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本編
7 クラゲさんの好きなものその①
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どうやらあのクラゲ(仮)は、水があるところに乗り移ることができるらしい。例えば部屋で水を飲んでいたら、急に水の中にクラゲさんが転移してきたりする。
朝起きてコップの水に口をつけようとして、金色の楕円と目があったときは本当にびっくりした。基本的には、気ままに家の中の水場を転々としているらしかった。
不思議なことに、クラゲさんが転移した後の水は転移前よりもきれいになっている。風呂水もそうだが、さっきまで飲んでいたお茶がただの水になっていたときは目を疑った。水の汚れとかがエサなのかな。だったらコスパ最強だな。サステナブルだね。でも、せっかく買ってきたジュースをペットボトルごと水にされたときはちょっと悲しかった。
何も問題は起こっていないから好きにさせている。ただ、独り言で『クラゲさん』と言っただけでも近くの水に転移してくるから、一人になりたいときは独り言を言わないようにしている。
ただ、乗り移る水はある程度近くないとできないらしい。試しにコンビニで水を買ってクラゲさんを呼んでみたが、転移してこなかった。
あと、クラゲさんは体内の温度を自在に操れるらしい。おかげで、彼が来てからは風呂を沸かす手間が省けた。水にもスライムにもお湯にもなれるクラゲさんの身体を風呂水代わりにしているのだ。
俺にいいように使われているというのに、クラゲさんは気にした様子もなく、俺が会社から返ってくると体をお湯にして自らの体に俺を迎え入れてくれる。風呂に入ると必ずと言っていいほどえろいことをしてくるのは、どうかと思うけど。俺自身も最近はそれに抵抗感がなくなってきて、むしろ自分で抜く手間が省けていいなとすら思っている。
「あ、こらっ」
「イタイ……」
クラゲさんが尻の穴を触ったので、透明な触手を叩いた。流石にそれ以上進むつもりはない。ぺしぺし触手を叩くと、渋々といった様子で離れていく。
代わりにぎゅっと陰茎を締められて、鼻にかかった声が出る。
「……、きもちい」
手の中で転がされる猫にでもなった気分だ。やってることはR-18そのものだけど。
クラゲさんが本気になったら、抵抗する間も無いだろう。彼と俺の力の差は、初日に散々わからされた。だがこの大きなクラゲは、俺が思っていたよりも俺の言う事を聞く。静かにしてと言ったら水の状態になって沈黙してくれるし、掃除をしろと言ったらしてくれる。ただ、完全に従順というわけでもないのは事実だ。
例えば、俺のちんこを扱いているときは、本気で「ダメ」と言っても聞いてくれない。あれ、癖になりそうだからやめてほしいんだけどな。気持ちいいけど。
……精子が食事だったりするのかな。色々規格外なクラゲさんだから、ありえなくも無い。
「クラゲさんって、何食べるの?」
とある休日の昼間に、風呂の水で遊んでいるクラゲさんを突きながらそう聞くと、クラゲさんは首を傾げた。遊ぶときは体が小さい方が都合がいいらしく、今はクラゲさんのほうが小さい。
食べるものだよ。好きな食べ物、一つや二つあるでしょ。
そう言うとクラゲさんは数秒沈黙したあと、触手を俺の顔に伸ばしてきた。え、俺?精子じゃなくて、俺なの?いや、精液って言われたかったわけじゃないんだけど。
目尻の下ら辺を、粘度のない手が触れている。クラゲさんの触手はぬるぬるしているときとしてないときがあるのだが、どうしてだろうか。
顔を撫でてくるそれが意味することに考えついた俺は、震える体を抱きしめながらクラゲさんを見下ろした。
「俺、食べられちゃうの……?」
青ざめると、クラゲさんが慌てたようにぶんぶん首を振った。じゃあ、何が好きだっていうんだよ。今の仕草って、明らかにそういう意味だったじゃん。
真っ青になって身体が冷たくなっている俺に気づいたクラゲさんは、自らの身体を温めて湯にすると服を着たままの俺を抱えあげて、そのまま湯に入れた。クラゲさんの中はあったかくて、すぐに宥められた。
