キャサリン・キングスリーの手記

キャサリンは恋に囚われている。
どうしようもない初恋に縛られ、身動きが取れなくなっている。
しかし、同じくらい、彼女はその恋を嫌悪していた。

何度裏切られても、この気持ちを捨てられない。

──なんて愚か。

しかし、何度目の裏切りか。婚約者が他の女性に愛を囁き、その女性がキャサリンに「彼を解放してあげたら?」と言われた時、ようやく彼女は決断する。
この想いと決別することを。


そして想いを捨てた彼女は、首を傾げた。

「……どうして私、今まであんなひとに夢中になっていたのかしら?」
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