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秘密の聖女様、大公閣下と共謀する件 7
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「来んな‥‥‥」
「旦那様?
そんなにいつもいつも、誰をお待ちなのですか?」
「ん‥‥‥?
来客だ。
お前たちではないぞ?
わしがこの身でおさめるべきものを代わって下さった御方がな。
まあ、そろそろわしがせねばならぬ責務を戻しに来られぬかな、とな。
待っているのだ」
「待っているって言っても、おじさま?
もう、ボクがここに来て数週間、ずっと言ってないそれ?」
「そうですね、大公様。
そんなに気にかかるお相手‥‥‥どなたですか?」
別に彼がそう望んではべらせているわけではないのだが‥‥‥
ザイール大公が座るソファーの周りには、この数週間。
常に彼女たち、『元殺し屋』、が周りと取り囲んでいた。
「どなた、か。
それと知る必要はない。
というかな、知ってはそなたたちが危険になるでな。
それは言えんな‥‥‥」
「ふうん、まるで恋人を待つ乙女のようですね、旦那様は」
女殺し屋の一人がそう言い、周囲の女性陣がそれを笑いだす。
そして、羨ましげな男性陣。
こちらも二百人を越える殺し屋、男どもがその周りにぐるりと佇んでいた。
そのうちの一部は、大公家の外壁にある細工を仕掛けに数班体制で取り掛かっている。
その中には先日、大公にズタボロにされて負けた赤の牙の者たちもいた。
「まったく‥‥‥なんなんだよ。
負けたどころか、上の人間に勝手に話までつけやがって、あの大公様。
こっちが命を救われたら、殺し屋の名が泣くじゃねえかよ‥‥‥」
「仕方ないだろう、あの御方‥‥‥さすがヤクザ大公と呼ばれるだけはある。
この帝都の裏にまでツテがあるのだからな。
こちらが請け負った額が金貨二十枚。
逆に組織に支払われた俺たちの身代金は、百枚だ。
もう、恩義しかないじゃないか‥‥‥」
それが、ここにいる二百人近い全員がされた返り討ちの代価。
命を救われたら、もう慕う以外に何があるというのか。
気になるのは――
「なあ、オヤジの懐もずっと温かい訳じゃないだろ?
これ、ずっとは出来ないんじゃ‥‥‥」
「だからの、これ、だろうが?
ほら、さっさとやれよ。
あとはそこで終わりだ」
「しかし、こんな物騒なもん、今の時代にまだ残ってたなんてなあ?
組長、どれだけ魔導の才覚あるんだ?」
「さあなあ?
ま、これで終わりだ。
おい、オヤジに報告して来い」
そうして、伝えられる大広間への伝達。
ザイール大公はそれを聞いて満足げにうなづいた。
「さて、それでは試してみるかな?
竜族と対決していた中期帝国時代の古代魔法。
まだ、その威力があるかどうかはわからんがー‥‥‥」
どこから調達してきたのか。
彼の手元あるのは、帝国図書館の地下深くに禁書扱いで所蔵されていた魔導書が一冊。
「ふふん、あの宰相殿に渡した債権一覧の中には、わしが先に見つけるものも含まれている。
まあ、そこまで気づかれてはいないだろうがな。
兄上め。
あの愚かな甥に、この禁書まで預ける気だったのか?
それとも、これも大地母神様の意向なのか‥‥‥?
帝国は、竜族や魔族との戦争を再開するようにしかわしには見えんわ。
さて、発動してくれよ‥‥‥」
いまは慕ってくれる新たな者たちを守る為に。
発動せよ‥‥‥
ザイール大公は、それの発動呪文を唱える。
雷帝の園と呼ばれる、竜族すらもその内に捕えれば破壊することは困難な魔法障壁が大公家を覆い隠した。
「ふん、竜を捕えれるならば、また、竜や人から内なるものを守ることも、また可能。
もう少し、古代の魔導士は頭を使うべきだったな。
さて、いつ来られるのだ?
ハーミア様は‥‥‥」
大公は、これももって、あと一月。
籠城できる人数分の食材もその程度しか揃えてはいない。
そのあとは、全員で皇帝家の暗殺を敢行する――
そう決めて、ハーミアを待っていた。
「旦那様?
