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夏
蜂谷姉妹
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薫さんが全員捕まえてもう一回、鬼ごっこが始まった。
鬼は鈴波になった。
「じゃあ、二十秒数えるから、逃げて。」
そう言って、僕は距離をとる。
鈴波が二十秒数え終わると、涼波はまっさきに僕のもとに走ってきた。
「まって、速す……。」
僕はあえなく捕まった。
また、僕は手を上げて、牢屋に行った。
牢屋に座って、また本を片手に持ち、読み始める。
しばらく読んでいると、白いカバンを下げた一人の女の子がやって来た。
確か……。蜂谷高音って自己紹介してたっけ……。
高音ちゃんは僕と距離をとるようにゴールの端に座った。
僕は本を読むのをやめて、ぼんやり涼波が走っているのを眺め始めた。
涼波は今、薫さんを追いかけている。
そして、そのそばを逃げていた、乃花ちゃんをさり気なくタッチしてそのまま追いかけている。
「涼波、どんだけ足速いの?」
タッチされた乃花ちゃんがゴールにやって来た。
「高木さんも捕まったんですか?」
「一番最初に捕まったかな。」
乃花ちゃんは高音ちゃんと僕の真ん中に座る。
「本が好きなんですか?」
「まぁ、そうかな。」
「そう言えば、図書館ってどこにあるんですか?私、知らなくて……。」
その時、高音ちゃんが口を開いた。
「町役場の中にあるよ。」
「知ってたの?お姉ちゃん。」
お姉ちゃん?高音ちゃんの方が上なんだ。
偏見かもしれないがハキハキとしていてしっかりとした印象を受ける乃花ちゃんのほうが上だと思っていた。
「高音ちゃんと乃花ちゃんは、この村にはいつ来たの?」
乃花ちゃんは少し考えてから、
「四月くらいですよ。」
とだけ答えた。
鬼は鈴波になった。
「じゃあ、二十秒数えるから、逃げて。」
そう言って、僕は距離をとる。
鈴波が二十秒数え終わると、涼波はまっさきに僕のもとに走ってきた。
「まって、速す……。」
僕はあえなく捕まった。
また、僕は手を上げて、牢屋に行った。
牢屋に座って、また本を片手に持ち、読み始める。
しばらく読んでいると、白いカバンを下げた一人の女の子がやって来た。
確か……。蜂谷高音って自己紹介してたっけ……。
高音ちゃんは僕と距離をとるようにゴールの端に座った。
僕は本を読むのをやめて、ぼんやり涼波が走っているのを眺め始めた。
涼波は今、薫さんを追いかけている。
そして、そのそばを逃げていた、乃花ちゃんをさり気なくタッチしてそのまま追いかけている。
「涼波、どんだけ足速いの?」
タッチされた乃花ちゃんがゴールにやって来た。
「高木さんも捕まったんですか?」
「一番最初に捕まったかな。」
乃花ちゃんは高音ちゃんと僕の真ん中に座る。
「本が好きなんですか?」
「まぁ、そうかな。」
「そう言えば、図書館ってどこにあるんですか?私、知らなくて……。」
その時、高音ちゃんが口を開いた。
「町役場の中にあるよ。」
「知ってたの?お姉ちゃん。」
お姉ちゃん?高音ちゃんの方が上なんだ。
偏見かもしれないがハキハキとしていてしっかりとした印象を受ける乃花ちゃんのほうが上だと思っていた。
「高音ちゃんと乃花ちゃんは、この村にはいつ来たの?」
乃花ちゃんは少し考えてから、
「四月くらいですよ。」
とだけ答えた。
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