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書き換えその一 ジャックの盗みをやめさせたい⑤
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気がつくと栞はテーブルについていた。あたりを見回す。アンティーク調の家具、大きなドールハウス、壁を覆うような本棚。帰ってきたのだろうか、琥珀堂に。
「目が覚めました?」
テーブルを挟んで向こう側に縁が座っていた。
尋ねたいことが山程あった。物語に入り込む魔法のこと。書き換えのこと。縁本人のこと。けれども、口をついた質問はそのどれでもなかった。
「ジャックは…物語は書き換わったんですか?」
「うーんどうだろうね。」
「ジャックと豆の木」の本を手のなかで弄んでいる。
「私の説得が成功しようが失敗しようが物語の内容が書き換わるのには一日かかるんだ。明日になってみないと結果は分からないね。」
「そうですか…。」
しばらく沈黙が場を支配した。外はもう暗くなっていた。縁とはまだ会って数時間だけど何年も前からの付き合いのような気分だった。それなら、自分の気持ちは言ったほうがいいよね。
「私はジャックに実際に会っても、彼が可哀想で優しい人とは思えませんでした。本当は必死に自分の心に嘘をついて苦しんでいたのに…。どうして、夕や縁さんはジャックの本心を見抜いて、、信じていられたんですか?」
縁はしばらく考えるように天井を見上げて腕を組んだ。やがて口を開く。
「別に私は彼の心うちを知っていたわけではありません。ただ…」
彼は目を細めた。
「斎藤様が泣きながら話してくれたでしょう?斎藤様にはこの物語がそういう風に見えていた。ならば書き換え屋の私がその思いを否定するわけにはいきません。望む物語を、見せなければなりません。」
そういった彼の顔は強い信念を抱いていて、まるで別人のように見えた。
しかし、すぐに温和な表情になり人の良さそうな笑顔を浮かべた。
「目が覚めました?」
テーブルを挟んで向こう側に縁が座っていた。
尋ねたいことが山程あった。物語に入り込む魔法のこと。書き換えのこと。縁本人のこと。けれども、口をついた質問はそのどれでもなかった。
「ジャックは…物語は書き換わったんですか?」
「うーんどうだろうね。」
「ジャックと豆の木」の本を手のなかで弄んでいる。
「私の説得が成功しようが失敗しようが物語の内容が書き換わるのには一日かかるんだ。明日になってみないと結果は分からないね。」
「そうですか…。」
しばらく沈黙が場を支配した。外はもう暗くなっていた。縁とはまだ会って数時間だけど何年も前からの付き合いのような気分だった。それなら、自分の気持ちは言ったほうがいいよね。
「私はジャックに実際に会っても、彼が可哀想で優しい人とは思えませんでした。本当は必死に自分の心に嘘をついて苦しんでいたのに…。どうして、夕や縁さんはジャックの本心を見抜いて、、信じていられたんですか?」
縁はしばらく考えるように天井を見上げて腕を組んだ。やがて口を開く。
「別に私は彼の心うちを知っていたわけではありません。ただ…」
彼は目を細めた。
「斎藤様が泣きながら話してくれたでしょう?斎藤様にはこの物語がそういう風に見えていた。ならば書き換え屋の私がその思いを否定するわけにはいきません。望む物語を、見せなければなりません。」
そういった彼の顔は強い信念を抱いていて、まるで別人のように見えた。
しかし、すぐに温和な表情になり人の良さそうな笑顔を浮かべた。
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