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第2章 エルフの国のお姫様が 誘拐されたので、 解決することにしました
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「ニアはお転婆だからな、狂言誘拐という可能性もあるよ」
国王陛下は、希望的憶測を述べました。
「深夜に、こっそり抜け出すほどなんですか?」
「その可能性は否定出来ないのだよ。犯人からの要求が未だにないことだしな」
ニア王女の普段の行いから、日があまり経っていない現時点では、然程心配していないのでしょう。
だからと言って、ラディとキャシーの二人が不当な扱いを受けないとは限らないですけどね。やはり聖女が疑っている状況では、一介の獣人は信用されません。
私は冤罪で裁かれるのは避けたいですけど、ラディとキャシーの二人が犯人の仲間という可能性も考慮する必要があります。
ニア王女がいなくなったのは二日前の深夜とのことです。そして、馬車強襲が昨日の夕食時だったから、急げばやれないことはありません。
「ガルヴァスさんは、ラディの歌を聴きましたか?」
「いや、よく覚えてないな」
ガルヴァスに 確認して、さらに推理を深めます。
もしもラディの【旋律】に【記憶操作】の効果があるなら、【ララバイ】で見張りが眠っていた間の記憶を改竄することが容易です。キャシーなら、ニア王女を抱き抱えることが出来るでしょう。残念ながら、容疑は完全に否定出来ないのです。
マチルダの件もありましたからね。勇者もしくは勇者 パーティーの一同が、マッチポンプ誘拐を行ったとも考えられます。ラディとキャシーは スケープゴートというわけですね。
勇者が獣人の誘拐犯から、颯爽とニア王女を救い出すというシナリオです。
現段階では、どのようなトリックで誘拐したのか想像も出来ませんから、保留としておきましょう。
外部犯ならば、国王陛下の言うように一切の脅迫がないのが気になるところですね。
何にしても、護衛の眼を掻い潜っての人さらいの方法を解き明かさないことには、犯人の目星が付けられません。
護衛と言えば・・・・・・。
「ニア王女様に影は付いていなかったんですか?」
「お忍びで出掛けることが多いから、影は常に張り付かせていたよ」
国王陛下は、 私の質問に答えてくれました。
影とは 存在がばれないように、 隠密行動で護衛する者のことですね。
私はさらに追求します。
「影はニア王女の 居場所を知らないのですか?」
「『 姫様はご無事ですよ』とだけ言って、 後は口を紡いだままだ」
国王陛下は、影の 言葉を聞いて 狂言誘拐だと判断したのでしょう。
しかし、影が 犯人に操られているという可能性も否定できません。 もしくは影が真犯人ということも考えられます。
でも、 影の気配は感じるんですよね。影の 立場なら、 わざと手を抜くとは考えられません。 全力で隠れていれば良いのです。
私の【神の眼】で 見抜くことができるレベルだから、ニア王女を さらった実行犯ではないと思います。 共犯の可能性は否定できませんけどね。
最後にニア王女の姿を目撃した、 専属のメイドも怪しいですね。
彼女は 目の下にクマができていて、 傷心しきった表情でうつむいています。 疑っているのが心苦しくなりますよ。 もしもこの姿が演技だとしたら、 相当な役者に違いありませんね。
私が【神の眼】で 調査してみると 、影と 専属メイドは 洗脳されている様子はありませんでした。
まずは情報を集める必要があります。
私は国王陛下に聞けるだけ聞くことにしました。
「王宮の 関係者の中に 犯人らしき人物が いると思いますか?」
「 狂言誘拐の協力者というのならば、 専属メイドと影が怪しいだろうね」
「 二人を尋問なさらないのですか?」
「ニアの わがままに付き合わされているとしたら、咎める必要はないだろう。 きっと、満足したら時期に帰ってくるはずだよ」
残念ながら狂言誘拐だとしても、悠長に帰ってくるのを待っている暇はないんですよ。ラディとキャシーが 犯人もしくは共犯者だと決めつけられて、 秘密裏に 処罰されてしまう可能性もありますからね。
勇者パーティーなら簡単に女神の裁きで罰せられるのに、【神の眼】で 犯人の気配を感じることができないとなると 面倒くさいですね。
これも【女神の加護】に頼りきりだった弊害でしょうか。
私はただの人間としては、 全くと言っていいほどの役立たずだったんですね・・・・・・。
少し落ち込んでしまいますよ。
「なあ、 ルナマリア。【 ホーリーディメンション】は 使えないか?」
ガルヴァスは、 なぜか私に質問してきました。 私は首を横に振ります。
「 罪を犯した勇者パーティーのところにしか転移できませんよ」
「 だから、確かめられるじゃないか。 もしも転移できなかったら アルフレッドという 勇者パーティーは白で、 転移することができたら黒ということだ」
私としたことがすっかり失念していました。ガルヴァスの指摘通りです。 勇者パーティーが白か黒かどうかは確かめることができるじゃないですか。
善は急げです。
「【 ホーリーディメンション】!」
私は 早速魔法を発動させました。
すると辺りが光に包まれて、私とガルヴァスは、 エルフの男性と 人間の女の子の目の前に 瞬間移動していました。 きっと二人が、 アルフレッドとエリーゼなのでしょう。
