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第2章 エルフの国のお姫様が 誘拐されたので、 解決することにしました
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「オイラはラディ。 これでも勇者パーティーのメンバーだったのさ」
「キャシーはキャシーね。 同じく勇者パーティーの仲間だったのね」
二人は意外なほど簡単に打ち明けてくれました。
ラディは 7勇者の仲間の 末裔で、 カンストの力を封じるアーティファクトを持っているということです。
通りで神聖魔法が封じられていたのに、【神の眼】の スキルだけ発動できたわけです。【神の眼】の スキルを保持しているのは聖女 もしくは聖者だけですからね。
キャシーは 眠るほど強くなる、酸拳ならぬ睡拳の 使い手のようです。
「「 おかわり!」」
二人が素直に 口を割ってくれた理由はこれです。
ラディとキャシーは、 アルフレッドという勇者の 仲間でした。 ところが、ラディは 酔った勢いで勇者の失敗談を歌ってしまい、 完璧主義者の聖女 エリーゼから パーティーを追い出されてしまったようです。ラディを かばったキャシーも 道連れにされてしまったようです。
聖女から 失格者の烙印を押された冒険者には 冒険の仕事が回ってきません。ラディとキャシーは 空腹のあまり盗賊になることを決意し、 私たちがいる馬車の 全員を眠らせて、 物取りをすることに したようでした。
ぐうっ!
二人のお腹がかわいらしく鳴いていました。 そこで私は食事を与えることを条件にして、 尋問することにしたのです。 予想通りペラペラと喋ってくれましたよ。
そんなことより私は、 悶えそうになる自分を抑えるのに必死です。
フードを外した二人の姿が可愛すぎるんですよ!
ラディは 兎人で、キャシーは 猫人なんですよ。 もふもふ願望が溢れ出してしまうじゃないですか。
「? どうしたのさ」
「いえ、 何でもありませんよ」
私は頬が緩むのを 無理やり押さえて、 なるべく真面目な表情になるように心がけました。
「 失敗談を歌ったくらいでパーティを追放するものなのですか?」
「 エリーゼは完璧でないものを許さないのさ」
「 それに、獣人差別もあるのね」
獣人 差別があったから、 1度は人族の仲間入りをしたはずのオークが 魔族側に再び 寝返ったのですよね。
表向きは一応、獣人は 人族の仲間として認められています。 しかし 、まだまだ 見えないところで 迫害されているようです。
「 そうだったんですね・・・・・・」
「 人間ちゃんが気にすることはないのさ」
「 そうなのね。 笑顔でさよならするのね」
「 バイバイなのさ」
「ええ・・・・・・って、 逃がしませんよ!?」
危うく二人の策略にはまってしまうところでしたよ。
理由はどうあれ罪は罪なのです。 償わなければいけません。 二人には同情の余地がありますけど、 アクアリーフに 到着したら衛兵に 引き渡しますよ。
「 人間ちゃんは違うと思ってたのに、 やっぱり聖女は聖女なのさ!」
「聖女は 完璧という正義を振りかざして、 弱者を傷つけていくのね!」
二人はよほど、聖女の エリーゼに傷つけられるようなことを言われ続けていたのでしょう。
でも、それとこれとは別です。
「 往生際が悪すぎますよ。 大人しくお縄についてくださいね」
「「ひいっ!?」」
私が微笑みを浮かべると、 ふたりはやっと 静かになりました。 これで アクアリーフの衛兵に 二人のことを任せることができますよ。
「衛兵さん、 あとはよろしくお願いしますね」
「聖女様、 ご協力感謝します」
