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中庭 3 ※
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幾度か深く呼吸を繰り返し、なんとか気を落ち着かせてから、ボクは海神のいい部分にあてるように再び重く腰を沈めた。
海神はこらえきれず喘ぎ声をもらし、ついに足を抑えていた手を離すと、ボクの背に爪を立て、必死で腰に足を絡め引き寄せてくる。
「まだ果てるなよ・・・・海神。君が言ったんだ。」
海神は涙をあふれさせながら、熱く乱れた呼吸の合間に消え入るような小さい声で、言葉をもらした。
「蒼・・・・良すぎ・・・・・・待っ・・・て」
「・・・・待てない」
努めて冷静に、海神のいい部分を狙い深い抽挿を繰り返すと、海神はあっという間に昇りつめそうになり、慌ててボクの腰に足を絡め自分の腰にぐっと引き寄せ動きを抑えてしまう。
「お願い、やめて。一人は嫌だ・・・・蒼。」
海神に体重を乗せすぎないよう気を配りながら、ボクは彼の頭を包み込むように腕に抱き、口づけた。
「海神・・・・。ねぇ、君は何をそんなに恐れているんだ。」
「・・・わからない。・・・・・・ただ、お前との時を、失うのが・・・・一人にされるのが、怖くてたまらないのだ。二人で生きていたいのに、突き放されてしまうのではないかと・・・どうにかしてしまいそうなほど、恐ろしくて不安になる。」
「海神・・・どうして、そんなに哀しいことを・・・・。ボクはいつだって、君の傍にいるのに。」
「・・・・・・蒼。」
「ねぇ・・・・不安がらないで。君を狙う恐れも・・・穢れも、ボクが全て祓う。君がボクと生きることを望んでくれるなら、ボクは絶対に君を、諦めたりはしない。」
ボクは震えている海神の首筋に口づけた。
「嫌うなよ・・・・?もし君がボクを拒んだって・・・・ボクは絶対に君を離したいと思わない・・・・。」
「蒼・・・・。」
「・・・・海神、お願い。・・・・君を全部、ボクにちょうだい。君の全部が欲しいんだ・・・・。」
「・・・・うん。・・・・だが、蒼。私はすでに・・・・とっくにお前のものになっていると、思っていたのだが。」
海神が目を上げ、困ったようにボクを見つめる。
ボクは苦笑し、海神に口づけると、再びゆっくりと抽挿を始めた。
「全部だよ・・・・?」
「うん。」
「本当に、君の全部が・・・欲しいんだ。」
「・・・・うん。・・・お前のものにして、いい。・・・蒼・・・全部。」
甘い吐息の合間・・・・あえぐように紡がれた海神の誓いに、ボクの身体は火をくべられたように熱を持つ。
高まる感情に追い立てられ、ボクは激しく海神を貫いた。
突然の深い抽挿に思わず逃げそうになった海神の腰を抑え、容赦なく突き上げる。
互いが溶け合い一つになれるのではないかというほど深くボクを飲み込ませると、海神が離さないというように、きつく締め付けてきた。
「海神・・・・、限界。」
「うん。」
うなずきながら、幸せでたまらないという表情で微笑みを浮かべる海神に、ボクの胸は張り割けそうなほどの愛おしさで埋め尽くされる。
これいじょうないほど身体を絡め合いながら、本能のままに快感追い求め激しい抽挿を繰り返すと、ボクは身体を震わせ、海神の最奥へと熱を放った。
同時に達した海神の、とほうもなく淫らな吐息まじりの鳴き声が、中庭にひっそりと余韻を残した。
海神に強く抱き寄せられ、気だるさと気が遠くなるほどの充実感と幸福感の中、ボクは彼を抱き返した。
うなる様に渦を巻いていた劣情が静かにその熱を下げていくと、まだわずかに息を乱したままの海神が、ボクのうなじに顔をうずめそこに口づけてきた。
「蒼・・・・。」
「うん。」
