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夏
かくれんぼ
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僕は部屋の中を見る。
暗くて、よく見えないがここは倉庫のようで、天井まで届く棚が幾つもおいてある、がその殆どに何も入っていなかった。
僕は手探りで背負っていたリュックを手探りで漁る。
「確か……。この辺に、あぁ、あった。」
僕はトンネルを歩いた日に鈴波が持ってきていたペンライトを取り出した。
借りたのをただ忘れていただけだが、涼波に心のなかで感謝を述べた後、僕はペンライトに光を点けた。
倉庫の中は本当に何もなくただ棚が上に伸びているだけだった。
「何もないな。」
僕はペンライトを片手に奥に進んでいく。
倉庫の外は何もない一本道の廊下なので廊下に出るのは余りにもリスキーだ。
あの、「ファイヤ」とか言う魔法みたいな物には簡単に当たってしまう。
その時、床からめくれ上がっていたタイルにつまづき転んでしまった。
「イテテ、」
そして、手から落ちたペンライトを拾おうとした時、ペンライトが照らしていた天井が一枚剥がれそうになっているのに気がついた。
「アレは……。」
僕は棚をよじ登って、天井裏に隠れる。
ここから、何とか、外に出る方法を探そう。
そう思って僕は天井裏を這いながら、前に進んだ。
天井裏には壁がある所に梁が突き出していて、大体の場所が分かった。
僕は案内板を思い出しながら、梁の上を進んでいく。
「確か……。」
僕は天井の板をそっと取り外し、部屋の中を見る。
「やはり、ここが村長室か、」
部屋の床には赤いカーペットが敷かれていて、木で出来た机が置かれ、棚が壁に沿って置かれていた。
そして、部屋の扉の横には幾つかの鍵を引っ掛けるスペースがあった。
僕は棚を頼りにして、そっと地面に降りる。
「随分と埃っぽいな、」
部屋にはどこもかしこもホコリが積もっており、白く霞んでいる。
そのまま、僕は部屋にあった窓を鍵を開けようとした。
ただ、部屋の鍵は固く全く動かない。
よく見ると、鍵には接着剤のようなものが塗られていた。
「どうも、高木京介さん。かくれんぼは終わりですよ。」
後ろからの声に驚き、振り返るとあの狐の仮面の人がいた。
こう近くで見ると背丈は僕よりも大きかった。
ただ、歩き方が何となくぎこちないので、恐らくシークレットブーツを履いている。
身体的な特徴からは誰か全く分からない。
「高木さん、どこまで、知っているんですか?」
「さぁ、全く。」
勿論、ブラフである。
「嘘が下手ですね。」
あっさりとブラフがバレてしまった。
「この村の秘密くらいは分かっている。村の名前もそれに因んでいるんだろ?安直すぎる。」
「まさか、そこまで分かっているとは……。」
暗くて、よく見えないがここは倉庫のようで、天井まで届く棚が幾つもおいてある、がその殆どに何も入っていなかった。
僕は手探りで背負っていたリュックを手探りで漁る。
「確か……。この辺に、あぁ、あった。」
僕はトンネルを歩いた日に鈴波が持ってきていたペンライトを取り出した。
借りたのをただ忘れていただけだが、涼波に心のなかで感謝を述べた後、僕はペンライトに光を点けた。
倉庫の中は本当に何もなくただ棚が上に伸びているだけだった。
「何もないな。」
僕はペンライトを片手に奥に進んでいく。
倉庫の外は何もない一本道の廊下なので廊下に出るのは余りにもリスキーだ。
あの、「ファイヤ」とか言う魔法みたいな物には簡単に当たってしまう。
その時、床からめくれ上がっていたタイルにつまづき転んでしまった。
「イテテ、」
そして、手から落ちたペンライトを拾おうとした時、ペンライトが照らしていた天井が一枚剥がれそうになっているのに気がついた。
「アレは……。」
僕は棚をよじ登って、天井裏に隠れる。
ここから、何とか、外に出る方法を探そう。
そう思って僕は天井裏を這いながら、前に進んだ。
天井裏には壁がある所に梁が突き出していて、大体の場所が分かった。
僕は案内板を思い出しながら、梁の上を進んでいく。
「確か……。」
僕は天井の板をそっと取り外し、部屋の中を見る。
「やはり、ここが村長室か、」
部屋の床には赤いカーペットが敷かれていて、木で出来た机が置かれ、棚が壁に沿って置かれていた。
そして、部屋の扉の横には幾つかの鍵を引っ掛けるスペースがあった。
僕は棚を頼りにして、そっと地面に降りる。
「随分と埃っぽいな、」
部屋にはどこもかしこもホコリが積もっており、白く霞んでいる。
そのまま、僕は部屋にあった窓を鍵を開けようとした。
ただ、部屋の鍵は固く全く動かない。
よく見ると、鍵には接着剤のようなものが塗られていた。
「どうも、高木京介さん。かくれんぼは終わりですよ。」
後ろからの声に驚き、振り返るとあの狐の仮面の人がいた。
こう近くで見ると背丈は僕よりも大きかった。
ただ、歩き方が何となくぎこちないので、恐らくシークレットブーツを履いている。
身体的な特徴からは誰か全く分からない。
「高木さん、どこまで、知っているんですか?」
「さぁ、全く。」
勿論、ブラフである。
「嘘が下手ですね。」
あっさりとブラフがバレてしまった。
「この村の秘密くらいは分かっている。村の名前もそれに因んでいるんだろ?安直すぎる。」
「まさか、そこまで分かっているとは……。」
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