いえいえ、 当然のことをしたまでですよ。 お礼のお菓子なんてそんな・・・・・・ あるわけないですよね。 わかってましたよ。
がっかりなんてしてないんですからね。
馬車の中でお菓子をもらうのが当たり前になっていたから、すっかり感覚が麻痺していましたよ。
「 そこの獣人共、 姫様の所在を明かしてもらおうか!」
衛兵は なぜか二人に王女殿下の居場所について質問していました。
アクアリーフを治めているのはエルフで、当然王女殿下も エルフ の女の子です。 確かニアという名前でした。
「 何のことかさっぱり分からないのさ」
「キャシーは お姫様のことなんか知らないのね」
「 とぼけるな! お前たちは姫様を誘拐した 犯人の仲間なのだろう!」
どうやらニア 王女が何者かに誘拐されたらしく、ラディとキャシーの 二人は 誘拐犯の仲間だと疑われているようです。
これはさすがに黙っていられませんね。
「 ちょっと待ってください。 二人が 犯人の仲間だという証拠はあるのですか?」
「 姫様がいなくなった日に、 フード姿の怪しい人物の目撃証言があったのです。 証拠としては十分でしょう」
随分横暴じゃないですか。
ラディとキャシーは、 馬車で物取りを 二人だけで実行していました。 二人の能力を合わせるならば、 他のものと一緒に行動するのはかえって連携が取れないでしょうけど、 ある程度の距離に見張りが 様子を伺っているということもありませんでした。 そういうわけで、二人に他に仲間がいるとは思えないのです。
二人は確かに罪を犯しました。 でも、冤罪まで一緒に 押し付けられるのは おかしいです。獣人だから、 という理由だけで決めつけるのは許せませんね。
「 私が お姫様を見つけてみせます。 だから 誘拐の件で、 二人に拷問をして 強制的に証言させるのはやめてくださいね!」
私は 思わずそう、まくしたてていました。ガルヴァスは、やれやれといったように 苦笑いを浮かべています 。
「 ルナマリアは厄介事に首を突っ込みたがるな」
損な性分だというのは分かっていますよ。 でも、仕方がないじゃないですか。 もしも二人が理不尽に処刑でもされたら、 後悔に苛まれて お菓子がおいしく 喉を通らなくなりますからね。
正義の味方を気取るつもりはありません。 これは私のただのわがままだとはわかっていますよ。
「キャシーはキャシーね。 同じく勇者パーティーの仲間だったのね」
二人は意外なほど簡単に打ち明けてくれました。
ラディは 7勇者の仲間の 末裔で、 カンストの力を封じるアーティファクトを持っているということです。
通りで神聖魔法が封じられていたのに、【神の眼】の スキルだけ発動できたわけです。【神の眼】の スキルを保持しているのは聖女 もしくは聖者だけですからね。
キャシーは 眠るほど強くなる、酸拳ならぬ睡拳の 使い手のようです。
「「 おかわり!」」
二人が素直に 口を割ってくれた理由はこれです。
ラディとキャシーは、 アルフレッドという勇者の 仲間でした。 ところが、ラディは 酔った勢いで勇者の失敗談を歌ってしまい、 完璧主義者の聖女 エリーゼから パーティーを追い出されてしまったようです。ラディを かばったキャシーも 道連れにされてしまったようです。
聖女から 失格者の烙印を押された冒険者には 冒険の仕事が回ってきません。ラディとキャシーは 空腹のあまり盗賊になることを決意し、 私たちがいる馬車の 全員を眠らせて、 物取りをすることに したようでした。
ぐうっ!
二人のお腹がかわいらしく鳴いていました。 そこで私は食事を与えることを条件にして、 尋問することにしたのです。 予想通りペラペラと喋ってくれましたよ。
そんなことより私は、 悶えそうになる自分を抑えるのに必死です。
フードを外した二人の姿が可愛すぎるんですよ!
