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第4章 勇者候補に 女神の裁きを与えることにしました
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私たちは、早速メリッサの家を訪ねることにしました。私が代表でドアをノックします。
「どちら様ですか・・・・・・?」
一人の女性が30 センチほどドアを開けて、 恐る恐るといった様子で半分だけ顔を 覗かせました。 彼女はあまりよく眠れていないのか、 目の下にクマができています。きっと、 犯人に怯え続けている生活を送っているのでしょう。
「 初めまして。私は聖女のルナマリアと申します」
「 本当に聖女様なのですか!?」
私が自己紹介をすると、 その女性ーーメリッサは ドアを全開まで開けて、 目と鼻の先まで勢いよく近づいてきました。
「ええ、本当ですよ」
「証拠は・・・・・・ありますか?」
私の冒険者カードには聖女と記載されているのですが、メリッサが言っている 証拠とはそういうことではないでしょう。 彼女が知りたいのは私の実力だと思います。
「 とりあえず【 リフレッシュ】で、あなたの 疲れを癒してあげましょう」
私の呪文により、メリッサは 元気を取り戻して、 目の下のクマもすっかりと消え去りました。
「 ありがとうございます、聖女様」
メリッサは 涙を浮かべて、私に深々と頭を下げてお礼を言いました。
私はそんなに大層な人間ではないのですけどね。
「聖女様はやめてください。 ルナマリアと名前で呼んでください」
「 ルナマリアさん」
「はい」
「私は・・・・・・」
メリッサは意を決して、私に何かを打ち明けようとしています。けれど、男性の目線があるのが不安なのか、ガルヴァスの方を気にしたように見ています。
「俺は 周辺を 見回ってくる」
ガルヴァスは察して、 その場から離れてくれました。
「 僕たちも行こう」
「ん? ・・・・・・仕方がない。 お姉さんたちに任せるよ」
クロードとロニも、気を利かせてガルヴァスに付いていきます。
「 立ち話もなんですから、どうぞお入りください」
メリッサは そう言って、私と ミルフィーユを家に上げてくれました。 彼女の部屋にはぬいぐるみが置いてあります。 意外と少女趣味なのですね。 メリッサは 大人っぽい印象なのですが、 可愛らしい一面も持ち合わせているようです。
「あの・・・・・・」
メリッサは 勇気を振り絞って、 口を開きました。
「 ルナマリアさん達は、切り裂き魔の 事件を追っているのですよね?」
「はい、そうですよ」
「ええ、そうよ」
私と ミルフィーユがそう答えると、メリッサは 顔中を涙色に染めました。
「 事件の調査で私の話を聞きに来たということは、つまり 私が毎日、その・・・・・・」
メリッサは言いにくそうに口篭っています。 私は力強く頷いてみせました。
「私はメリッサさんのことを切り裂き魔から 守るためにここまで来ました」
「 ありがとうございます」
メリッサは衛兵に 冷たくあしらわれていたので、私が 彼女の証言を信じて手を差し伸べたのが よほど嬉しかったのでしょう。 何度も何度も頭を下げていました。
「 頭を上げてください。 それで、その・・・・・・ 言える範囲でいいので、 犯人に襲われた時の状況を教えてください」
「はい。 私が最初に襲われたのは、 用事で 出かけて 帰りが夜遅くになった時 でした」
メリッサは 領主の息子ーー ジャック に呼び出されていました。妻になってほしいと以前から迫られていたようです。 メリッサは ジャックのプロポーズを断るために、 彼の家を訪れていました。
メリッサは すぐに帰るつもりでしたが、 ジャックは 彼女を食事に誘いました。 一見優しそうな口調でしたけど、 領主の息子としての立場を利用して脅すような 発言もしていたので、 メリッサは断ることができませんでした。
帰りがすっかり遅くなり、 真っ暗な中 帰り道を歩いているところを、切り裂き魔から 襲われたとのことでした。
最初の時には 意識がある状態で 押し倒されて、 行為が終わった後に眠らされて衰弱したようでした。
逆にその後は魔法で眠らされて、 愛玩人形のように乱暴されているようです。 メリッサは目の下にクマができていましたけど、 起き上がれないほど衰弱したのは最初の一回だけのようでした。
「 実は私、犯人の顔を見たんです」
メリッサの証言を聞いて、 私は大体察しがつきました。 彼女がはっきりと犯人の顔を見たのに、衛兵に 報告できなかったのはつまり、 犯人が権力でもみ消すことができる立場にあるということですよね。そして、 彼女のことを狙っている 権力者は・・・・・・。
「 私はジャックさんに襲われたんです」
「 領主の息子ごとき、私の敵ではありません。 絶対に捕まえてみせますよ!」
私にはリゼを 筆頭に、 他国の王族の知り合いが それなりにいるのです。 いざとなったら、 戦争にならない程度に アイン ラッシュの王族に 圧力をかけてもらうことにしますよ。
「 ジャックさんは神殿に 入っていませんが、 勇者候補でとても強いらしいのです。でも 聖女様・・・・・・ ルナマリアさんなら、 ジャックさんを止めることができますよね」
メリッサは、私に期待の眼差しを向けてきました。 彼女に信頼されているのです。 期待に応えないわけにはいきませんよね。
しかし、 勇者候補は・・・・・・いえ、 私だけで対処するわけではありません。ガルヴァスとユメリアという 仲間がいてくれます。 クロードとロニも、 きっと協力してくれることでしょう。
さあ、 全力で犯人を捕まえてみせますよ!