結局、クラゲさんの好きなものって何だったんだ……。有耶無耶になってしまったが、いつか教えてもらいたいものだ。
朝起きてコップの水に口をつけようとして、金色の楕円と目があったときは本当にびっくりした。基本的には、気ままに家の中の水場を転々としているらしかった。
不思議なことに、クラゲさんが転移した後の水は転移前よりもきれいになっている。風呂水もそうだが、さっきまで飲んでいたお茶がただの水になっていたときは目を疑った。水の汚れとかがエサなのかな。だったらコスパ最強だな。サステナブルだね。でも、せっかく買ってきたジュースをペットボトルごと水にされたときはちょっと悲しかった。
何も問題は起こっていないから好きにさせている。ただ、独り言で『クラゲさん』と言っただけでも近くの水に転移してくるから、一人になりたいときは独り言を言わないようにしている。
ただ、乗り移る水はある程度近くないとできないらしい。試しにコンビニで水を買ってクラゲさんを呼んでみたが、転移してこなかった。
あと、クラゲさんは体内の温度を自在に操れるらしい。おかげで、彼が来てからは風呂を沸かす手間が省けた。水にもスライムにもお湯にもなれるクラゲさんの身体を風呂水代わりにしているのだ。
俺にいいように使われているというのに、クラゲさんは気にした様子もなく、俺が会社から返ってくると体をお湯にして自らの体に俺を迎え入れてくれる。風呂に入ると必ずと言っていいほどえろいことをしてくるのは、どうかと思うけど。俺自身も最近はそれに抵抗感がなくなってきて、むしろ自分で抜く手間が省けていいなとすら思っている。
「あ、こらっ」
「イタイ……」
クラゲさんが尻の穴を触ったので、透明な触手を叩いた。流石にそれ以上進むつもりはない。ぺしぺし触手を叩くと、渋々といった様子で離れていく。
代わりにぎゅっと陰茎を締められて、鼻にかかった声が出る。
「……、きもちい」
手の中で転がされる猫にでもなった気分だ。やってることはR-18そのものだけど。
クラゲさんが本気になったら、抵抗する間も無いだろう。彼と俺の力の差は、初日に散々わからされた。だがこの大きなクラゲは、俺が思っていたよりも俺の言う事を聞く。静かにしてと言ったら水の状態になって沈黙してくれるし、掃除をしろと言ったらしてくれる。ただ、完全に従順というわけでもないのは事実だ。
例えば、俺のちんこを扱いているときは、本気で「ダメ」と言っても聞いてくれない。あれ、癖になりそうだからやめてほしいんだけどな。気持ちいいけど。
……精子が食事だったりするのかな。色々規格外なクラゲさんだから、ありえなくも無い。
「クラゲさんって、何食べるの?」
とある休日の昼間に、風呂の水で遊んでいるクラゲさんを突きながらそう聞くと、クラゲさんは首を傾げた。遊ぶときは体が小さい方が都合がいいらしく、今はクラゲさんのほうが小さい。
食べるものだよ。好きな食べ物、一つや二つあるでしょ。
そう言うとクラゲさんは数秒沈黙したあと、触手を俺の顔に伸ばしてきた。え、俺?精子じゃなくて、俺なの?いや、精液って言われたかったわけじゃないんだけど。
目尻の下ら辺を、粘度のない手が触れている。クラゲさんの触手はぬるぬるしているときとしてないときがあるのだが、どうしてだろうか。
顔を撫でてくるそれが意味することに考えついた俺は、震える体を抱きしめながらクラゲさんを見下ろした。
「俺、食べられちゃうの……?」
青ざめると、クラゲさんが慌てたようにぶんぶん首を振った。じゃあ、何が好きだっていうんだよ。今の仕草って、明らかにそういう意味だったじゃん。
真っ青になって身体が冷たくなっている俺に気づいたクラゲさんは、自らの身体を温めて湯にすると服を着たままの俺を抱えあげて、そのまま湯に入れた。クラゲさんの中はあったかくて、すぐに宥められた。
結局、クラゲさんの好きなものって何だったんだ……。有耶無耶になってしまったが、いつか教えてもらいたいものだ。
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