ラディは 兎人で、キャシーは 猫人なんですよ。 もふもふ願望が溢れ出してしまうじゃないですか。
「? どうしたのさ」
「いえ、 何でもありませんよ」
私は頬が緩むのを 無理やり押さえて、 なるべく真面目な表情になるように心がけました。
「 失敗談を歌ったくらいでパーティを追放するものなのですか?」
「 エリーゼは完璧でないものを許さないのさ」
「 それに、獣人差別もあるのね」
獣人 差別があったから、 1度は人族の仲間入りをしたはずのオークが 魔族側に再び 寝返ったのですよね。
表向きは一応、獣人は 人族の仲間として認められています。 しかし 、まだまだ 見えないところで 迫害されているようです。
「 そうだったんですね・・・・・・」
「 人間ちゃんが気にすることはないのさ」
「 そうなのね。 笑顔でさよならするのね」
「 バイバイなのさ」
「ええ・・・・・・って、 逃がしませんよ!?」
危うく二人の策略にはまってしまうところでしたよ。
理由はどうあれ罪は罪なのです。 償わなければいけません。 二人には同情の余地がありますけど、 アクアリーフに 到着したら衛兵に 引き渡しますよ。
「 人間ちゃんは違うと思ってたのに、 やっぱり聖女は聖女なのさ!」
「聖女は 完璧という正義を振りかざして、 弱者を傷つけていくのね!」
二人はよほど、聖女の エリーゼに傷つけられるようなことを言われ続けていたのでしょう。
でも、それとこれとは別です。
「 往生際が悪すぎますよ。 大人しくお縄についてくださいね」
「「ひいっ!?」」
私が微笑みを浮かべると、 ふたりはやっと 静かになりました。 これで アクアリーフの衛兵に 二人のことを任せることができますよ。
「衛兵さん、 あとはよろしくお願いしますね」
「聖女様、 ご協力感謝します」
いえいえ、 当然のことをしたまでですよ。 お礼のお菓子なんてそんな・・・・・・ あるわけないですよね。 わかってましたよ。
がっかりなんてしてないんですからね。
馬車の中でお菓子をもらうのが当たり前になっていたから、すっかり感覚が麻痺していましたよ。
「 そこの獣人共、 姫様の所在を明かしてもらおうか!」
衛兵は なぜか二人に王女殿下の居場所について質問していました。
アクアリーフを治めているのはエルフで、当然王女殿下も エルフ の女の子です。 確かニアという名前でした。
「 何のことかさっぱり分からないのさ」
「キャシーは お姫様のことなんか知らないのね」
「 とぼけるな! お前たちは姫様を誘拐した 犯人の仲間なのだろう!」
どうやらニア 王女が何者かに誘拐されたらしく、ラディとキャシーの 二人は 誘拐犯の仲間だと疑われているようです。
これはさすがに黙っていられませんね。
「 ちょっと待ってください。 二人が 犯人の仲間だという証拠はあるのですか?」
「 姫様がいなくなった日に、 フード姿の怪しい人物の目撃証言があったのです。 証拠としては十分でしょう」
随分横暴じゃないですか。
ラディとキャシーは、 馬車で物取りを 二人だけで実行していました。 二人の能力を合わせるならば、 他のものと一緒に行動するのはかえって連携が取れないでしょうけど、 ある程度の距離に見張りが 様子を伺っているということもありませんでした。 そういうわけで、二人に他に仲間がいるとは思えないのです。
二人は確かに罪を犯しました。 でも、冤罪まで一緒に 押し付けられるのは おかしいです。獣人だから、 という理由だけで決めつけるのは許せませんね。
「 私が お姫様を見つけてみせます。 だから 誘拐の件で、 二人に拷問をして 強制的に証言させるのはやめてくださいね!」
私は 思わずそう、まくしたてていました。ガルヴァスは、やれやれといったように 苦笑いを浮かべています 。
「 ルナマリアは厄介事に首を突っ込みたがるな」
損な性分だというのは分かっていますよ。 でも、仕方がないじゃないですか。 もしも二人が理不尽に処刑でもされたら、 後悔に苛まれて お菓子がおいしく 喉を通らなくなりますからね。
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