33 / 41
第33話:聖剣テイム
しおりを挟む
神剣に近づきながら思う。
――はたして、俺に触れるだろうか……。
何人もの優秀な冒険者が、触ることすらできなかった“伝説の聖剣”だ。
あのケビンさんでさえ無理だった。
――いや、自信を持て、アイト。俺ならできるはずだ。気持ちで負けてたら、その時点でダメだ。
気持ちを強くして歩く。
冒険者はみんな、じっと俺を見守った。
森の中は張りつめた空気だ。
天の神剣の前に着くと、その美しさに改めて目を奪われた。
刀身は清廉潔白という言葉を体現したかのように純白で、柄の黄金は陽光に光り輝く。
武器というよりは芸術品のごとく雰囲気から、持ち手は“選ばれる立場”なのだと伝わった。
俺は目をつぶり深呼吸する。
……よし。
静かに手を伸ばす。
神剣は目の前にあるのに、手を伸ばすと遠ざかる錯覚があった。
……大丈夫だ。
俺ならできる。
手をさらに伸ばすと、黄金の柄に…………そっと指が当たった。
緊張で心臓が拍動する。
そのまま、ゆっくりと握り込むと、きちんと感触があった。
俺は……天の神剣を触ることができた。
「や、やった! 触れた! 触れたよ、みんな!」
俺はみんなの方を見る。
ただ触れただけでも、大変に嬉しかったのだ。
〔マスター、やりましたね! お見事です!〕
〔さすが、私のアイトよ!〕
コシーとエイメスの喜ぶ声が聞こえ、ストラ君たち冒険者のみんなも歓声を上げた。
「すげえ! 天の神剣を握っているぞ!」
「やっぱり、アイトさんが“選ばれし者”だったんですよ!」
「あなたが最高の冒険者です!」
みんな自分のことのように喜んでくれる。
嬉しいな。
さて、聖剣はもう抜いちゃっていいのかな?
地面から引き抜こうとした直後、俺の魔力が急速に吸い込まれていった。
天の神剣にすごい勢いで魔力が注がれる。
――な、なんだ!? 魔力が勝手に……!
俺の魔力を吸収するにつれ、天の神剣が輝きを増す。
目の前に太陽があるかのように眩しくて、まともに見れないくらいだ。
〔マスター、どうしたんですか!?〕
〔アイト、何があったの!?〕
「わ、わからないんだ! 勝手に俺の魔力が……!」
手を離そうとしても、なぜか柄に張り付いて取れない。
何が起きているんだ……! と思ったとき、ボウンッ! と、白い煙がモクモクと広がった。
この現象は前にも見たことがある。
――ま、まさか、これは……!
そうだ、これはコシーやエイメスをテイムした時と一緒だ。
俺は緊張して行く末を見守る。
天の神剣の……テイム。
少しずつ煙が消える。
完全に消えると、目の前には……もの凄い美人が立っていた。
腰くらいまである銀色の髪、スラリとした長身、切れ長の青い目、細長い手足。そして、かわいいというよりは、クールで凛とした雰囲気が漂う。
「おおおおお! 天の神剣が人間になったぞ!」
「こんなの見たことねえよ!」
「どうやったら、そんなことできるんですか!?」
後方では、冒険者たちが大騒ぎする。
天の神剣は全く動じず、俺に近寄った。
〔貴様がわらわの主か?〕
俺のことを怖い目で見る。
俺より背が高いので、上から睨まれている感じだ。
「え? 主?」
〔名は何というのだ?〕
威圧感が強くて恐ろしい。
ま、まさか、テイムされたくなかったのかな?
