心から信頼している友のために、磔にされたまでは良かったのですが、

これは、友情と愛の物語。
邪智暴虐の王に立ち向かい、そして敗れた男。
それを待つ、友の信頼の物語。

「セナートよ。貴様は本当にエリオッタが戻ってくると思うのか?」

「ええ、戻ってきます。あいつは約束を破ったことは一度もありませんからね」

 蒼白な顔つきの王は、磔にされた男に言う。

「どうしてそこまで、あの男を信じられる」

「どうしてって、友達だからですよ。あいつにとってはたくさんの、そして、俺にとってはたった一人の友達だから」

「それは理由になっていない」

 王は怒り、セナートの頬を叩く。
 彼の頬は赤く腫れ上がるも、男の顔は自信に満ちたままだった。

「王様、あんたには友達がいないのですか?」
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