書き換えオーダーメイド

夜船 銀

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書き換えその一  ジャックの盗みをやめさせたい④

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え!? ジャック!? この人が!? 目の前の人をよく見る。

健康的に焼けた小麦色に焼けた肌。少し着古している作業服。背は栞より少し高いくらいだ。ひょっとしたら栞とあまり歳は変わらないのかもしれない。

ジャックが口を開く。

「え?あんた達誰? なんで俺のなまえ知ってるの?」

「だって、街のみんなが噂してますよ。なんでも、珍しい宝物を見つけて羽振りがいいそうじゃないですか。」

「珍しい宝物か…」

彼は自重気味に笑った。

「ここだけの話、あんなお宝を一体どこから見つけて来たんですか?」

「聞きたいか? あれはな、雲の上の巨人から奪ったものなんだ。」

「え!? それは犯罪なんじゃ…?」

「あんな所に住んでいるやつから何を盗んだってばれやしないさ。」

そう言ってジャックは顔を歪めてケタケタ笑った。
栞は思った。夕、やっぱりこの人は可哀想な人なんかじゃないよ。人から物を盗んでおいてこんなに平然としていられるなんて…。

けれども縁は落ち着き払った態度のままだった。

「そうですか、それではなぜあなたの手はそんなにふるえているのですか?」

「え…。」

彼の左腕を見てみる。その腕は確かにかすかに痙攣していた。彼の言動にショックを受けるあまり全く気が付かなかった。ジャックは慌てて腕を組んでごまかそうとした。

「それだけではありません。目の下にクマがくっきりと浮き出ていますよ。よく眠れていないんじゃないですか。」

ジャックは何も答えない。

「心が痛むのでしょう?」

図星を突かれたのか彼は目を見開いた。

「あなたはやっぱり優しい人です。盗みを働いたのだって母親と静かに暮らすためでしょう。あなたは…」

「違う!!」

ジャックは縁の言葉を遮った。

「俺は、俺は盗人だ!巨人から何を盗もうと何も感じない!俺は!俺は…」

言葉につまり彼は頭を抱え込んだ。
縁は諭すように言う。

「そうやって自分にいい聞かせてきたのでしょう。もう後戻りはできぬと…。どんなに他人に嘘をつこうと自分の心に嘘はつけません。ことさら良心にはね。」

縁は彼の肩に手を置いた。ジャックが顔を上げる。

「そんな心があるならそれに嘘をついてはいけませんよ。」

いつの間にか縁の体は淡い金色に輝き始めていた。驚いて栞も自分の体をみると縁と同じ色に輝いていた。

「まだ、今ならまだ引き返せます。母親と正しく生きてください。」

金色の輝きがどんどん強くなる。栞はここに来たときと同じように強烈な眠気を感じた。

「どうか、あなたが嘘をつかずに済みますように。」

その後もジャックと縁は言葉を交わしていたようだが栞は眠気に抗えず深い眠りに落ちていった。
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