脳筋ではありません。 本当ですよ?
作戦のプランはいくつか練ることにしましょう。
「どちら様ですか・・・・・・?」
一人の女性が30 センチほどドアを開けて、 恐る恐るといった様子で半分だけ顔を 覗かせました。 彼女はあまりよく眠れていないのか、 目の下にクマができています。きっと、 犯人に怯え続けている生活を送っているのでしょう。
「 初めまして。私は聖女のルナマリアと申します」
「 本当に聖女様なのですか!?」
私が自己紹介をすると、 その女性ーーメリッサは ドアを全開まで開けて、 目と鼻の先まで勢いよく近づいてきました。
「ええ、本当ですよ」
「証拠は・・・・・・ありますか?」
私の冒険者カードには聖女と記載されているのですが、メリッサが言っている 証拠とはそういうことではないでしょう。 彼女が知りたいのは私の実力だと思います。
「 とりあえず【 リフレッシュ】で、あなたの 疲れを癒してあげましょう」
私の呪文により、メリッサは 元気を取り戻して、 目の下のクマもすっかりと消え去りました。
「 ありがとうございます、聖女様」
メリッサは 涙を浮かべて、私に深々と頭を下げてお礼を言いました。
私はそんなに大層な人間ではないのですけどね。
「聖女様はやめてください。 ルナマリアと名前で呼んでください」
「 ルナマリアさん」
「はい」
「私は・・・・・・」
メリッサは意を決して、私に何かを打ち明けようとしています。けれど、男性の目線があるのが不安なのか、ガルヴァスの方を気にしたように見ています。
「俺は 周辺を 見回ってくる」
ガルヴァスは察して、 その場から離れてくれました。
「 僕たちも行こう」
「ん? ・・・・・・仕方がない。 お姉さんたちに任せるよ」
クロードとロニも、気を利かせてガルヴァスに付いていきます。
「 立ち話もなんですから、どうぞお入りください」
メリッサは そう言って、私と ミルフィーユを家に上げてくれました。 彼女の部屋にはぬいぐるみが置いてあります。 意外と少女趣味なのですね。 メリッサは 大人っぽい印象なのですが、 可愛らしい一面も持ち合わせているようです。
「あの・・・・・・」
メリッサは 勇気を振り絞って、 口を開きました。
「 ルナマリアさん達は、切り裂き魔の 事件を追っているのですよね?」
「はい、そうですよ」
「ええ、そうよ」
私と ミルフィーユがそう答えると、メリッサは 顔中を涙色に染めました。
「 事件の調査で私の話を聞きに来たということは、つまり 私が毎日、その・・・・・・」
メリッサは言いにくそうに口篭っています。 私は力強く頷いてみせました。
「私はメリッサさんのことを切り裂き魔から 守るためにここまで来ました」
「 ありがとうございます」
メリッサは衛兵に 冷たくあしらわれていたので、私が 彼女の証言を信じて手を差し伸べたのが よほど嬉しかったのでしょう。 何度も何度も頭を下げていました。
「 頭を上げてください。 それで、その・・・・・・ 言える範囲でいいので、 犯人に襲われた時の状況を教えてください」
「はい。 私が最初に襲われたのは、 用事で 出かけて 帰りが夜遅くになった時 でした」
メリッサは 領主の息子ーー ジャック に呼び出されていました。妻になってほしいと以前から迫られていたようです。 メリッサは ジャックのプロポーズを断るために、 彼の家を訪れていました。
メリッサは すぐに帰るつもりでしたが、 ジャックは 彼女を食事に誘いました。 一見優しそうな口調でしたけど、 領主の息子としての立場を利用して脅すような 発言もしていたので、 メリッサは断ることができませんでした。
帰りがすっかり遅くなり、 真っ暗な中 帰り道を歩いているところを、切り裂き魔から 襲われたとのことでした。
最初の時には 意識がある状態で 押し倒されて、 行為が終わった後に眠らされて衰弱したようでした。
逆にその後は魔法で眠らされて、 愛玩人形のように乱暴されているようです。 メリッサは目の下にクマができていましたけど、 起き上がれないほど衰弱したのは最初の一回だけのようでした。
「 実は私、犯人の顔を見たんです」
メリッサの証言を聞いて、 私は大体察しがつきました。 彼女がはっきりと犯人の顔を見たのに、衛兵に 報告できなかったのはつまり、 犯人が権力でもみ消すことができる立場にあるということですよね。そして、 彼女のことを狙っている 権力者は・・・・・・。
「 私はジャックさんに襲われたんです」
「 領主の息子ごとき、私の敵ではありません。 絶対に捕まえてみせますよ!」
私にはリゼを 筆頭に、 他国の王族の知り合いが それなりにいるのです。 いざとなったら、 戦争にならない程度に アイン ラッシュの王族に 圧力をかけてもらうことにしますよ。
「 ジャックさんは神殿に 入っていませんが、 勇者候補でとても強いらしいのです。でも 聖女様・・・・・・ ルナマリアさんなら、 ジャックさんを止めることができますよね」
メリッサは、私に期待の眼差しを向けてきました。 彼女に信頼されているのです。 期待に応えないわけにはいきませんよね。
しかし、 勇者候補は・・・・・・いえ、 私だけで対処するわけではありません。ガルヴァスとユメリアという 仲間がいてくれます。 クロードとロニも、 きっと協力してくれることでしょう。
さあ、 全力で犯人を捕まえてみせますよ!
脳筋ではありません。 本当ですよ?
作戦のプランはいくつか練ることにしましょう。
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