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「先に魔法について知っておいて欲しいことがあるんだ」
私はユーラスの魔法を見て、魔法を学びたいと思いました。
今は魔法を覚えるための練習中です。
「この世界の魔法は、妖精の力を借りて使うんだ」
「妖精、ですか?」
「そう、見たほうが早いよね。おいで」
ユーラスは片手を差し出すと、可愛い妖精が現れました。
私の両手ほどの大きさしかありません。
「可愛い……!」
「そうだろう?この子が妖精。僕たちと違って魔力を多く持っているんだ」
私が妖精のことを見ていると、妖精が私のことに気づいてこちらに来ました。
私の手の上に乗ると、私の頬に手を当てて次は頬を当ててきました。
なんてかわいい子なんでしょう……!
「あははっ、珍しいね。こんなに早く妖精に好かれるなんて」
「珍しいのですか?」
「うん。僕が知っている中でも、初めて会って妖精から触ってもらえた人なんて3人もいないほどなんだ」
そんなに少ないんですか!?
何人中かは分かりませんが、私は珍しい部類に入るってことですね。
「そこまで妖精に好かれていたら、魔法もすぐ使えるかもしれないよ」
「本当ですか!?」
「恐らくね。手伝ってくれるかな?」
妖精は頷きました。
ユーラスも妖精に好かれている人の一人なんでしょう。
話しかけられたとき、妖精はとてもいい笑顔をしていました。
「魔法の使い方は簡単。使いたい魔法を想像し、妖精に頼むんだ」
「たったそれだけなんですか?」
「そうだよ。魔法で一番難しいことは妖精に頼めるかどうかなんだ」
妖精に好かれているってことは、私は使えるってことでしょうか?
運がよかったのかどうかは分かりませんが、こんなに可愛い子に好かれるのはうれしいです。
「もしかしたら私のいる世界への入り口を――」
「残念だが、妖精でもそれは出来ないんだ。昔、ヨウカと同じような人が試して無理だったんだ」
ユーラスがそう言うと、妖精は悲しそうに首を横に振った。
「もっと他の魔法で試してみます。何がいいんでしょうか?」
「無難に水なんてどうだろう?」
漫画や小説でも、魔法ではよく水が使われていましたね。
たしかによさそうですね。
「えっと、想像して頼めばいいんですよね?」
「そうそう、やってごらん」
私は何かいい魔法がないか考えました。
道路の水たまり、昨日の雨。
そう、雨なんてどうでしょうか?
これでやってみましょう。
「決まったかい?」
「はい!」
「じゃあ妖精に心から頼んでみて」
私はここに雨が降る光景を想像しました。
そしてそのまま、小さな声でお願いと妖精に言いました。
すると空の雲行きが悪くなり、雨が降ってきました。
「…もしかして雨が降るように頼んだのかい?」
「えっ、はい、そうですけど。ダメでしたか?」
「ダメどころではないよ!すごいよ!まさか天候を操れるほど妖精が動いてくれるなんて……」
「妖精が…動いてくれる?」
どういう事なんでしょうか?
妖精はここに一人しかいませんのに。
「魔法って規模が大きくなればなるほど、妖精の人数が必要になるんだ」
「そうなんですか?でしたら天候を変える人数はどれぐらいなんですか?」
「そうだね、ざっと軽く数えても100人の力は必要だね」
「ひゃくっ!?」
そんなに人数が必要なんですか!?
軽はずみですごいことをしちゃいました……。
でも残りの99人は一体どこに?
「他の妖精が気になるかい?」
「は、はい」
「妖精に来てもらいたいと思いながらおいでって言ってごらん」
妖精に来て欲しい、ですね。
「おいで!」
するとあちこちからたくさんの妖精が現れました。
私を囲むようにわらわらとやってきて、正直驚きを隠せません。
「すごい人数だね。僕でもこの人数に頼めないよ」
「ユーラスはどれぐらいなんですか?」
「これの半分が限界かな」
もしかして私、本当に大変なことをやっちゃったんじゃないのでしょうか?
