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秘密の聖女様、魔王と共謀する件 6
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「ふむ。
ではシェイブや。
二人で楽しんでおいで。
くれぐれも、御婦人に失礼のないようにな?」
エリーゼの喉元から顔を上げた、若き王子の口元には赤い血の跡がついていた。
彼はそれをハンカチで拭き、エリーゼの喉元を拭きあげてやる。
どこか申し訳なさそうな視線を、新たに妻となった大地母神の大神官に向けていた。
「はい‥‥‥父上――」
まるでここまですることはないではないですか。
そう言いたそうなそぶりで、しかし仕方なく妻を抱きかかえ少年はその場を後にする。
美しい、とその寝顔を見ながら‥‥‥
魔王は息子夫婦の後ろ姿を見送ると、さて、と元の椅子へと踵を返した。
「それでは、グラン殿。
国王がそれでは、そなたの方が話が早かろう?
代理で答えてもらいたい。
ああ、そうだ――」
もちろん、帰国までの安全は保証する。
先にそれを言い渡すのを忘れていた。
この策謀好きな魔王は、今頃になってそんなことを言いだした。
(あれだけの怒りを御主人様から引き出させておいて、その宣言、か。
なにをしてもかなわないのを思い知らせた上での提案。
もう序列は誰が上で誰が下か。
決まったようなものだ)
グランは思案する。
一番、為すべきことはハーミアだけでも生きて逃がすことだ。
隣にいるレベッカもその意図を読み取ったらしい。
さて、どこまで譲歩させれるか‥‥‥
宰相の腕の見せ所だな。
グランは、ハーミアをレベッカに委ねると侍女たちを引かせて前に進み出た。
「魔王様、宰相を務めさせていただいております。
グランと申します。どうかお見知りおきを。
我が国の主の代理として、発言の許可を頂きたく‥‥‥」
「許可する。
で、そちらからの提案の鉱山亜人奴隷三千人、大神官三名。
魔王子のこのエリーゼの婚約。
それと、辺境国の安全。
だったな」
「はい、閣下。
左様でございます」
ふむ。それだけでは足りんな、そう魔王は呟く。
大広間の奥にいる、二体の眠る英雄たちを見ながら。
「そう、我が国と同盟国にはならんか?
それが良いではないか。
関係性は対等に。
合間を通過する際は通行税でも取ればよい。
その代わり――」
「魔王軍の精鋭軍の駐留、でございますか‥‥‥」
「察しがいいな、宰相殿。
その御主君をより良く教育して差し下げるがいい。
わしが二年前に進軍したのは娘の為だけではない、大地母神の力では魔界との蓋を抑えきるのは無理だ。
大量のブラウディア鉱石があるというならば、それもまた良い。
我が神官たちの力を増すことになる――」
グランはどうしても理解出来なかった。
この魔王はこれほどの力と国力があるのに‥‥‥。
なぜ、地下世界の侵略や地下世界の同胞を呼び寄せて地上世界を把握しないのか、そういう疑問だ。
「閣下‥‥‥なぜ、蓋にこだわりをもたれるのですか??」
魔王は素直に、そう。
あまりにも素直に答えた。
「決まっておるだろう。
この大陸以外にも魔族はいる。
この魔都ははぐれ者の集まりだ。魔族、エルフ、亜人、人間、竜族。
なぜ、この宮殿までの間に兵を置かなかったか気づいていないようだな?
この魔都には、竜神も、大地母神も、精霊王の神殿すらもある。
平和に住んでいるこの世界を、誰が壊したいと思うか」
と。
ではシェイブや。
二人で楽しんでおいで。
くれぐれも、御婦人に失礼のないようにな?」
エリーゼの喉元から顔を上げた、若き王子の口元には赤い血の跡がついていた。
彼はそれをハンカチで拭き、エリーゼの喉元を拭きあげてやる。
どこか申し訳なさそうな視線を、新たに妻となった大地母神の大神官に向けていた。
「はい‥‥‥父上――」
まるでここまですることはないではないですか。
そう言いたそうなそぶりで、しかし仕方なく妻を抱きかかえ少年はその場を後にする。
美しい、とその寝顔を見ながら‥‥‥
魔王は息子夫婦の後ろ姿を見送ると、さて、と元の椅子へと踵を返した。
「それでは、グラン殿。
国王がそれでは、そなたの方が話が早かろう?
代理で答えてもらいたい。
ああ、そうだ――」
もちろん、帰国までの安全は保証する。
先にそれを言い渡すのを忘れていた。
この策謀好きな魔王は、今頃になってそんなことを言いだした。
(あれだけの怒りを御主人様から引き出させておいて、その宣言、か。
なにをしてもかなわないのを思い知らせた上での提案。
もう序列は誰が上で誰が下か。
決まったようなものだ)
グランは思案する。
一番、為すべきことはハーミアだけでも生きて逃がすことだ。
隣にいるレベッカもその意図を読み取ったらしい。
さて、どこまで譲歩させれるか‥‥‥
宰相の腕の見せ所だな。
グランは、ハーミアをレベッカに委ねると侍女たちを引かせて前に進み出た。
「魔王様、宰相を務めさせていただいております。
グランと申します。どうかお見知りおきを。
我が国の主の代理として、発言の許可を頂きたく‥‥‥」
「許可する。
で、そちらからの提案の鉱山亜人奴隷三千人、大神官三名。
魔王子のこのエリーゼの婚約。
それと、辺境国の安全。
だったな」
「はい、閣下。
左様でございます」
ふむ。それだけでは足りんな、そう魔王は呟く。
大広間の奥にいる、二体の眠る英雄たちを見ながら。
「そう、我が国と同盟国にはならんか?
それが良いではないか。
関係性は対等に。
合間を通過する際は通行税でも取ればよい。
その代わり――」
「魔王軍の精鋭軍の駐留、でございますか‥‥‥」
「察しがいいな、宰相殿。
その御主君をより良く教育して差し下げるがいい。
わしが二年前に進軍したのは娘の為だけではない、大地母神の力では魔界との蓋を抑えきるのは無理だ。
大量のブラウディア鉱石があるというならば、それもまた良い。
我が神官たちの力を増すことになる――」
グランはどうしても理解出来なかった。
この魔王はこれほどの力と国力があるのに‥‥‥。
なぜ、地下世界の侵略や地下世界の同胞を呼び寄せて地上世界を把握しないのか、そういう疑問だ。
「閣下‥‥‥なぜ、蓋にこだわりをもたれるのですか??」
魔王は素直に、そう。
あまりにも素直に答えた。
「決まっておるだろう。
この大陸以外にも魔族はいる。
この魔都ははぐれ者の集まりだ。魔族、エルフ、亜人、人間、竜族。
なぜ、この宮殿までの間に兵を置かなかったか気づいていないようだな?
この魔都には、竜神も、大地母神も、精霊王の神殿すらもある。
平和に住んでいるこの世界を、誰が壊したいと思うか」
と。
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