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第一章 婚約破棄と新たなる幸せ
第二十三話 閃撃のエシャーナ伯
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そして、実妹の勢いは止まるところをしらぬように続きます。
「それをお捨てになり、たかだか伯爵令嬢だったわたしをお求めになられた!!!
それは・・・・・・シルド様。
家柄を盾に逃げることは、あなた様の恥!
フレゲード侯爵家に対しての。
恥を、あなた様御自身が御作りになられたという証ではありませんか!?」
その時の実妹を止める方は誰もおらず、むしろ、ルサージュ侯は横でお笑いになっておりました。
シルド様は実妹の訴えに対して、返す言葉もないようにお顔を紅潮されてお怒りのご様子。
そして、その怒りはお腰に帯刀されていた剣に。
御手を伸ばされたことにより取り返しのつかない事態を招くことになりました。
「なるほど。
フレゲード侯爵家への恥を僕が作ったと!!
そう言われるならば‥‥‥この場にてその恥を注いてみせようではないか。
なあ、元エイシャ!!!」
そう宣言され、そしてしてはならない行為。
エルムンド侯が止めに入る間もなく。
シルド様はお腰の剣を抜くと、なんと!
実妹に向かって銀光が放たれーー
ギンッ!!!
「なっーー!?
ばかなっ!!!???」
しかし、その一撃は。
「お父様!!??」
そう。
お父様である、エシャーナ伯の手によって。
剣はシルド様のその手から遠く、大広間の端へと飛ばされたのでした。
「さすが、エシャーナ伯。
帝国屈指の剣の使い手であらせられる!!!」
と、イズバイアが隣で球を見ながら爽快そうに叫ばれます。
「そう‥‥‥なのです、か?」
わたしは、あのようなお父様の御姿は、初めて拝見しました。
イズバイアは不思議そうな顔をされます。
「なんだ、知らないのか、ニアム。
君の御父上は爵位は伯爵とはいえ、戦場での傷を理由に退役なさる前。
その時は、帝国最強と謳われた騎士団「青き狼」の第二師団長まで務められた御方だぞ」
「いえ、まったく。存じ上げませんでした。
物心ついた時にはすでに屋敷にずっとおいででしたからーー」
「君の母上との縁談も、青き狼が南方を守備していたからかなったはずだ。
まあ、いい。
まだ余興はあるようだぞ」
と、殿下は球を食い入るように見られます。
そこには、シルド様に剣先を突きつけ、凄まじい怒りの形相のお父様が。
「シルド殿。
ここがどこか、ご存知か?
あまりにも浅はかなその言動と行動。
本当にそなたは王国貴族令息か!?
ここはエルムド帝国ハーベスト大公家領。
この意味が何一つ、御分かりになられておらんようですな‥‥‥」
と、そこで一歩お父様が進まれ、シルド様はゆっくりと。
わたしたちが落ちたバルコニーへと後ずさりされていきます。
「お、落ち着かれよ!!!
エシャーナ伯!
貴殿の御令嬢方に対して行った非礼の数々!!
このシルド、お詫び申し上げます故にーー!!!
ひっ、ひっいいいーー!!」
と、とうとうバルコニーの端まで追い詰められ、喉元に剣先が刺さるほどにお父様が剣を突き出されました。
「それをお捨てになり、たかだか伯爵令嬢だったわたしをお求めになられた!!!
それは・・・・・・シルド様。
家柄を盾に逃げることは、あなた様の恥!
フレゲード侯爵家に対しての。
恥を、あなた様御自身が御作りになられたという証ではありませんか!?」
その時の実妹を止める方は誰もおらず、むしろ、ルサージュ侯は横でお笑いになっておりました。
シルド様は実妹の訴えに対して、返す言葉もないようにお顔を紅潮されてお怒りのご様子。
そして、その怒りはお腰に帯刀されていた剣に。
御手を伸ばされたことにより取り返しのつかない事態を招くことになりました。
「なるほど。
フレゲード侯爵家への恥を僕が作ったと!!
そう言われるならば‥‥‥この場にてその恥を注いてみせようではないか。
なあ、元エイシャ!!!」
そう宣言され、そしてしてはならない行為。
エルムンド侯が止めに入る間もなく。
シルド様はお腰の剣を抜くと、なんと!
実妹に向かって銀光が放たれーー
ギンッ!!!
「なっーー!?
ばかなっ!!!???」
しかし、その一撃は。
「お父様!!??」
そう。
お父様である、エシャーナ伯の手によって。
剣はシルド様のその手から遠く、大広間の端へと飛ばされたのでした。
「さすが、エシャーナ伯。
帝国屈指の剣の使い手であらせられる!!!」
と、イズバイアが隣で球を見ながら爽快そうに叫ばれます。
「そう‥‥‥なのです、か?」
わたしは、あのようなお父様の御姿は、初めて拝見しました。
イズバイアは不思議そうな顔をされます。
「なんだ、知らないのか、ニアム。
君の御父上は爵位は伯爵とはいえ、戦場での傷を理由に退役なさる前。
その時は、帝国最強と謳われた騎士団「青き狼」の第二師団長まで務められた御方だぞ」
「いえ、まったく。存じ上げませんでした。
物心ついた時にはすでに屋敷にずっとおいででしたからーー」
「君の母上との縁談も、青き狼が南方を守備していたからかなったはずだ。
まあ、いい。
まだ余興はあるようだぞ」
と、殿下は球を食い入るように見られます。
そこには、シルド様に剣先を突きつけ、凄まじい怒りの形相のお父様が。
「シルド殿。
ここがどこか、ご存知か?
あまりにも浅はかなその言動と行動。
本当にそなたは王国貴族令息か!?
ここはエルムド帝国ハーベスト大公家領。
この意味が何一つ、御分かりになられておらんようですな‥‥‥」
と、そこで一歩お父様が進まれ、シルド様はゆっくりと。
わたしたちが落ちたバルコニーへと後ずさりされていきます。
「お、落ち着かれよ!!!
エシャーナ伯!
貴殿の御令嬢方に対して行った非礼の数々!!
このシルド、お詫び申し上げます故にーー!!!
ひっ、ひっいいいーー!!」
と、とうとうバルコニーの端まで追い詰められ、喉元に剣先が刺さるほどにお父様が剣を突き出されました。
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