少々不安になってしまう。
「ア、アイト・メニエンと言います」
〔わらわは、ミルギッカという名だ〕
ミルギッカは俺のことを、頭の先からつま先まで舐めるように見た。
まるで、武器屋で品定めされている剣になった気分だ。
「ミ、ミルギッカ、よろしくね」
俺は握手しようと右手を出す。
〔……〕
握手してくれないのか……。
しかし、ミルギッカは手を出そうともしない。
かなり無愛想な感じだ。
差し出した右手の処理に困っていると、コシーとエイメスが走ってきた。
ミルギッカは二人を見るや、ギロリと睨む。
〔貴様らはなんだ?〕
「ふ、二人とも俺の仲間だよ。コシーとエイメスね。な、仲良くしてくれると嬉しいなぁ」
俺は慌てて紹介する。
なんだか一触即発な雰囲気だから。
〔私はコシーと言います。私もマスターにテイムされたんです〕
〔エイメスよ。元Sランクダンジョン。あと言っとくけど、アイトは私の物だからね〕
相変わらず、ミルギッカは機嫌が悪そうだ。
怖い顔をしてはコシーたちを睨む。
「あ、あの、ミルギッカ……?」
〔ふんっ!〕
彼女はプイッとそっぽを向いてしまった。
〔挨拶くらいしてくれても……〕
〔あんた、態度悪いわね〕
な、なんか……コシーやエイメスの時と違うな。
挨拶(……と言えるのだろうか)が終わったところで、冒険者たちも集まった。
みんな、笑顔で俺を褒めてくれる。
「アイトさん、すごすぎます! まさか、“伝説の聖剣”をテイムするなんて!」
「俺、ギルドの連中に伝えるよ!」
「あなたみたいな人に出会えて、本当に良かったです!」
少し話したけど、冒険者たちはみな、それぞれのギルドに帰るようだ。
怪我も回復したので、自力で帰れると言っていた。
みんな俺とコシー、エイメスにお礼を言い、手を振っては森の中に消える。
最後に残ったのはストラ君たちで、彼らはガシッと力強い握手をしてくれた。
「アイトさん、本当にありがとうな!」
「またどこかで会いましょう! 今度、僕たちのギルドに遊びに来てください!」
「このご恩は一生忘れません!」
ストラ君たちも、元気に彼らのギルドへ帰っていく。
後ろ姿を見ながら思う。
みんなを助けることができて本当によかった。
「……じゃあ、俺たちもギルドに戻ろうか。ケビンさん達に良い報告が出来そうだね」
〔ええ。でも、せっかくだから、ちょっと森を眺めてから帰りましょうよ〕
〔そうですね。こんなに大きな森はなかなかありません〕
二人は大きな森に興味津々な様子だ。
たしかに、これほどの大規模の森はなかなか見ない。
「それもそうか。じゃあ、ちょっとこの辺を見てから帰ろう」
俺たちはこの辺りを観察してから帰ることにした。
森へ向かって歩きだす。
と、そこで、服の袖をグイッと何かに掴まれた。
振り向くと、ミルギッカが俺の服を握っていた。
「ん? ど、どうした? 早く行かないと置いてかれちゃうよ」
〔……〕
ミルギッカは離してくれない。
コシーとエイメスは気づかず、森の中に行ってしまった。
俺たちは二人っきりになる。
「ミルギッカ、早く手を……」
〔あんなヤツら、どうでもいいだろぉ~〕
その途端、彼女の雰囲気が変わった。
「……え?」
〔貴様ぁ~、何で二人も女がいるのだぁ~。わらわという良い女がいるというのにぃ~〕
ふにゃふにゃとまとわりつく。
俺に。
何がどうなっているのか、さっぱりわからない。
「へあ?」
〔撫でてくれなきゃ許さんぞぉ~〕
ミルギッカはしきりに頭を俺に擦りつけてくる。
「え? ちょ、ちょっと、ミルギッカ?」
さっきまでと打って変わって、温和な雰囲気になっているのだが。
目つきも穏やかになり、とても笑顔。
〔あんなヤツら放っておいて、先に帰るぞぉ~〕
「いや、ちょっ」
ミ、ミルギッカは、いったいどうしたんだ?
