51 / 56
3章 子どもの終わり
第51話 vsサリバン軍
しおりを挟む
俺達は始めから全力だった。
まず始めに俺達がしたことは雑魚の殲滅《せんめつ》である。
彼女達のステータスは愛情のスキルでアップしていた。
それに持てるだけ美子さんが作った小さな団子を持っている。
俺とマミにはアイテムボックスがあるから、無限に団子を入れることができる。
懸念材料は怪我は治っても魔力までは回復しないことと体力も回復しないことである。
俺とアイリは植物召喚を使った。とにかくコチラの頭数を増やしたかった。
まず最初に出したのはモルボルである。
俺は5体のモルボルを出した。
アイリは3体のモルボルを出した。
俺達はモルボルから降りて、敵陣に攻め込むモルボルを見送った。
そして俺はブラッドローズという植物を100体も出す。
「アイリは魔力を温存しろ。ブラッドローズは俺だけ出す」
ブラッドローズは肉食の植物で、根が土の中にあり、動くことができない。
植物のほとんどが、そうなのだけど。
あとはトレントを100体ほど出す。
強い植物じゃないけど、足止めぐらいはできるだろう。
マンドレイクは出す意味が無いので召喚しない。一見、大根みたいな植物だけど、引っこ抜くと人間みたいな顔があり、気絶するような悲鳴をあげるのだ。
最後に召喚したのは、ドリアードだった。
俺でも一体しか召喚できない。
植物というより、どちらかいうと妖精である。だけど植物召喚で出すことができるということは、植物なんだろう。
ドリアードは20代の女の人のような見た目である。緑髪で緑の瞳。アイリのお姉さんのようにも見えた。
ドリアードは木々を操り、攻撃する。
アイリのプラントクローズを使う事ができる植物だった。
アイリとドリアードは似ていた。
もしかしたらアイリとドリアードには何かの関係があるのかもしれない。
アイリもドリアードを召喚した後、敵陣に突っ込んで行った。
マミはフェニックスの祝福で、体に不死鳥の炎を宿し、赤い翼で空を飛びながら、真っ赤になった大剣から炎の斬撃を出して、敵軍を一掃していた。
サリバン軍の中から強さ自慢の奴、……黒い翼を生やした怪獣がマミの前に現れた。
ユキリンは何でも斬れる黒い魔剣で、魔族を斬り、魔族から出されたスキルも斬り、ノーダメで無双している。
さすが日本人勇者。スキルを使えなくてもチートである。
だけどオッパイ3つの爆乳お姉さんと対峙して、無双がストップする。
オッパイ3つの爆乳お姉さんは両手剣だった。オッパイ3つの爆乳お姉さんが楽しそうにユキリンの斬撃を受けて反撃していた。
アイリは木龍に乗って森をプールのように泳いでいた。
木龍というスキルは、プラントクローズの最終形態みたいなスキルである。
木が重なり、龍になる。
その龍を彼女は操っているのだ。
木龍は口を開けて魔族達を食べたり、魔族を大きな体の下敷きしていく。
サリバン軍も一方的に押されている訳がなかった。
サリバン軍に土系のスキル持ちがいるみたいで、大きな岩を重ね巨大なゴーレムを作り出した。
そのゴーレムが木龍を止めた。
ゴーレムの肩に幼女のような見た目の魔族が乗っていた。
あの幼女がゴーレムを操っているのだろう。
巨大な木龍とゴーレムの戦いが始まった。
「さてさてボクチンの相手は誰かな?」
1番禍々しいオーラを放っている奴が言った。
コイツがこの軍のリーダーなんだろう。明らかにコイツが1番強い。たぶんサリバンだと思う。
サリバンは翼も生えていないのに空を飛んでいて、大きな角が2本生えている。
そして日本人のようにスーツを着ていた。
この世界にもスーツ文化は存在する。
それは召喚された日本人が作ったモノらしい。
その姿で人間に興味を持っている魔族であることがわかった。
少なからず人間の服には興味があるんだろう。
サリバンと目が合った。
「ボクチンには1番強いや~つを残してくれているじゃないか」
来る、と思った瞬間には、目の前にサリバンがいた。
ただのパンチだった。
両手でパンチを受け止めた。
100トンのハンマーで殴られたように重い。
すぐに反撃をする。
「フェニックスの祝福」
と俺は呟いた。
体中がフェニックスの炎に包まれる。
腰につけていた小刀を取り、サリバンの首を斬るために小刀を振った。
避けられる。
だけど炎の斬撃が飛び出す。
それすらもサリバンは避けようとする。
避けられる前に次の斬撃。
斬撃。
斬撃。
斬撃。
飛び出した炎の斬撃が、サリバンの目の前で消える。
スキルではない。
蝋燭を息で吹き消すように、肺活量で炎を消したのだ。
「ボクチン楽しめ」
とサリバンが言う。
ボクチン楽しめそうだ、と言いたかったのだろう。
言い終わる前に、俺は次の攻撃を仕掛ける。
「木龍」
木がうねりを上げて重なり、龍になる。
木龍がサリバンに突っ込む。
そして食べた。
フェニックスの祝福で俺は空を飛んでいた。炎の翼で空を飛ぶことができるのだ。
上空から炎の斬撃を出した。
木龍が炎に包まれる。
アイリとマミのスキルを合わせたスキルである。名付けて山火事。
倒せたか?
