転生幼女の愛され公爵令嬢

meimei

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パーティNo'3

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「あ、曲が終わってしまいましたね…」
肩を落としてる……ふふ…この人って…
可愛らしい人だったのね……。

「ふふ、ミオル殿下飲み物でもご一緒に飲みませんか?」

「あ!はひ!!」

はひって…………笑ってはだめ……笑っては………くっ……

「おい、ミオル……はひって…なんだ、はひって…」

「なっ?!兄上……何をしに!?また邪魔しに来たのですか!!」

「邪魔なんてするわけないだろ?」

「なら何ですか!!」

「何か飲むならティアに間違えても果実酒は飲ませるなよ?って!?ティアどこだ??」
レオルがキョロキョロとティアナを探すと…既に何か手にとって飲んでいる。

「あ…………あの色……」
レオルがさぁぁぁっと顔を青くする。

「兄上、あれは果実水ですよ?」

「本当か!?」

「はい、あの場所はノンアルコールの場所です」

「なら、良かった」ホッ……

「ティアナが酔うとどうなるのです?」

「お、お前!?名前呼び捨てを許されたのか?!」

「はい、先程」

「そうか、良かったなぁ~」

「はい、お陰様で…まだ挽回の途中ですが…」

「そのチャンスを得ただけでもかなりの前進だ…」

「はい…」

「話は戻るが、ティアは酔うとキス魔になるんだ……」

「なっ!?」

「その姿がとても可愛らしいんだ……しかも今は大人バージョンだろ?」

「ええ、あの大人の姿は授業で作り得た薬だと父上から聞きました」

「ああ、ん?どこに行った??」

「見当たりませんね…兄上」

「やばいな…シュウいるか?」

「いや、いない…位置情報のアクセで探してみる」

魔力を流すと光の道筋が、それをたどって行く。

すると…中庭に出た…。


ん?見覚えがない男………
それに言い寄られて困ってそうなティアナ。


「だから、困りますの、わたくしお約束がございますので」

「そんなつれないことを言わないで姫君、私とお付き合いくださいませ」

しつこい、この男………なんなのかしら…。
人を探すから手伝ってほしいと言われたからついてきたのに!!
まるで嘘じゃない!!!!

「あいつは、クズナラ男爵の嫡男だな…」

「名前が……クックッうけるんだけど…クックッ…」

「おい、シオン笑ってる場合か」

「だって、くずならって……あはははは、お腹が苦しい……なにそのまんまの名前」
シオンはお腹を抱えて大笑いし始めたが、それに気が付いた男爵嫡男は
レオルの顔を見るなり青ざめて立ち去って行った。

