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第1章 彼女の浮気と素顔

第15話 見せつけの偽デート 4-1

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 雲ひとつない青空が広がる絶好の行楽日和となった土曜日。
 朝早いというのに俺達は家の前にいた。

「じゃあ行ってきます」
「いってらっしゃい、楽しんでおいで」
「くれぐれも偽デートであることがバレないようにな」

 ちとせの両親に見送られながら、俺達は最寄りの駅を目指す。

「えっと、上総一ノ宮駅5:27発普通千葉行きでいいんだっけ?」
「そう。それ乗って千葉に6:16に着くから、そこから6:38発の特急富士回遊3号に乗って富士急ハイランド駅まで行く。到着は9:20だな。席はほら、もう取ってある」

 そういって、えきねっとチケットレスサービスの画面を見せる俺。

「ほんとだ、もう交換済みってなってるね……って使用ポイントって何?」
「結構JREポイントが貯まっていたからちょっと使ってみた。期限は別に切れないんだけどね」
「ああ、使うと貯まるやつか」
「そう。あんまり使う機会がなかったからね。だって普段は特急使わないからね」
「そうなんだ。じゃあそこまで人目を気にする必要はないね」
「そういうこと。で、すぐ後ろの席に千春たちが来る」
「なんでそれを知ってるの?」
「遊園地行きが決定した時点ですぐに座席を取った。そのうえでおじさんにそのすぐ後ろを取ってもらったんだ」
「なるほど、座席が指定できるんだね」
「そういうことだな」

 これもえきねっとを使ってるからこそできる技だ。
 事前予約の際にシートマップから座席を指定できるシステムを利用した。
 そうすれば電車内のイチャイチャだって全部見せつけられるわけだ。

 



 早朝の外房線は思ったよりも混んでいた。
 さすがに二人で並んで座れないほどではなかったが、千葉駅に着く頃には相当混んでいた。

「おお、やっぱ千葉駅はでかいね」
「新宿とか東京に比べたら楽だけどな」
「そりゃそうでしょ。そういえばさ、朝ごはんどうするの?」

 始発の次の列車に乗っているため、まだ朝ごはんは食べていないのだ。

「取り敢えず特急の車内に入ってからな」

 そう言って特急の車内に向かう。
 さすが千葉始発、車内は当然のごとくガラガラだ。
 座席に座って荷物を荷棚に上げるなり、ちとせが言う。

「で、朝ごはんは?」
「さすがに乗り換え時間が短いから家で作ってきた」

 そう言ってカバンから取り出したのはお弁当箱2つ。
 そう、朝早起きして朝ごはん用のお弁当を作ったのだ(だいぶ手抜きだけど)。

「え、政信ってお弁当作れたの?」
「お弁当というか、料理は基本何でもできるぞ」
「ホントに?じゃあ私も作ってくればよかった」
「お昼なら中のお店で食べるんだろ?」
「そうだけどね。なんか悔しいな」
「そうなのか。まあいいや、そろそろ乗ってくるはずだから、恋人っぽく振る舞うぞ」
「いいよ。じゃあさ、お弁当開けていい?」
「どうぞ」

 パカリ、と音を立てて開いたお弁当箱の中からは。

「うわぁ、なにこれ、ほんとにコレ全部一人でやったの?」
「冷食の力も借りたけどな」

 からあげや卵焼きといった定番から、コールスローなど、色とりどりの惣菜がならぶ可愛いお弁当が姿を表した。

「野菜も入っていていいね」

 そういうなり卵焼きをひとくち食べるちとせ。

「ん、コレやばい、箸が止まらないんだけど」
「そうか、ありがとうな」

 目を輝かせてお弁当を食べるちとせ。
 それを見る俺は、なぜかとても幸せな気分だった。 


 真後ろが千春達なのをいいことに、その後もイチャイチャし続けること約3時間。

「ふう、ようやく着いたねぇ」
「ほんとだな」

 富士急ハイランド駅にはこれぞ本当のバカップルという感じで恋人繋ぎしてくっついている政信&ちとせと、

「なんであいつらあんなにくっついてんの?」
「ほんとだな、もっとコテンパンにやってやったほうが良かったんかな?」

 二人のあまりのイチャイチャっぷりに若干不満な千春&邦彦が降り立った。





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 ようやくデート(偽)編開始です。
 ここで政信達は千春達の破局を目指します。

 ざまぁ好きとバカップル好きはぜひレビュー&コメントよろしくお願いします。

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