バーン、と弾けるように山火事の中からサリバンが飛び出してきた。
「もう怒ったぞ」
とサリバンが言う。
目が鬼のように吊り上がっている。
気づいた時にはサリバンが目の前にいた。
すごいスピードで100発ぐらい殴られた。
コイツはパワー系か?
気づいた時には地面に倒れていた。
サリバンがコッチに来ている。
「植物召喚、マンドレイク」
と俺は言った。
俺は咄嗟に耳の中に土を詰め込んで耳栓をした。
手が届くところにマンドレイクを召喚した。
サリバンが俺に馬乗りになる。
大根の葉のようなマンドレイクの葉を引っこ抜いた。
ぎゃーーーーーーーー、とマンドレイクが悲鳴を上げた。
サリバンが耳を塞ぎ、俺から離れるために上空に飛んで行く。
マンドレイクをサリバンに向かって投げた。
サリバンはマンドレイクを蹴って破壊した。
すごい形相でサリバンが俺の事を睨んでいる。
「お前は絶対に殺す」とサリバンが言った。
そしてサリバンは、俺達の国がある方向を見つめた。
「強い不満分子がいるじゃないか」とサリバンが言う。
俺達の国がある方向にサリバンが手を伸ばす。
「この距離なら、連れて来れる」
「引き寄せ」とサリバンが言った。
俺はアイテムボックスから美子さんの団子を取り出した。
サリバンは俺が動けないことが分かっていて、ナニカをしようとしている。
遠くからナニカが近づいて来る気配だけしていた。
早く回復して、サリバンの元に向かわなくちゃ。焦りながらも美子さんの団子を食べる。
チラッとだけ、仲間達の戦いを見た。
みんな苦戦している。
サリバン軍と俺達の力は均衡していた。
少しでも戦力が傾けば負ける可能性だってあった。
もうユキリンのスキルが戻るのは期待できない。2時間以内に勝負がつくだろう。
ココで押し切って勝つしかない。
俺の攻撃はサリバンに効果があった。
明らかにサリバンは憤怒し、本気を出していた。
俺は立ち上がり、サリバンに向かうためにフェニックスの翼で上空に上がった。
その時、サリバンは俺達の国からナニカを手元まで引き寄せていた。
サリバンの腕で、ソイツは首元を掴まれて足をバタバタしていた。
ソイツは白い甲冑を着ていた。
「クロス?」と俺は呟いた。
サリバンに引き寄せられたソイツはクロスだった。
「さぁ、不満分子を魔人化し~ろ」
サリバンがニヒルな顔で叫んだ。
そういえば、サリバンば人間を魔人化するスキルを持っていると聞いていた。
魔人化するらためには、何かの条件が必要だとは思っていた。
その条件にクロスが入ってしまったんだろう。
「中本さん……先生……中本さん」
クロスは人間ではあり得ない方向に首を動かし、俺を呼んだ。
「俺は強いんだよ……何で認めてくれねぇーんだよ……俺は国を守りたいんだよ……女の子1人の命ぐらい差し出せよ……アンタが言う幸せってなんだよ? 中本さん……先生のやり方じゃ国は守れない。……命ぐらい差し出せよ」
クロスの首が180°周ったり、体がカタカタと動いたりする。
「クロスに何をした?」
と俺は尋ねた。
「知り合いかい? 最高じゃん」
と嬉しそうにサリバンが言う。
「魔人化してあげたんだ~よ。力がほしい奴に力をあげたんだ~よ」
クロスが着ていた甲冑が黒に染まっていく。
肌も黒くなり、歯茎が剥き出しになり、歯が尖っていく。
そして額に角が生え、黒い翼が生えた。
その姿は魔人そのものだった。
まず始めに俺達がしたことは雑魚の殲滅《せんめつ》である。
彼女達のステータスは愛情のスキルでアップしていた。
それに持てるだけ美子さんが作った小さな団子を持っている。
俺とマミにはアイテムボックスがあるから、無限に団子を入れることができる。
懸念材料は怪我は治っても魔力までは回復しないことと体力も回復しないことである。
俺とアイリは植物召喚を使った。とにかくコチラの頭数を増やしたかった。
まず最初に出したのはモルボルである。
俺は5体のモルボルを出した。
アイリは3体のモルボルを出した。
俺達はモルボルから降りて、敵陣に攻め込むモルボルを見送った。
そして俺はブラッドローズという植物を100体も出す。
「アイリは魔力を温存しろ。ブラッドローズは俺だけ出す」