「ティアナ、知らない人についていくのは駄目だろ?」

「シュウ、だってあの人人を探すから手伝ってほしいと言ってきたのよ!」

「人を信じるのはティアナの美点だが、少しは人を疑う事も必要だな」

「ゔっ………ごめんなさい…」

「いや、俺たちも目を離したせいだ、すまない…」

「無事でなにより、というかサイフォンはどうしたんだ??あいつ護衛だろ??」

「あ………サイフォンね、ダンスで足を盛大に挫いて…今王宮の救護室にいるわよ…」

「…………うわぁ…」

「つらいな…」

「先程の事は言わないでおいてやろう。気にするからな」

「そうだな」

「ああ」
シュウ、レオル、シオンは意見が一致したようだ。

「あのさ、カリンが、見当たらないのよ、知らない?」

「カリンか?カリンならパンと食事を食べ過ぎたらしくて、救護室にいるぞ…」

「なっ………それこそ…あり得ない…」

「カリンらしいだろ…付き合ったパンに同情する」

「あの子面白いよな」クスクス

「令嬢ぽくないんだよな、ビアンカとは真逆のタイプ」クスクス

「私とカリンならどちらがタイプなの??」

「「「…………は?」」」

「ん???」

「何を馬鹿な質問を……自覚ないのか??」

「え???」
なんか……地雷踏んだかしら……

三人の表情がこあい………

「これだけ大切に大切に愛しているのに…その質問はなんだ?」

「シュ…シュウさん??」
あの……表情がこわいのですが…

「鈍いにも程があるよ?ティア」
レオルさん…その表情はその…

「比べる対象じゃないだろ??そもそもカリンがタイプならティアと婚約しないだろうよ」
ひぇぇ…シオンまで……

ここは……逃げて……後ろは城の裏口で
出れる……。

ぴゅーーっと逃げる…

「なっ!?」

「逃げた!?」

「まじかよ!?」

三人で追う。

「なにしてんだ?ティア」

「なっ!?イオ!?どいてよ!!」

「は??」

「あ!!イオ!!ティアナを捕まえろ!脱走するぞ!」

「え!?」
シュウの一言ですかさずひょいと横抱きで確保


「はぁ、はぁ、ありがとうイオ」

「どう致しましてって、どうした?だ?」

イオに、3人が説明すると…プチ説教されました…。ハイすみません…

「好きな女に他の女とどっちがタイプかなんて普通聞かないよな~さすがティア」クスクス

「だって~」頬を膨らます

「リスみたいで可愛いなそれ」
イオにほっぺたをぷにぷにされる。

「むぅ~」

「俺達のタイプはティアただ一人だよ、どんなに美しい人が他にいたとしてもね。覚えていろよ?」
イオにのぞき込まれる。

「う、うん…覚えておく」

「結局いいところをイオに全て持っていかれた感じだな」クスクス

「本当だな」

「そういう星のめぐりなんだろ?」

多分この二人は運命の番なんだろ?
そんな雰囲気あるよな。
独特な雰囲気


「それよりさ、ケーキ食べたか?」

「ケーキ!?食べてない!!」

「めちゃくちゃ美味しいぞ、食べに行くか?」

コクコクと頷く

「なら、このまま連れて行ってやるよ」

イオに抱っこされたままパーティー会場に戻ってケーキを食べた。
ちょっと…今日のイオ格好良かったな…ドキドキした。

「そう言えば、カリンとパンのやつ食べ過ぎて救護室にいるらしいぞ、馬鹿だよな~」クスクス

「ホントだよね……」

「食い意地はってるからだよ」クスクス

「いつもの事ね」

「だな、さて姫君一曲踊りませんか?」

「はい、喜んで」クスクス

イオとスローペースな曲に合わせてゆっくり踊る。
まわりは自然な表情のティアナの顔に惚けている。

終盤でラサムとマサーロ、アラン、ダリア、セドと響介とも踊りクタクタで一日が終わったのである。

足が……棒のようだわ……。

帰ってゆっくりお風呂に浸かりたい…

馬車にのる気力もなく…転移で帰宅…

部屋に戻り、ビアンカがドレスを脱がせて、部屋着に着替えさせてくれる。

「お部屋のお風呂に致しますか?大浴場にしますか?」

「今日は、部屋にするわ」

「かしこまりました、お湯を入れて参ります」

「ありがとう」

ティアナは空間からローズマリーを取り出して錬金釜でハーブの入浴剤を作った。

ローズマリーは、筋肉や腰の鎮痛にもなる。疲れた時には効くハーブなのだ。
もちろんラベンダーもリラックスできたりするけれど、今日は…足が…
痛いのでローズマリー1択なのである。

「お嬢様お湯が整いました」

「ありがとう、入ってくるわ」

「ごゆっくりなさってくださいませ」

ローズマリーの入浴剤を入れて
マッサージしながら入ったから
次の日足はすっかり良くなっていた。

「ティア~」カリンが手を振っている。

「カリン、体調どう?」

「あはは…恥ずかしい…もう治ったよ」

「ふふ、なら良かったわ」

「だって、パンくん一度しか踊ってくれないからつい食べちゃったのよ」

「あら、パンくんダンス苦手なのかしら?」

「分かんないけど~」

「パンはダンスが嫌いなんだよ」クスクス

「あ、イオ」

「あいつさ、女性が少ないだろ?昔女装した男とむりやり踊ろされてそれからダンスがトラウマなんだよ」苦笑

「なるほどね~」

「よっぽど何か嫌なことでもあったのかしら」

「パンには内緒だぞ?」

「「うんうん」」

「その男に口説かれたらしい…」

「「まぁ………それは…」」

「昔のあいつは小柄で可愛らしいやつだったんだよ」

「それは…なんとも」

「辛い過去だったのね…」

「ティア」

「あら、ダリアどうしたの??」

「まだ、街に行ったことがないので、今度一緒に行けないかと思って」ニコッ

「あら、そうなの?なら次の休みの日にゆっくりどう?」

「ええ、楽しみにしています」

ぺこっと軽く頭を下げて去っていったダリア。やっぱりかっこいい

「あの姿なのに、パンダに変身って…ギャップ萌えね」

「そうなのよ!!!美形から可愛い系に変身とか…萌えるよね…」

二人で、キャッキャ盛り上がる。

「ライオンも仲間に入れてくれよ~」

「あはは何その顔…イオ面白い…」
クスクス

「やだ~もう」

イオが唇を尖らせてタコみたいな顔で話している。

平和な一日だな~このまま平和に
一日が終わりますように!!
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