ボクが顔をあげ、海神の隣へ身体をずらすと、彼はわずかに顎をあげ、ボクの唇に自分の形の良い薄い唇を二度・・・・そっと重ねた。
「名づけを・・・・隠し名が、欲しい。」
海神はこらえきれず喘ぎ声をもらし、ついに足を抑えていた手を離すと、ボクの背に爪を立て、必死で腰に足を絡め引き寄せてくる。
「まだ果てるなよ・・・・海神。君が言ったんだ。」
海神は涙をあふれさせながら、熱く乱れた呼吸の合間に消え入るような小さい声で、言葉をもらした。
「蒼・・・・良すぎ・・・・・・待っ・・・て」
「・・・・待てない」
努めて冷静に、海神のいい部分を狙い深い抽挿を繰り返すと、海神はあっという間に昇りつめそうになり、慌ててボクの腰に足を絡め自分の腰にぐっと引き寄せ動きを抑えてしまう。
「お願い、やめて。一人は嫌だ・・・・蒼。」
海神に体重を乗せすぎないよう気を配りながら、ボクは彼の頭を包み込むように腕に抱き、口づけた。
「海神・・・・。ねぇ、君は何をそんなに恐れているんだ。」
「・・・わからない。・・・・・・ただ、お前との時を、失うのが・・・・一人にされるのが、怖くてたまらないのだ。二人で生きていたいのに、突き放されてしまうのではないかと・・・どうにかしてしまいそうなほど、恐ろしくて不安になる。」
「海神・・・どうして、そんなに哀しいことを・・・・。ボクはいつだって、君の傍にいるのに。」
「・・・・・・蒼。」
「ねぇ・・・・不安がらないで。君を狙う恐れも・・・穢れも、ボクが全て祓う。君がボクと生きることを望んでくれるなら、ボクは絶対に君を、諦めたりはしない。」
ボクは震えている海神の首筋に口づけた。
「嫌うなよ・・・・?もし君がボクを拒んだって・・・・ボクは絶対に君を離したいと思わない・・・・。」
「蒼・・・・。」
「・・・・海神、お願い。・・・・君を全部、ボクにちょうだい。君の全部が欲しいんだ・・・・。」
「・・・・うん。・・・・だが、蒼。私はすでに・・・・とっくにお前のものになっていると、思っていたのだが。」
海神が目を上げ、困ったようにボクを見つめる。
ボクは苦笑し、海神に口づけると、再びゆっくりと抽挿を始めた。
「全部だよ・・・・?」
「うん。」
「本当に、君の全部が・・・欲しいんだ。」
「・・・・うん。・・・お前のものにして、いい。・・・蒼・・・全部。」
甘い吐息の合間・・・・あえぐように紡がれた海神の誓いに、ボクの身体は火をくべられたように熱を持つ。
高まる感情に追い立てられ、ボクは激しく海神を貫いた。
突然の深い抽挿に思わず逃げそうになった海神の腰を抑え、容赦なく突き上げる。
互いが溶け合い一つになれるのではないかというほど深くボクを飲み込ませると、海神が離さないというように、きつく締め付けてきた。
「海神・・・・、限界。」
「うん。」
うなずきながら、幸せでたまらないという表情で微笑みを浮かべる海神に、ボクの胸は張り割けそうなほどの愛おしさで埋め尽くされる。
これいじょうないほど身体を絡め合いながら、本能のままに快感追い求め激しい抽挿を繰り返すと、ボクは身体を震わせ、海神の最奥へと熱を放った。
同時に達した海神の、とほうもなく淫らな吐息まじりの鳴き声が、中庭にひっそりと余韻を残した。
海神に強く抱き寄せられ、気だるさと気が遠くなるほどの充実感と幸福感の中、ボクは彼を抱き返した。
うなる様に渦を巻いていた劣情が静かにその熱を下げていくと、まだわずかに息を乱したままの海神が、ボクのうなじに顔をうずめそこに口づけてきた。
「蒼・・・・。」
「うん。」
ボクが顔をあげ、海神の隣へ身体をずらすと、彼はわずかに顎をあげ、ボクの唇に自分の形の良い薄い唇を二度・・・・そっと重ねた。
「名づけを・・・・隠し名が、欲しい。」
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