ブラッドローズは肉食の植物で、根が土の中にあり、動くことができない。
植物のほとんどが、そうなのだけど。
あとはトレントを100体ほど出す。
強い植物じゃないけど、足止めぐらいはできるだろう。
マンドレイクは出す意味が無いので召喚しない。一見、大根みたいな植物だけど、引っこ抜くと人間みたいな顔があり、気絶するような悲鳴をあげるのだ。
最後に召喚したのは、ドリアードだった。
俺でも一体しか召喚できない。
植物というより、どちらかいうと妖精である。だけど植物召喚で出すことができるということは、植物なんだろう。
ドリアードは20代の女の人のような見た目である。緑髪で緑の瞳。アイリのお姉さんのようにも見えた。
ドリアードは木々を操り、攻撃する。
アイリのプラントクローズを使う事ができる植物だった。
アイリとドリアードは似ていた。
もしかしたらアイリとドリアードには何かの関係があるのかもしれない。
アイリもドリアードを召喚した後、敵陣に突っ込んで行った。
マミはフェニックスの祝福で、体に不死鳥の炎を宿し、赤い翼で空を飛びながら、真っ赤になった大剣から炎の斬撃を出して、敵軍を一掃していた。
サリバン軍の中から強さ自慢の奴、……黒い翼を生やした怪獣がマミの前に現れた。
ユキリンは何でも斬れる黒い魔剣で、魔族を斬り、魔族から出されたスキルも斬り、ノーダメで無双している。
さすが日本人勇者。スキルを使えなくてもチートである。
だけどオッパイ3つの爆乳お姉さんと対峙して、無双がストップする。
オッパイ3つの爆乳お姉さんは両手剣だった。オッパイ3つの爆乳お姉さんが楽しそうにユキリンの斬撃を受けて反撃していた。
アイリは木龍に乗って森をプールのように泳いでいた。
木龍というスキルは、プラントクローズの最終形態みたいなスキルである。
木が重なり、龍になる。
その龍を彼女は操っているのだ。
木龍は口を開けて魔族達を食べたり、魔族を大きな体の下敷きしていく。
サリバン軍も一方的に押されている訳がなかった。
サリバン軍に土系のスキル持ちがいるみたいで、大きな岩を重ね巨大なゴーレムを作り出した。
そのゴーレムが木龍を止めた。
ゴーレムの肩に幼女のような見た目の魔族が乗っていた。
あの幼女がゴーレムを操っているのだろう。
巨大な木龍とゴーレムの戦いが始まった。
「さてさてボクチンの相手は誰かな?」
1番禍々しいオーラを放っている奴が言った。
コイツがこの軍のリーダーなんだろう。明らかにコイツが1番強い。たぶんサリバンだと思う。
サリバンは翼も生えていないのに空を飛んでいて、大きな角が2本生えている。
そして日本人のようにスーツを着ていた。
この世界にもスーツ文化は存在する。
それは召喚された日本人が作ったモノらしい。
その姿で人間に興味を持っている魔族であることがわかった。
少なからず人間の服には興味があるんだろう。
サリバンと目が合った。
「ボクチンには1番強いや~つを残してくれているじゃないか」
来る、と思った瞬間には、目の前にサリバンがいた。
ただのパンチだった。
両手でパンチを受け止めた。
100トンのハンマーで殴られたように重い。
すぐに反撃をする。
「フェニックスの祝福」
と俺は呟いた。
体中がフェニックスの炎に包まれる。
腰につけていた小刀を取り、サリバンの首を斬るために小刀を振った。
避けられる。
だけど炎の斬撃が飛び出す。
それすらもサリバンは避けようとする。
避けられる前に次の斬撃。
斬撃。
斬撃。
斬撃。
飛び出した炎の斬撃が、サリバンの目の前で消える。
スキルではない。
蝋燭を息で吹き消すように、肺活量で炎を消したのだ。
「ボクチン楽しめ」
とサリバンが言う。
ボクチン楽しめそうだ、と言いたかったのだろう。
言い終わる前に、俺は次の攻撃を仕掛ける。
「木龍」
木がうねりを上げて重なり、龍になる。
木龍がサリバンに突っ込む。
そして食べた。
フェニックスの祝福で俺は空を飛んでいた。炎の翼で空を飛ぶことができるのだ。
上空から炎の斬撃を出した。
木龍が炎に包まれる。
アイリとマミのスキルを合わせたスキルである。名付けて山火事。
倒せたか?