二人が女神の裁きの対象者なのは間違いありません。 後は証拠を掴むだけです。
国王陛下は、希望的憶測を述べました。
「深夜に、こっそり抜け出すほどなんですか?」
「その可能性は否定出来ないのだよ。犯人からの要求が未だにないことだしな」
ニア王女の普段の行いから、日があまり経っていない現時点では、然程心配していないのでしょう。
だからと言って、ラディとキャシーの二人が不当な扱いを受けないとは限らないですけどね。やはり聖女が疑っている状況では、一介の獣人は信用されません。
私は冤罪で裁かれるのは避けたいですけど、ラディとキャシーの二人が犯人の仲間という可能性も考慮する必要があります。
ニア王女がいなくなったのは二日前の深夜とのことです。そして、馬車強襲が昨日の夕食時だったから、急げばやれないことはありません。
「ガルヴァスさんは、ラディの歌を聴きましたか?」
「いや、よく覚えてないな」
ガルヴァスに 確認して、さらに推理を深めます。
もしもラディの【旋律】に【記憶操作】の効果があるなら、【ララバイ】で見張りが眠っていた間の記憶を改竄することが容易です。キャシーなら、ニア王女を抱き抱えることが出来るでしょう。残念ながら、容疑は完全に否定出来ないのです。
マチルダの件もありましたからね。勇者もしくは勇者 パーティーの一同が、マッチポンプ誘拐を行ったとも考えられます。ラディとキャシーは スケープゴートというわけですね。
勇者が獣人の誘拐犯から、颯爽とニア王女を救い出すというシナリオです。
現段階では、どのようなトリックで誘拐したのか想像も出来ませんから、保留としておきましょう。
外部犯ならば、国王陛下の言うように一切の脅迫がないのが気になるところですね。
何にしても、護衛の眼を掻い潜っての人さらいの方法を解き明かさないことには、犯人の目星が付けられません。
護衛と言えば・・・・・・。
「ニア王女様に影は付いていなかったんですか?」
「お忍びで出掛けることが多いから、影は常に張り付かせていたよ」
国王陛下は、 私の質問に答えてくれました。
影とは 存在がばれないように、 隠密行動で護衛する者のことですね。
私はさらに追求します。
「影はニア王女の 居場所を知らないのですか?」
「『 姫様はご無事ですよ』とだけ言って、 後は口を紡いだままだ」
国王陛下は、影の 言葉を聞いて 狂言誘拐だと判断したのでしょう。
しかし、影が 犯人に操られているという可能性も否定できません。 もしくは影が真犯人ということも考えられます。
でも、 影の気配は感じるんですよね。影の 立場なら、 わざと手を抜くとは考えられません。 全力で隠れていれば良いのです。
私の【神の眼】で 見抜くことができるレベルだから、ニア王女を さらった実行犯ではないと思います。 共犯の可能性は否定できませんけどね。
最後にニア王女の姿を目撃した、 専属のメイドも怪しいですね。
彼女は 目の下にクマができていて、 傷心しきった表情でうつむいています。 疑っているのが心苦しくなりますよ。 もしもこの姿が演技だとしたら、 相当な役者に違いありませんね。
私が【神の眼】で 調査してみると 、影と 専属メイドは 洗脳されている様子はありませんでした。
まずは情報を集める必要があります。
私は国王陛下に聞けるだけ聞くことにしました。
「王宮の 関係者の中に 犯人らしき人物が いると思いますか?」
「 狂言誘拐の協力者というのならば、 専属メイドと影が怪しいだろうね」
「 二人を尋問なさらないのですか?」
「ニアの わがままに付き合わされているとしたら、咎める必要はないだろう。 きっと、満足したら時期に帰ってくるはずだよ」
残念ながら狂言誘拐だとしても、悠長に帰ってくるのを待っている暇はないんですよ。ラディとキャシーが 犯人もしくは共犯者だと決めつけられて、 秘密裏に 処罰されてしまう可能性もありますからね。
勇者パーティーなら簡単に女神の裁きで罰せられるのに、【神の眼】で 犯人の気配を感じることができないとなると 面倒くさいですね。
これも【女神の加護】に頼りきりだった弊害でしょうか。
私はただの人間としては、 全くと言っていいほどの役立たずだったんですね・・・・・・。
少し落ち込んでしまいますよ。
「なあ、 ルナマリア。【 ホーリーディメンション】は 使えないか?」
ガルヴァスは、 なぜか私に質問してきました。 私は首を横に振ります。
「 罪を犯した勇者パーティーのところにしか転移できませんよ」
「 だから、確かめられるじゃないか。 もしも転移できなかったら アルフレッドという 勇者パーティーは白で、 転移することができたら黒ということだ」
私としたことがすっかり失念していました。ガルヴァスの指摘通りです。 勇者パーティーが白か黒かどうかは確かめることができるじゃないですか。
善は急げです。
「【 ホーリーディメンション】!」
私は 早速魔法を発動させました。
すると辺りが光に包まれて、私とガルヴァスは、 エルフの男性と 人間の女の子の目の前に 瞬間移動していました。 きっと二人が、 アルフレッドとエリーゼなのでしょう。
二人が女神の裁きの対象者なのは間違いありません。 後は証拠を掴むだけです。
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