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第二章 王国の闇と真の悪
第三十九話 戦友の嘆願
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王子は最後通告のようにシルドに宣告する。
「いいか、シルド。
このエルムンド侯のように武勲を立てて、這い上がってこい。
しょせん、候爵家令息は令息。
侯爵ではないのだ。
普通ならば、お前は三男。
長男ならば伯爵も名乗れるがな、よくて子爵どまり。
私の温情で子爵名と正式な領地を与えてやったのだ。
王国屈指の魔導士として、第三師団を率いてきたあのお前はどこに行ったのだ?
これ以上、私を失望させるなーー」
少しだけ悲しそうに王子はぼやきながら‥‥‥
どこでこんなバカになってしまったのかと。
「エルムンド侯、どこかの下級貴族を追い出してこの夫婦を載せ替えろ。
転移魔法でも使えばいいだろう。
さっさと、北方へ追いやってしまえ!!!」
王子の怒りはまだまだおさまりそうにはなかったーー
再度、銀鎖の影の騎士により、王子たちが乗る馬車の窓が軽く叩かれる。
準備が整ったという合図だ。
エルムンド侯が窓を少しだけ開けると、何か札のようなものが渡された。
彼をそれを確認して、シルドに手渡す。
ずいぶんと時間がかかる準備だな、そう王子はいらついてシルドの足を蹴り鬱憤を晴らしていた。
エルムンド侯は王子に一礼し、報告を始める。
「王子、アンバス子爵夫妻の乗る馬車の手配が整いました。
あと、大変僭越ではありますがーー」
「うん?
なんだ、エルムンド侯。
言いたいことがあるなら、言ってみろ」
「はっ。
では申し上げます。
帝国はハーベスト大公からの王国への贈り物の中には少々ですが価値のない物もございました」
価値のないもの?
王子はおかしそうな顔をする。
そんなものを帝国が贈答品にするはずがないだろう。
そう言いたそうな顔だ。
「価値がないと言いましても、すでに王宮にあるものも多く‥‥‥
丹織物、漆器類、ある程度には価値のある日用品‥‥‥つまり銀食器やツボ、皿類。
ドレス、紳士向けの衣装などなど。
持ち帰ってもどうせ、蔵の中で肥やしとなるものばかりでございます‥‥‥」
ああ、なるほどな。
それをより分けさせていたからこんなに準備に手間取ったのか。
王子は納得した。
「候よ‥‥‥そんなに、この。
ろくでなしなバカが、大事か?
何年も戦場で背中を預け合った間柄とはいえ、そこまで友情が大事かね??」
そう、エルムンド侯は帝国からの贈り物の中から。
最低限、シルドが子爵としての体裁を整えれるように、と。
荷物をより分けていたのだった。
「どうか、王子。
このエルムンドのわがままをお聞き入れください。
シルドは有能な男!
我が戦友はーー必ず、武勲を上げて舞い戻ります。どうか‥‥‥」
床に膝をついてまで、エルムンド侯は王子に嘆願する。
ここで王子の機嫌を損ねれば侯爵とはいえ、彼は元は男爵。
下級貴族の出身だ。その地位を失いかねない行為だった。
「いいか、シルド。
このエルムンド侯のように武勲を立てて、這い上がってこい。
しょせん、候爵家令息は令息。
侯爵ではないのだ。
普通ならば、お前は三男。
長男ならば伯爵も名乗れるがな、よくて子爵どまり。
私の温情で子爵名と正式な領地を与えてやったのだ。
王国屈指の魔導士として、第三師団を率いてきたあのお前はどこに行ったのだ?
これ以上、私を失望させるなーー」
少しだけ悲しそうに王子はぼやきながら‥‥‥
どこでこんなバカになってしまったのかと。
「エルムンド侯、どこかの下級貴族を追い出してこの夫婦を載せ替えろ。
転移魔法でも使えばいいだろう。
さっさと、北方へ追いやってしまえ!!!」
王子の怒りはまだまだおさまりそうにはなかったーー
再度、銀鎖の影の騎士により、王子たちが乗る馬車の窓が軽く叩かれる。
準備が整ったという合図だ。
エルムンド侯が窓を少しだけ開けると、何か札のようなものが渡された。
彼をそれを確認して、シルドに手渡す。
ずいぶんと時間がかかる準備だな、そう王子はいらついてシルドの足を蹴り鬱憤を晴らしていた。
エルムンド侯は王子に一礼し、報告を始める。
「王子、アンバス子爵夫妻の乗る馬車の手配が整いました。
あと、大変僭越ではありますがーー」
「うん?
なんだ、エルムンド侯。
言いたいことがあるなら、言ってみろ」
「はっ。
では申し上げます。
帝国はハーベスト大公からの王国への贈り物の中には少々ですが価値のない物もございました」
価値のないもの?
王子はおかしそうな顔をする。
そんなものを帝国が贈答品にするはずがないだろう。
そう言いたそうな顔だ。
「価値がないと言いましても、すでに王宮にあるものも多く‥‥‥
丹織物、漆器類、ある程度には価値のある日用品‥‥‥つまり銀食器やツボ、皿類。
ドレス、紳士向けの衣装などなど。
持ち帰ってもどうせ、蔵の中で肥やしとなるものばかりでございます‥‥‥」
ああ、なるほどな。
それをより分けさせていたからこんなに準備に手間取ったのか。
王子は納得した。
「候よ‥‥‥そんなに、この。
ろくでなしなバカが、大事か?
何年も戦場で背中を預け合った間柄とはいえ、そこまで友情が大事かね??」
そう、エルムンド侯は帝国からの贈り物の中から。
最低限、シルドが子爵としての体裁を整えれるように、と。
荷物をより分けていたのだった。
「どうか、王子。
このエルムンドのわがままをお聞き入れください。
シルドは有能な男!
我が戦友はーー必ず、武勲を上げて舞い戻ります。どうか‥‥‥」
床に膝をついてまで、エルムンド侯は王子に嘆願する。
ここで王子の機嫌を損ねれば侯爵とはいえ、彼は元は男爵。
下級貴族の出身だ。その地位を失いかねない行為だった。
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