そんなにいつもいつも、誰をお待ちなのですか?」
「ん‥‥‥?
来客だ。
お前たちではないぞ?
わしがこの身でおさめるべきものを代わって下さった御方がな。
まあ、そろそろわしがせねばならぬ責務を戻しに来られぬかな、とな。
待っているのだ」
「待っているって言っても、おじさま?
もう、ボクがここに来て数週間、ずっと言ってないそれ?」
「そうですね、大公様。
そんなに気にかかるお相手‥‥‥どなたですか?」
別に彼がそう望んではべらせているわけではないのだが‥‥‥
ザイール大公が座るソファーの周りには、この数週間。
常に彼女たち、『元殺し屋』、が周りと取り囲んでいた。
「どなた、か。
それと知る必要はない。
というかな、知ってはそなたたちが危険になるでな。
それは言えんな‥‥‥」
「ふうん、まるで恋人を待つ乙女のようですね、旦那様は」
女殺し屋の一人がそう言い、周囲の女性陣がそれを笑いだす。
そして、羨ましげな男性陣。
こちらも二百人を越える殺し屋、男どもがその周りにぐるりと佇んでいた。
そのうちの一部は、大公家の外壁にある細工を仕掛けに数班体制で取り掛かっている。
その中には先日、大公にズタボロにされて負けた赤の牙の者たちもいた。
「まったく‥‥‥なんなんだよ。
負けたどころか、上の人間に勝手に話までつけやがって、あの大公様。
こっちが命を救われたら、殺し屋の名が泣くじゃねえかよ‥‥‥」
「仕方ないだろう、あの御方‥‥‥さすがヤクザ大公と呼ばれるだけはある。
この帝都の裏にまでツテがあるのだからな。
こちらが請け負った額が金貨二十枚。
逆に組織に支払われた俺たちの身代金は、百枚だ。
もう、恩義しかないじゃないか‥‥‥」
それが、ここにいる二百人近い全員がされた返り討ちの代価。
命を救われたら、もう慕う以外に何があるというのか。
気になるのは――
「なあ、オヤジの懐もずっと温かい訳じゃないだろ?
これ、ずっとは出来ないんじゃ‥‥‥」
「だからの、これ、だろうが?
ほら、さっさとやれよ。
あとはそこで終わりだ」
「しかし、こんな物騒なもん、今の時代にまだ残ってたなんてなあ?
組長、どれだけ魔導の才覚あるんだ?」
「さあなあ?
ま、これで終わりだ。
おい、オヤジに報告して来い」
そうして、伝えられる大広間への伝達。
ザイール大公はそれを聞いて満足げにうなづいた。
「さて、それでは試してみるかな?
竜族と対決していた中期帝国時代の古代魔法。
まだ、その威力があるかどうかはわからんがー‥‥‥」
どこから調達してきたのか。
彼の手元あるのは、帝国図書館の地下深くに禁書扱いで所蔵されていた魔導書が一冊。
「ふふん、あの宰相殿に渡した債権一覧の中には、わしが先に見つけるものも含まれている。
まあ、そこまで気づかれてはいないだろうがな。
兄上め。
あの愚かな甥に、この禁書まで預ける気だったのか?
それとも、これも大地母神様の意向なのか‥‥‥?
帝国は、竜族や魔族との戦争を再開するようにしかわしには見えんわ。
さて、発動してくれよ‥‥‥」
いまは慕ってくれる新たな者たちを守る為に。
発動せよ‥‥‥
ザイール大公は、それの発動呪文を唱える。
雷帝の園と呼ばれる、竜族すらもその内に捕えれば破壊することは困難な魔法障壁が大公家を覆い隠した。
「ふん、竜を捕えれるならば、また、竜や人から内なるものを守ることも、また可能。
もう少し、古代の魔導士は頭を使うべきだったな。
さて、いつ来られるのだ?
ハーミア様は‥‥‥」
大公は、これももって、あと一月。
籠城できる人数分の食材もその程度しか揃えてはいない。
そのあとは、全員で皇帝家の暗殺を敢行する――
そう決めて、ハーミアを待っていた。
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