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帝国戦

真っ向勝負

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ライオーを倒した俺はステインの方を向いた。
「待ちくたびれたぜリクト。やっとお前と戦える・・」
俺は構えるが、ステインは手で制止した。
「まぁ、待て。お前はそこのバカとの戦いで消耗している。さっさとポーションでも飲んで回復したらどうだ?」
俺はステインの言う通りポーションを取り出し飲み干した。体に力が戻ってくる感覚がわかる。
「やれやれ、そこまでフェアに戦いたいとはな。お前も回復はしているのか?」
「平気だ。じゃあ構えろ。」
ステインの雰囲気が変わった。
「先に言っとくがさっさと発動させてくれ。龍体接続を。」
「どこかで監視していたのか・・」
特に驚くことはなかった。確かによくとは言わないが使っているからな。
「じゃあ遠慮なく使わせてもらう。龍体接続!」
そう言って俺は龍の力を体に流し込んだ。
「それがお前のか・・ならこちらも龍体接続!」
「!!!」
まさかステインも使えるとは・・やはりライオーとは違う。
俺のとはまた違った龍の姿だ。見たことがないな。
「その姿は・・・」
「ウォーリアドラゴン。強敵との戦いを好む俺にピッタリなオリジナルドラゴンだ。」
新種か・・。道理で強そうなわけだ。
「しかし、お前の姿は凄いもんだな・・俺のウォーリアドラゴンの本能が騒いでいる。」
龍体接続は接続者との相性がいいと感情なども共有される。もっとも俺はその域には達してないが。
「じゃあ行くぜ~、リクトよ!」
ステインの姿が目の前から消えた。いきなりだったが、目で追えないスピードではなかった。
後ろに蹴りをかますと、ドガッ!という音が響いた。
「流石はリクト・・防御力も反応もすげえな。」
「反応は俺のだが防御力はこの龍の力もあるぞ。」
「それも含めてだよっ!!!」
体を一回転させさらに攻撃を加えようとするステイン。
どうやら避けるほどの余裕はなさそうだな。
「「グアッ!」」
お互いの蹴りが命中し、距離ができた。
「へっ!あそこで迎え撃たずにわざと食らって自らも攻撃を加えるとはね。」
ステインは楽しそうに呟いた。
「全く、敵味方関係なしでやり合いたかったがな。」
「それはこっちも同じだっ!!!」
今度は俺から仕掛けた。無数の拳がステインを襲うがステインは回避しつつも避けられないものは迎え撃っていた。
「戦い慣れしているな。」
「そんながむしゃらなやり方じゃ勝つことはないぞ」
「あぁ、知ってるよ。聖剣ブラスター!」
やや控えめに聖剣ブラスターをぶちかました。そしてステインに魔弾をぶつけ、その勢いを利用して俺は回避した。
目の前でステインに聖剣が激突し煙が上がった。
「・・・少しは効いてくれるといいんだが・・」
「ウォラァッ!!!」
煙をステインは魔力で吹き飛ばした。やはりかなり余力が残ってるな。
「流石だな。だが、かなり甘かったんじゃなかったのか。俺には10本ほどしか命中しなかったしな。」
少なくとも50本は撃ったのだが・・8割以上を処理するとはな。
「じゃあ次は俺がやるぜ。」
そう言うとステインの周りに4つの黒い穴が出現した。
「お前は亜空間作成っていうのは持ってるよな?」
「まぁ、持っているがどうした?」
何をしようとしている?
「こういう使い方もあるってことだよ!」
そう言うとそこから無数の魔弾が飛び出した。しかも1つ1つにかなりの魔力が注ぎ込まれている。
「強敵との戦いに備えて溜めといて良かったぜ。」
こういう使い方があるのかと思いながらも俺はピンチに陥っていた。
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