お探しの妻はもういません。

「ミレイユとは離婚するよ。白い結婚という理由で、ミレイユの有責でね」

クルルフォーツ小公爵と結婚したミレイユは、ある日聞いてしまう。夫と、その恋人の会話を。

ミレイユとクラレンスは白い結婚だ。
それはミレイユが度々体調不良になるせいだった。
だけどその理由が──

(あなたが私に腐った食事を出すよう命じていたから、だなんて)

思いもしなかった。

良いでしょう。そこまでして、私と離縁して彼女と結ばれたい、というのなら。
私が責任をもって、そのブライダルアテンドをしてあげようじゃない。

もっとも、プランは選べませんけれどそこはご愛嬌。

(これは政略結婚で貴族の務めだから、と今まで自分を律してきた。
だけどその結果がこれなんだもの)

それなら今度は、自分の幸せのために生きてやる。妻としてではなく、貴族としてでもなく。一人の人間として、ミレイユは生きていくことにした。
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