傍目から見ると、ラブラブの恋人みたいだ。
周りには誰もいないけど、恥ずかしくてしょうがない。
何が起きているのか不明なものの、俺はホッと安心する。
――でも、エイメスがいなくて良かった……。もしいたら、どうなることやら……。
もちろん、彼女の目から逃げられるわけはなかった。
知らないうちに、エイメスが目の前にいる。
その目は深淵のごとし暗かった。
さ、さっきまで、向こうにいたのに!
〔……ちょっと、あんた。私のアイトに、何やってるの……?〕
例のごとく、エイメスの身体から激しい稲妻が迸る。
〔なんだ、貴様は。わらわに勝てると思っているのか?〕
エイメスを見た瞬間、ミルギッカは元のおっかない彼女に戻ってしまった。
……これはまずいよ?
かつてない戦争が始まりそうだ。
コシーが大急ぎで走って戻る。
〔ちょ、ちょっと、二人ともこんなところでやめてください!〕
「森が壊滅しちゃうから!」
俺も必死に二人をなだめる。
彼女らが騒ぐ中、ぼんやりと頭の中で考えた。
――も、もしかして、彼女はクーデレ……。
――はたして、俺に触れるだろうか……。
何人もの優秀な冒険者が、触ることすらできなかった“伝説の聖剣”だ。
あのケビンさんでさえ無理だった。
――いや、自信を持て、アイト。俺ならできるはずだ。気持ちで負けてたら、その時点でダメだ。
気持ちを強くして歩く。
冒険者はみんな、じっと俺を見守った。
森の中は張りつめた空気だ。
天の神剣の前に着くと、その美しさに改めて目を奪われた。
刀身は清廉潔白という言葉を体現したかのように純白で、柄の黄金は陽光に光り輝く。
武器というよりは芸術品のごとく雰囲気から、持ち手は“選ばれる立場”なのだと伝わった。
俺は目をつぶり深呼吸する。
……よし。
静かに手を伸ばす。
神剣は目の前にあるのに、手を伸ばすと遠ざかる錯覚があった。
……大丈夫だ。
俺ならできる。
手をさらに伸ばすと、黄金の柄に…………そっと指が当たった。
緊張で心臓が拍動する。
そのまま、ゆっくりと握り込むと、きちんと感触があった。
俺は……天の神剣を触ることができた。
「や、やった! 触れた! 触れたよ、みんな!」
俺はみんなの方を見る。
ただ触れただけでも、大変に嬉しかったのだ。
〔マスター、やりましたね! お見事です!〕
〔さすが、私のアイトよ!〕
コシーとエイメスの喜ぶ声が聞こえ、ストラ君たち冒険者のみんなも歓声を上げた。
「すげえ! 天の神剣を握っているぞ!」
「やっぱり、アイトさんが“選ばれし者”だったんですよ!」
「あなたが最高の冒険者です!」
みんな自分のことのように喜んでくれる。
嬉しいな。
さて、聖剣はもう抜いちゃっていいのかな?
地面から引き抜こうとした直後、俺の魔力が急速に吸い込まれていった。
天の神剣にすごい勢いで魔力が注がれる。
――な、なんだ!? 魔力が勝手に……!
俺の魔力を吸収するにつれ、天の神剣が輝きを増す。
目の前に太陽があるかのように眩しくて、まともに見れないくらいだ。
〔マスター、どうしたんですか!?〕
〔アイト、何があったの!?〕
「わ、わからないんだ! 勝手に俺の魔力が……!」
手を離そうとしても、なぜか柄に張り付いて取れない。
何が起きているんだ……! と思ったとき、ボウンッ! と、白い煙がモクモクと広がった。
この現象は前にも見たことがある。
――ま、まさか、これは……!