私はユーラスの魔法を見て、魔法を学びたいと思いました。
今は魔法を覚えるための練習中です。
「この世界の魔法は、妖精の力を借りて使うんだ」
「妖精、ですか?」
「そう、見たほうが早いよね。おいで」
ユーラスは片手を差し出すと、可愛い妖精が現れました。
私の両手ほどの大きさしかありません。
「可愛い……!」
「そうだろう?この子が妖精。僕たちと違って魔力を多く持っているんだ」
私が妖精のことを見ていると、妖精が私のことに気づいてこちらに来ました。
私の手の上に乗ると、私の頬に手を当てて次は頬を当ててきました。
なんてかわいい子なんでしょう……!
「あははっ、珍しいね。こんなに早く妖精に好かれるなんて」
「珍しいのですか?」
「うん。僕が知っている中でも、初めて会って妖精から触ってもらえた人なんて3人もいないほどなんだ」
そんなに少ないんですか!?
何人中かは分かりませんが、私は珍しい部類に入るってことですね。
「そこまで妖精に好かれていたら、魔法もすぐ使えるかもしれないよ」
「本当ですか!?」
「恐らくね。手伝ってくれるかな?」
妖精は頷きました。
ユーラスも妖精に好かれている人の一人なんでしょう。
話しかけられたとき、妖精はとてもいい笑顔をしていました。
「魔法の使い方は簡単。使いたい魔法を想像し、妖精に頼むんだ」
「たったそれだけなんですか?」
「そうだよ。魔法で一番難しいことは妖精に頼めるかどうかなんだ」
妖精に好かれているってことは、私は使えるってことでしょうか?
運がよかったのかどうかは分かりませんが、こんなに可愛い子に好かれるのはうれしいです。
「もしかしたら私のいる世界への入り口を――」
「残念だが、妖精でもそれは出来ないんだ。昔、ヨウカと同じような人が試して無理だったんだ」
ユーラスがそう言うと、妖精は悲しそうに首を横に振った。
「もっと他の魔法で試してみます。何がいいんでしょうか?」
「無難に水なんてどうだろう?」
漫画や小説でも、魔法ではよく水が使われていましたね。
たしかによさそうですね。
「えっと、想像して頼めばいいんですよね?」
「そうそう、やってごらん」
私は何かいい魔法がないか考えました。
道路の水たまり、昨日の雨。
そう、雨なんてどうでしょうか?
これでやってみましょう。
「決まったかい?」
「はい!」
「じゃあ妖精に心から頼んでみて」
私はここに雨が降る光景を想像しました。
そしてそのまま、小さな声でお願いと妖精に言いました。
すると空の雲行きが悪くなり、雨が降ってきました。
「…もしかして雨が降るように頼んだのかい?」
「えっ、はい、そうですけど。ダメでしたか?」
「ダメどころではないよ!すごいよ!まさか天候を操れるほど妖精が動いてくれるなんて……」
「妖精が…動いてくれる?」
どういう事なんでしょうか?
妖精はここに一人しかいませんのに。
「魔法って規模が大きくなればなるほど、妖精の人数が必要になるんだ」
「そうなんですか?でしたら天候を変える人数はどれぐらいなんですか?」
「そうだね、ざっと軽く数えても100人の力は必要だね」
「ひゃくっ!?」
そんなに人数が必要なんですか!?
軽はずみですごいことをしちゃいました……。
でも残りの99人は一体どこに?
「他の妖精が気になるかい?」
「は、はい」
「妖精に来てもらいたいと思いながらおいでって言ってごらん」
妖精に来て欲しい、ですね。
「おいで!」
するとあちこちからたくさんの妖精が現れました。
私を囲むようにわらわらとやってきて、正直驚きを隠せません。
「すごい人数だね。僕でもこの人数に頼めないよ」
「ユーラスはどれぐらいなんですか?」
「これの半分が限界かな」
もしかして私、本当に大変なことをやっちゃったんじゃないのでしょうか?
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