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公爵令嬢の失態 2
しおりを挟む耳慣れない言葉に思わず瞳を瞬かせる。
ハッ!!と、パフェはまずい、という顔をした。
知っているのよ。わたくしに悪影響を与えるとか何とかそんな理由をつけて、アルがパフェに"余計な知識をわたくしに与えるな"と牽制をかけたというのは。
だけどわたくしだって知りたい。
ええ、誰しも未知への好奇心とは止められないものよ!人類はそうやって成長してきたのだわ。わたくしの言葉にパフェはマカロンとわたくしを見比べた。
(なるほど、わたくしに余計な知識を与えてマカロンが食べられなくなることを恐れているのね)
恐らくアルにそういった内容の牽制をされている。
そしてそれは正しい。パフェは食へ重きを置いている。
彼女の育ち環境を思えばそれも仕方ないことではあるが。
現在絶賛、マカロンと天秤にかけられているわけだが、わたくしは落ち着いてパフェへ賄賂の交渉をした。
「その話をしてくださったら公爵家のコックにたくさんマカロンを作らせますわ。ビュッフェ形式で食べ放題。いかが?」
「さっすがフラン様!そこに痺れる憧れるぅ!実はですね、擬似百合っていうのは言葉の通り百合もどきという意味でして。殿下は大変お美しい顔をしてらっしゃいますよね?」
「そうね。わたくしが男だったらまず求婚してるわ」
「逞しい。お気持ちは分かりますよ。そんな殿下とお綺麗なフラン様が共にいると、それはまるで女性同士の恋愛のように思えるのです」
「でも実際は男性よ?」
「それがいいんですよ。パッと見百合なんですから!」
「百合……」
「薔薇と同様、百合も禁断の愛ではありませんか?擬似的に百合を楽しめてNLも楽しめるなんて一石二鳥!!百合プレ……じゃなくて、その官能的……じゃなくて、背徳感を味わえるんですよ!」
パフェの力説に、わたくしは少し考えるように顎に手を添える。そして閃くものがあった。
「聖女パフェ……!さすがのご高説ですわ。理解しました。擬似百合とはなんと素晴らしいものなのでしょう!!」
わたくしは魂の震えを覚えた。
やるべきことが見えたのである!
最近のわたくしたちは妙にいちゃ……なんというか、面映ゆくなる雰囲気ですわ!嫌かと聞かれたら嫌では無いのですが、やはりちょっと、違うと思うのです。
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