そうだ、これはコシーやエイメスをテイムした時と一緒だ。
俺は緊張して行く末を見守る。
天の神剣の……テイム。
少しずつ煙が消える。
完全に消えると、目の前には……もの凄い美人が立っていた。
腰くらいまである銀色の髪、スラリとした長身、切れ長の青い目、細長い手足。そして、かわいいというよりは、クールで凛とした雰囲気が漂う。
「おおおおお! 天の神剣が人間になったぞ!」
「こんなの見たことねえよ!」
「どうやったら、そんなことできるんですか!?」
後方では、冒険者たちが大騒ぎする。
天の神剣は全く動じず、俺に近寄った。
〔貴様がわらわの主か?〕
俺のことを怖い目で見る。
俺より背が高いので、上から睨まれている感じだ。
「え? 主?」
〔名は何というのだ?〕
威圧感が強くて恐ろしい。
ま、まさか、テイムされたくなかったのかな?
少々不安になってしまう。
「ア、アイト・メニエンと言います」
〔わらわは、ミルギッカという名だ〕
ミルギッカは俺のことを、頭の先からつま先まで舐めるように見た。
まるで、武器屋で品定めされている剣になった気分だ。
「ミ、ミルギッカ、よろしくね」
俺は握手しようと右手を出す。
〔……〕
握手してくれないのか……。
しかし、ミルギッカは手を出そうともしない。
かなり無愛想な感じだ。
差し出した右手の処理に困っていると、コシーとエイメスが走ってきた。
ミルギッカは二人を見るや、ギロリと睨む。
〔貴様らはなんだ?〕
「ふ、二人とも俺の仲間だよ。コシーとエイメスね。な、仲良くしてくれると嬉しいなぁ」
俺は慌てて紹介する。
なんだか一触即発な雰囲気だから。
〔私はコシーと言います。私もマスターにテイムされたんです〕
〔エイメスよ。元Sランクダンジョン。あと言っとくけど、アイトは私の物だからね〕
相変わらず、ミルギッカは機嫌が悪そうだ。
怖い顔をしてはコシーたちを睨む。
「あ、あの、ミルギッカ……?」
〔ふんっ!〕
彼女はプイッとそっぽを向いてしまった。
〔挨拶くらいしてくれても……〕
〔あんた、態度悪いわね〕
な、なんか……コシーやエイメスの時と違うな。
挨拶(……と言えるのだろうか)が終わったところで、冒険者たちも集まった。
みんな、笑顔で俺を褒めてくれる。
「アイトさん、すごすぎます! まさか、“伝説の聖剣”をテイムするなんて!」
「俺、ギルドの連中に伝えるよ!」
「あなたみたいな人に出会えて、本当に良かったです!」
少し話したけど、冒険者たちはみな、それぞれのギルドに帰るようだ。
怪我も回復したので、自力で帰れると言っていた。
みんな俺とコシー、エイメスにお礼を言い、手を振っては森の中に消える。
最後に残ったのはストラ君たちで、彼らはガシッと力強い握手をしてくれた。
「アイトさん、本当にありがとうな!」
「またどこかで会いましょう! 今度、僕たちのギルドに遊びに来てください!」
「このご恩は一生忘れません!」
ストラ君たちも、元気に彼らのギルドへ帰っていく。
後ろ姿を見ながら思う。
みんなを助けることができて本当によかった。
「……じゃあ、俺たちもギルドに戻ろうか。ケビンさん達に良い報告が出来そうだね」
〔ええ。でも、せっかくだから、ちょっと森を眺めてから帰りましょうよ〕
〔そうですね。こんなに大きな森はなかなかありません〕
二人は大きな森に興味津々な様子だ。
たしかに、これほどの大規模の森はなかなか見ない。
「それもそうか。じゃあ、ちょっとこの辺を見てから帰ろう」
俺たちはこの辺りを観察してから帰ることにした。
森へ向かって歩きだす。
と、そこで、服の袖をグイッと何かに掴まれた。
振り向くと、ミルギッカが俺の服を握っていた。
「ん? ど、どうした? 早く行かないと置いてかれちゃうよ」
〔……〕
ミルギッカは離してくれない。
コシーとエイメスは気づかず、森の中に行ってしまった。
俺たちは二人っきりになる。
「ミルギッカ、早く手を……」
〔あんなヤツら、どうでもいいだろぉ~〕
その途端、彼女の雰囲気が変わった。
「……え?」
〔貴様ぁ~、何で二人も女がいるのだぁ~。わらわという良い女がいるというのにぃ~〕
ふにゃふにゃとまとわりつく。
俺に。
何がどうなっているのか、さっぱりわからない。
「へあ?」
〔撫でてくれなきゃ許さんぞぉ~〕
ミルギッカはしきりに頭を俺に擦りつけてくる。
「え? ちょ、ちょっと、ミルギッカ?」
さっきまでと打って変わって、温和な雰囲気になっているのだが。
目つきも穏やかになり、とても笑顔。
〔あんなヤツら放っておいて、先に帰るぞぉ~〕
「いや、ちょっ」
ミ、ミルギッカは、いったいどうしたんだ?