バーン、と弾けるように山火事の中からサリバンが飛び出してきた。
「もう怒ったぞ」
とサリバンが言う。
目が鬼のように吊り上がっている。
気づいた時にはサリバンが目の前にいた。
すごいスピードで100発ぐらい殴られた。
コイツはパワー系か?
気づいた時には地面に倒れていた。
サリバンがコッチに来ている。
「植物召喚、マンドレイク」
と俺は言った。
俺は咄嗟に耳の中に土を詰め込んで耳栓をした。
手が届くところにマンドレイクを召喚した。
サリバンが俺に馬乗りになる。
大根の葉のようなマンドレイクの葉を引っこ抜いた。
ぎゃーーーーーーーー、とマンドレイクが悲鳴を上げた。
サリバンが耳を塞ぎ、俺から離れるために上空に飛んで行く。
マンドレイクをサリバンに向かって投げた。
サリバンはマンドレイクを蹴って破壊した。
すごい形相でサリバンが俺の事を睨んでいる。
「お前は絶対に殺す」とサリバンが言った。
そしてサリバンは、俺達の国がある方向を見つめた。
「強い不満分子がいるじゃないか」とサリバンが言う。
俺達の国がある方向にサリバンが手を伸ばす。
「この距離なら、連れて来れる」
「引き寄せ」とサリバンが言った。
俺はアイテムボックスから美子さんの団子を取り出した。
サリバンは俺が動けないことが分かっていて、ナニカをしようとしている。
遠くからナニカが近づいて来る気配だけしていた。
早く回復して、サリバンの元に向かわなくちゃ。焦りながらも美子さんの団子を食べる。
チラッとだけ、仲間達の戦いを見た。
みんな苦戦している。
サリバン軍と俺達の力は均衡していた。
少しでも戦力が傾けば負ける可能性だってあった。
もうユキリンのスキルが戻るのは期待できない。2時間以内に勝負がつくだろう。
ココで押し切って勝つしかない。
俺の攻撃はサリバンに効果があった。
明らかにサリバンは憤怒し、本気を出していた。
俺は立ち上がり、サリバンに向かうためにフェニックスの翼で上空に上がった。
その時、サリバンは俺達の国からナニカを手元まで引き寄せていた。
サリバンの腕で、ソイツは首元を掴まれて足をバタバタしていた。
ソイツは白い甲冑を着ていた。
「クロス?」と俺は呟いた。
サリバンに引き寄せられたソイツはクロスだった。
「さぁ、不満分子を魔人化し~ろ」
サリバンがニヒルな顔で叫んだ。
そういえば、サリバンば人間を魔人化するスキルを持っていると聞いていた。
魔人化するらためには、何かの条件が必要だとは思っていた。
その条件にクロスが入ってしまったんだろう。
「中本さん……先生……中本さん」
クロスは人間ではあり得ない方向に首を動かし、俺を呼んだ。
「俺は強いんだよ……何で認めてくれねぇーんだよ……俺は国を守りたいんだよ……女の子1人の命ぐらい差し出せよ……アンタが言う幸せってなんだよ? 中本さん……先生のやり方じゃ国は守れない。……命ぐらい差し出せよ」
クロスの首が180°周ったり、体がカタカタと動いたりする。
「クロスに何をした?」
と俺は尋ねた。
「知り合いかい? 最高じゃん」
と嬉しそうにサリバンが言う。
「魔人化してあげたんだ~よ。力がほしい奴に力をあげたんだ~よ」
クロスが着ていた甲冑が黒に染まっていく。
肌も黒くなり、歯茎が剥き出しになり、歯が尖っていく。
そして額に角が生え、黒い翼が生えた。
その姿は魔人そのものだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
139
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる