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新章 魔導士シルドの成り上がり ~復縁を許された苦労する大公の領地経営~
第十三話 エイシャの計画 3
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「な、なあ……ニアム???
どう考えても硬いのはこっちのテラスの方なんだが、なぜそれは折れない??」
本来ならば有りえない光景だ。
いや、それよりなにより。
ユニスがここまでの剣の使い手だと‥‥‥誰が教えた!?
グレンの記憶にあるのはあの一言。
エイシャが言っていた。
姉妹ともに、息子が産まれなかったお父様から剣技も武技も教わったと。
しかし、これは教わった、そんなレベルの話ではなかった。
エシャーナ公‥‥‥あなたは、この世に達人を産んだのか!?
その思いを受けてか、眼前のユニスは歴戦の勇士のように構えも歩き方も騎士であるグレンをたじろがせていた。
ユニスは不敵に笑って言う。
「あら、そんなこともご存知ないのですか?
当てる瞬間に、全ての剣戟の勢いをそちらに揺らせばできることですわよ、グレン???」
「それはー‥‥‥達人級の腕前ではないのかな、妻よ?」
それがどうかしましたかしら、旦那様?
正眼に釣り竿を構え、ユニスはじりじりと歩を詰めていく。
「言っておきますけど、魔導で転移するのとこの一撃。
どちらが届くのが先か、よく考えて行動されますわよね?
毎度、毎度。
公務をさぼるだけならともかく、アンリエッタまで連れ込んで。
そんなに女が好きなら側室でも持ちますか?」
「いや、アンリエッタは止めに来ただけで‥‥‥僕の自己本位な行動だ」
「そうですか、ならアンリエッタはさっさと仕事に戻りなさい」
侍女はここぞとばかりにそそくさと退室してしまう。
「さあ、旦那様?
今日こそは言い訳を聞かせていただきます。
もう、我慢の限界ですわー‥‥‥」
この半年間、シェイルズ様がどれほどあなたのお傍で頭を悩ましていらしたか、よくわかりました。
ユニスは半分笑いながら、釣り竿の先をびしっ、とグレンに突きつけて追い詰めていく。
ここで魔導で逃げれば、間違いなく次に会った時には剣で両断されるだろう。
グレンは周囲を見渡して逃げ場を探した。
前にはユニス、後ろには支流。
左右と空に逃げるには、時間が無いーー
かといってその釣り竿で一撃を頂けばーー待っているのは即死だ。
行くならーー
「あーーーー!!!
また!!!
逃がすもんですか!!!」
最初に会った時には大河に飛び込んだ側が、今度は追いかける側になり、支流に身を投じたグレンを追いかけてユニスがその中に飛び込んでいく。
「お前、なんでこんな無茶を!!?」
「うるさいわね、白い鷹ならなんとかしなさいよ、イズバイア!!
ほら、もう滝ですよ!!!」
「滝なんてーー!!??
まるであの時とは逆ではないかニアム!!」
「ならなんとかしてくださいーーーー!!!」
ユニスの警告も虚しく、流されて行く二人の眼前には轟轟と音を立てて落ちていく水の切れ端が口を開いている。
エシャーナ公家の百メートルほど先は断崖絶壁になっておりーー
今宵のエサはかつての帝国の女大公と皇太子殿下かと滝つぼがその口を開けて待ち構えていた‥‥‥
どう考えても硬いのはこっちのテラスの方なんだが、なぜそれは折れない??」
本来ならば有りえない光景だ。
いや、それよりなにより。
ユニスがここまでの剣の使い手だと‥‥‥誰が教えた!?
グレンの記憶にあるのはあの一言。
エイシャが言っていた。
姉妹ともに、息子が産まれなかったお父様から剣技も武技も教わったと。
しかし、これは教わった、そんなレベルの話ではなかった。
エシャーナ公‥‥‥あなたは、この世に達人を産んだのか!?
その思いを受けてか、眼前のユニスは歴戦の勇士のように構えも歩き方も騎士であるグレンをたじろがせていた。
ユニスは不敵に笑って言う。
「あら、そんなこともご存知ないのですか?
当てる瞬間に、全ての剣戟の勢いをそちらに揺らせばできることですわよ、グレン???」
「それはー‥‥‥達人級の腕前ではないのかな、妻よ?」
それがどうかしましたかしら、旦那様?
正眼に釣り竿を構え、ユニスはじりじりと歩を詰めていく。
「言っておきますけど、魔導で転移するのとこの一撃。
どちらが届くのが先か、よく考えて行動されますわよね?
毎度、毎度。
公務をさぼるだけならともかく、アンリエッタまで連れ込んで。
そんなに女が好きなら側室でも持ちますか?」
「いや、アンリエッタは止めに来ただけで‥‥‥僕の自己本位な行動だ」
「そうですか、ならアンリエッタはさっさと仕事に戻りなさい」
侍女はここぞとばかりにそそくさと退室してしまう。
「さあ、旦那様?
今日こそは言い訳を聞かせていただきます。
もう、我慢の限界ですわー‥‥‥」
この半年間、シェイルズ様がどれほどあなたのお傍で頭を悩ましていらしたか、よくわかりました。
ユニスは半分笑いながら、釣り竿の先をびしっ、とグレンに突きつけて追い詰めていく。
ここで魔導で逃げれば、間違いなく次に会った時には剣で両断されるだろう。
グレンは周囲を見渡して逃げ場を探した。
前にはユニス、後ろには支流。
左右と空に逃げるには、時間が無いーー
かといってその釣り竿で一撃を頂けばーー待っているのは即死だ。
行くならーー
「あーーーー!!!
また!!!
逃がすもんですか!!!」
最初に会った時には大河に飛び込んだ側が、今度は追いかける側になり、支流に身を投じたグレンを追いかけてユニスがその中に飛び込んでいく。
「お前、なんでこんな無茶を!!?」
「うるさいわね、白い鷹ならなんとかしなさいよ、イズバイア!!
ほら、もう滝ですよ!!!」
「滝なんてーー!!??
まるであの時とは逆ではないかニアム!!」
「ならなんとかしてくださいーーーー!!!」
ユニスの警告も虚しく、流されて行く二人の眼前には轟轟と音を立てて落ちていく水の切れ端が口を開いている。
エシャーナ公家の百メートルほど先は断崖絶壁になっておりーー
今宵のエサはかつての帝国の女大公と皇太子殿下かと滝つぼがその口を開けて待ち構えていた‥‥‥
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