傍目から見ると、ラブラブの恋人みたいだ。
周りには誰もいないけど、恥ずかしくてしょうがない。
何が起きているのか不明なものの、俺はホッと安心する。
――でも、エイメスがいなくて良かった……。もしいたら、どうなることやら……。
もちろん、彼女の目から逃げられるわけはなかった。
知らないうちに、エイメスが目の前にいる。
その目は深淵のごとし暗かった。
さ、さっきまで、向こうにいたのに!
〔……ちょっと、あんた。私のアイトに、何やってるの……?〕
例のごとく、エイメスの身体から激しい稲妻が迸る。
〔なんだ、貴様は。わらわに勝てると思っているのか?〕
エイメスを見た瞬間、ミルギッカは元のおっかない彼女に戻ってしまった。
……これはまずいよ?
かつてない戦争が始まりそうだ。
コシーが大急ぎで走って戻る。
〔ちょ、ちょっと、二人ともこんなところでやめてください!〕
「森が壊滅しちゃうから!」
俺も必死に二人をなだめる。
彼女らが騒ぐ中、ぼんやりと頭の中で考えた。
――も、もしかして、彼女はクーデレ……。
127
あなたにおすすめの小説
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。
名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。
絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。
運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。
熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。
そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。
これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。
「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」
知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります
しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。
納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。
ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。
そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。
竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。
【薬師向けスキルで世界最強!】追放された闘神の息子は、戦闘能力マイナスのゴミスキル《植物王》を究極進化させて史上最強の英雄に成り上がる!
こはるんるん
ファンタジー
「アッシュ、お前には完全に失望した。もう俺の跡目を継ぐ資格は無い。追放だ!」
主人公アッシュは、世界最強の冒険者ギルド【神喰らう蛇】のギルドマスターの息子として活躍していた。しかし、筋力のステータスが80%も低下する外れスキル【植物王(ドルイドキング)】に覚醒したことから、理不尽にも父親から追放を宣言される。
しかし、アッシュは襲われていたエルフの王女を助けたことから、史上最強の武器【世界樹の剣】を手に入れる。この剣は天界にある世界樹から作られた武器であり、『植物を支配する神スキル』【植物王】を持つアッシュにしか使いこなすことができなかった。
「エルフの王女コレットは、掟により、こ、これよりアッシュ様のつ、つつつ、妻として、お仕えさせていただきます。どうかエルフ王となり、王家にアッシュ様の血を取り入れる栄誉をお与えください!」
さらにエルフの王女から結婚して欲しい、エルフ王になって欲しいと追いかけまわされ、エルフ王国の内乱を治めることになる。さらには神獣フェンリルから忠誠を誓われる。
そんな彼の前には、父親やかつての仲間が敵として立ちはだかる。(だが【神喰らう蛇】はやがてアッシュに敗れて、あえなく没落する)
かくして、後に闘神と呼ばれることになる少年の戦いが幕を開けた……!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる