を打っている背中がある。

 基本的に男性よりも体格が筋肉が見えにくいのが女性だが、しかし今ブラックが姉弟子として指示を仰いでいるアナベルという女鍛冶師は少し違う。
 彼女の腕は、細腕ながらもしっかりと鍛えられた筋肉の起伏がうっすらと見えていて、鍛冶に打ち込んできた年月を見る物に想像させた。つまり彼女は、鍛冶に適した筋肉を長年の間に身に着け、それを気にする事も無く過ごしてきたという事だろう。

 見せる為や戦う為でなければ、筋肉と言う物は局地的な成長しかしない。
 だからこそ、仕事に熱中する物は己の筋肉の質など知る事が無いのだ。

 ブラックには鍛冶がそれほど面白い物なのか疑問だったが、しかし、彼女が努力し研鑽けんさんを積んで来た事は間違いない。それは素直に讃えるべき事だと思った。
 だからこそ、今ブラックはこうして彼女に教えを乞うているのだ。

 あの、大事な物――――

 “結婚指輪”を作るために。

「しかしよ……お前“婚約”じゃなくて“結婚”ってのは、いくらなんでも飛び過ぎじゃないかい? 相手のツカサって子は相当初心うぶなんだろ? だったらいきなり結婚指輪なんぞ渡されたら、戸惑って断わっちまうかもしれないよ?」

 打った金属を水に入れながら言うアナベルに、ブラックは心外だと顔を顰める。

「ツカサ君が断わるはず無いじゃないか。僕の事を好きだって言ってくれるし、セッ……夜のコトだって、嫌がらずにアンアン喘いでくれるし。だったら、早く結婚指輪を渡して、名実ともに僕の伴侶にしたってもういいだろう?」
「バカめ、そう言う事じゃないんだよ。そりゃアンタが好きだから相手は受け入れてるんだろうけどさ、それを結婚ってのは別だろう」
「え……そ、そうなのか?」
「そうさ。結婚ってのはかなり繊細な問題なんだぞ? 指輪を作ってハイ成立ってのはまずありえない事だ」

 そんな事初めて聞いた。師匠と呼ぶゲイルに色々と教えて貰った時はそこまで話してなかったが、恋愛と結婚は違う物なのだろうか。
 ブラックが思うに、結婚と言う物は恋愛よりも結びつきを強くし、互いを束縛して離さないようにする“契り”のような物だと考えていたのだが……。

 もしかして、そう言う物ではないのだろうか。

 よくわからなくて、ブラックは困惑しながらアナベルに問いかけた。

「あ、愛し合っていても結婚って成立しないこともあるのか?」

 素直に質問するブラックに少し驚いたのか、アナベルは作業の手を止めると、肩にかけていた手拭てぬぐいで顔の汗を拭きつつこちらに向き直った。

「そりゃお前……第一に神族連中の合意を得る必要があるし、籍が変わるから教会や村長にも報告すんだろ? あと……嫁の方の親を安心させなきゃいけないから、家だってそれなりに整えなきゃいかんし、支度金なんかも必要だな。ああ、後は親族を呼んで交流会代わりの式を挙げなきゃいかん」
「うへえ……」

 そんなにやる事が有ったのかと、ブラックは隠しもせずに顔を歪める。
 勿論この場合は村に住むアナベルだからこそという問題も有るのだろうが、二人が愛し合ってさえいれば成立するという話ではないという事を聞いて、ブラックは結婚とはなんと面倒臭いのだと思わずにはいられなかった。

(ツカサ君を着飾らせるのは興奮するから良いけど、他がなぁ……。なんで僕達が結婚するのに他の奴の同意が必要なんだ? 親に認めて貰う必要性ってなんだ。周囲が反対したら結婚しちゃいけないのか? バカみたいなんだが)

 親も親族すらも居ないも同然だったブラックには、意味が解らない。
 唯一肉親に近いと言える“自称・母親代わり”のシアンは、ブラックとツカサの結婚を阻害する事は無いだろうし、第一彼女は大事な存在だが他人だ。
 ブラックとツカサの関係を断ち切る権限などないのだから、結婚に口出しされるという状況がまるで思い浮かばなかった。
 
 だが、それも仕方がない事だ。
 何故なら、ブラックはツカサに出逢うまで、孤独な根無し草だったのだから。

 ――だから、親も生家も一族すらも切り捨てたブラックには、アナベルが説明する“面倒臭い結婚のしきたり”とやらが、兎角わずらわしくて仕方が無かったのだ。
 本来ならば、それが円満に終わるという事すらも理解出来ず。

「あんた……本当に今までそう言う事に触れて来なかったんだね……」
「だって必要なかったもの」

 そう言うと、アナベルは額に手を当てて沈痛の面持ちで溜息を吐いた。

「はー……こりゃお相手のツカサ君ってのは、相当苦労してんだろうねえ……。あのなあ、ブラック。結婚ってのはそのくらいの大事おおごとで、周囲を巻き込む慶事なんだよ。お前には親は関係ないのかも知れんが、ツカサ君には親がいるんだろう? その親がアンタを拒否したらどうすんだい」
「拒否って……なんで親に指図されなきゃいけないのさ」
「そら今までその子を守り育てて来た存在だからだろうが! 神が人を生んで、その人たる親が嫁を生んだんだから、親に伺うのは当たり前だろう!?」

 何をバカな事を言ってるんだと怒鳴るアナベルに、たじたじになりながらブラックはとりあえず頷いて回避する。
 彼女の認識が良く解らないが、たぶん宗教的なものに基づいているのだろう。
 ブラックは信仰する神などいないので、何故そんな事を重要視するのか解らないが、そう力説されると何だか親と言う物が重要な気もして来た。

「親に伺うのが普通……」
「アンタの所は返事ナシで良いのかも知れないけど、ツカサ君って子が親を大事に思ってる子なら、親にアンタを紹介したいって思うんじゃないのか? その時アンタが今のままみたいな甲斐性無しな姿をしてたら、断わられるかもしれないぞ。親ってのは子供の幸せを願うもんだからな。それに子供は親が反対すると、おいそれと事を実行できなくなる。そうなったら、お前の結婚も遠のくぞ」
「えぇええ!? お、親ってそんな偉い奴だったの……!?」

 まさかの信じられない事実に叫んでしまうが、しかし有り得る事かも知れない。
 あんなに純真無垢なツカサを育てた親や祖母だ。きっと、ツカサを何よりも大事に育てて来たに違いない。

 人と言う物は、受けた感情を学習するものだ。
 だから、ツカサもきっとあの優しさを誰かに与えられていた訳で、その相手が親だったとすると……やはり挨拶くらいはすべきかと、常識なしのブラックですらそう思えてくる。ツカサの親に限っては、偉大だと認めるべきなのだろう。

 だとすると……確かに、自分達だけの問題でも無くなってくる訳で。

「け、結婚って……そんなに試練があるものだったんだ……」
「そうさ。だから、みんな結婚するに当たっては色々用意しなきゃ行けないんだよ。婚約をすっとばして結婚なんて、貴族様でもそうそう出来やしないよ」
「うぅ……」

 そこまで言われると……今作っている指輪を渡しにくくなってくる。
 自分は良い。だが、ツカサの方は……。

(ああぁああこういうのが普通なら、絶対ツカサ君も親がどうとか言うよね、あの子そう言う所あるもんねええぇ……)

 ありえない、と言えない所が怖い。
 ツカサならどうにか算段を付けて、異世界の両親にすら自分を会せそうだ。
 そうなった時に自分がどう値踏みされるのかが怖い。
 さすがにブラックとて、自分がツカサをどう扱っているかは自覚している。変態的な接触をしているという事は、自分でも解っているのだ。

 だからこそ、恐ろしい。
 まともな性格のやからは、殊更ことさら性欲を嫌う。
 愛と言う感情が性欲に直結しているブラックにとっては、そう言う潔癖症な輩は敵でしかない。

 もし、ツカサの両親や祖母が、そんな相手だったら。
 もしも彼が性行為をした事が無い理由が、両親に厳しく異性との接触を禁じられていたのだとしたら……ブラックなど、蛇蝎の如く嫌われるかもしれない。
 そうなった時どうすれば良いのかすら解らないのに、とてもじゃないが今のままで会う事など出来るはずもない。失敗する事だけは絶対に避けたかった。

(や、やばい……結婚ってそんなに難しいものだったんだ……。ただ単にずっと一緒にいる為のモノだと思ってたのに……いや、そうなるからこそ、周囲を黙らせるほどの力が必要って事だったのかな……?)

 なんにせよ、今のブラックに「ある」と言えるのは金だけだ。
 他の事なんて他人が判断する物だろうし、自分自身では何とも言えない。

 そんな試練を乗り越えて愛しい相手と結婚したのだと思えば、目の前の姉弟子が余計に歴戦の勇士に思えて、ブラックは何だか崇めたくなった。

「結婚って……大変なんだ……ですね……」
「ああそうさ、本当に大変だったよ……。近所との兼ね合いもあるし……それに私の場合は、片思いしてる奴らが多かったクローツを娶ったからね。男連中に限らず、女連中とも決闘してさ。全員ぶちのめしてやっと村に結婚を認めて貰ったんだ」
「ヒェ……」
「んまあ、私のクローツは魅力的だから、誰もが惚れたって仕方ないんだけどな~! ほらほら、見ろよ私の渾身のクローツの胸像を彫り込んだブローチをっ!」

 そう言いながらブラックの間近に押し付けて来るのは、顎ががっしりとして程よく筋肉が付いた、自分と同じぐらいの歳の男だ。
 これのどこが良いのだとブラックは思ったが、まあ人の思考とは多種多様だ。
 よくある女亭主と男妻の組み合わせだなと思い、ブラックは大人ぶってアナベルのブローチを多少ぶっきらぼうになりながらも褒めた。

「た、確かに魅力的ですね……凄い綺麗に彫れてます」
「ハァ!? 惚れてる!? アンタ恋人がいながらアタシの可愛いクゥを……」
「だーっ!! だれがお前の妻なんぞ欲しがるか!!」

 流石にその間違いはやめてほしい。
 僕はツカサ君一筋だと怒鳴り返すと、アナベルは自分の失態に気付いたのか、頬を染めながら照れ笑いをすると頬を掻いた。

「ま、まあ……アレだ。とにかく、結婚ってのは色々根回しが要るくらい一大事って事なんだよ。だから、悪い事は言わないから、もうちょっと真剣に考えな。……相手の事を大事に思うなら、尚更……さ」
「…………」

 確かに、ツカサを大事に思うのなら、そう言う部分も考えてみるべきなのかもしれない。何より、自分達はまともな関係じゃないのだ。
 ツカサは異世界から来た存在で、自分は……――――

(…………でも、だからって今更……あきらめきれないよ……)

 だからこそ手放したくなくて、ツカサの全てを手に入れたかった。
 自分の全てを受け入れてくれるからこそ、永遠に自分の隣に縛り付けられるように、彼の全てを奪いたかった。

 だけど、そうするためには……ツカサをツカサのままで手に入れるには……段階を踏まねばならない。彼に繋がる物全てを、攻略しなければならないのだ。
 ツカサを奪われる事が無いように、策を何重にも講じて。

(考えるのは簡単だけど……僕に……出来るのかな……)

 情報が、足りない。何もかもが足りない今では、不安しか湧いてこなかった。
 そんなブラックを見かねてか、アナベルは嘆息して腰に手を当てると、ブラックの事を元気付けるかのように肩を叩いた。

「だから、段階を踏む事が必要なのさ。誰にだって準備は要る。だけど、大事な恋人との絆を、確固とした契約にしておきたい……その為に……婚約ってのがあるのさ。……だから、焦らずにまずは婚約指輪だ。経験者の言う事は聞いとけ。な?」

 乱暴な口調だが、ブラックの事を心配している感情が読み取れる。
 アナベルは、何も自分の気持ちを否定している訳ではない。ただ、失敗しないようにと心配して忠告してくれているのだ。それ故に、言い聞かせるような声音になっているのだろう。

 不器用だが、弟分である自分を確かに認めてくれている相手に、ブラックは何だか師匠の事を思い出して、軽く頷いた。

(……そうだな……。ゲイル師匠にも、相手の気持ちを考える事は大事だって言われていたし……経験者の言う事は聞くべきだ)

 結婚まで飛び越える事は出来なかったが、自分達にはまだ時間がある。
 だったら……焦りは禁物かも知れない。

「まあ、あれだ。婚約もそう悪いもんじゃないぞ? 婚約指輪をつけてやれば、悪い虫なんて寄って来なくなるし、なにより……あのー、あれだ。ほら、ゲイル師匠も言ってただろう? 曜術の付加で、もっと相手を守ってやれるし……」

 そうだ。
 指輪を渡しさえすれば、ツカサをもっと守れるではないか。
 それに婚約と言う事は、結婚を予約したようなものだ。だとすれば、実質ツカサは自分の物になったと言えるのではなかろうか。

(そ、そうだね。そうだよね! なんかもう違いが良く解んなくなってきたけど、要は指輪を渡して、約束するんだからもう一緒だよね! 実質結婚だよ!)

 だったら、そこまで落ち込む必要はない。
 ブラックは心が浮上して来るのを感じながら、ふんと鼻息を漏らした。

「僕……鍛金がんばります!!」

 そう言いながら目の前にある金の塊に向かうブラックに、アナベルはにっこりと笑った。

「おう! 納得する物が出来るように私がしっかり教えてやるからね!」

 色々と問題は尽きないが、それもいずれはどうにかなるだろう。
 そう楽天的に考える事にした。

(だって、僕とツカサ君は好き合ってるんだもんね。だから、どうにかなるさ)

 心が沈んだままでは、良い細工も出来ない。
 金の曜術は想像力を限界まで使用する力なのだ。そこに悪感情が入り込めば、良い金属も粗悪になってしまう。

 だから、今は、好きな物の事だけを考えよう。
 家で間違いなく待っていてくれる、愛しい姿を思い浮かべながら。

「……よし、頑張ろう……!」

 そして帰ったら、ツカサと思う存分触れ合おうではないか。

 想像して幸せな気持ちになりながら、ブラックは両手に金の曜気を集中させた。











※一回ツカサをはさんでまたブラック回(次はいちゃいちゃ)です。
 
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