思い上がりの勇者パーティーに女神の裁きを

はなまる

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第5章 聖王都で明かされる真実

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 予言は曖昧だから、具体的な危険が何なのか判別することができません。
 取り敢えずシェリーとは合流することができましたから、彼女に関しては間に合ったと思います。しかし、いつまで守ればいいのか期限が分からないのは困ります。カンストの脅威もありますからね。やはり、安全を確保するためにはいろいろと調査する必要がありそうですね。
 シェリーの危険は エリーゼにも関係するのですよね。二人の共通点から探っていければいいのですが・・・・・・残念ながら、【女神の加護】があることくらいしか思い付きません。
 今のところは謎が多すぎて、シェリーと一緒に行動するしかありません。 エリーゼに関しては、危険が及べば ジャネットに連絡してくることでしょう。

 ジャネットの望み通りに遊んで過ごすしかなさそうですね。

「似てる・・・・・・」

 ジャネットが何故か クロード をじっと見つめています。すると、シェリーがムッとした表情になりました。

「 クロード君、この子誰?」
「いや、ルナマリアさんの知り合いらしいけど、僕は初めて会ったよ」
「ふーん」
「シェリーちゃん、どうしたの?」
「べっつにー」
「なんで、怒ってるの? 僕が悪いなら謝るから、理由を教えてよ」

 シェリーと クロードの二人が気まずい雰囲気です。これは私が助け船を出すべきでしょうか。

「シェリー、落ち着いてください。・・・・・・ ジャネット、 クロード君は誰に似ているのですか?」
「ん。魔法使いが勇者になった感じ?」
「疑問系で言われても困りますよ」

 ジャネットは 私の質問に答えてくれましたけど、今一要領を得ません。彼女は掴み所がない天然なのでしょう。まともに取り合ってはいけません。

 私は、シェリーに向き合うことにしました。

「シェリー、 ジャネットのことは気にしないでください。 クロード君は何も悪くないので、前のように楽しく過ごしましょう」
「でも、ルナマリアさんも アシュトンさんと別れてるし・・・・・・」
「だから、それは誤解ですってば」

 何故か私の話にまで飛び火してしまいました。シェリーは恋話が好きでしたからね。でも、自分のことになると途端に恥ずかしがって口を閉ざしてしまっていたんですよね。
 シェリーはきっと、 クロードのことが好きなのでしょう。そして、 クロードもシェリーのことが好きだと思います。私は恋愛に疎いから、私の勘は当てにできませんけどね。少なくとも、他の子達よりかは仲がいいはずです。
 私は クロードのことを弟のようにしか思っていないから、シェリーにライバル視されないのですが、同じ歳のはずのユメリアが眼中にないのは残念臭がどこなく 漂っているからでしょうか。

「本物の・・・・・・魂・・・・・・報告した方がいい、かも」

 ジャネットは訳のわからないことを呟いています。これ以上、場を混乱させないでほしいです。

「 クロード君、罰として私に パンケーキを奢りなさい!」
「よくわからないけど・・・・・・わかったよ。シェリーちゃんに奢るよ」
「今までのことも聞かせて。どんな風に過ごしてたの?」
「シェリーちゃんについても教えてよ」
「まずは クロード君から」
「うん。僕は・・・・・・」

 シェリーと クロードは、お互いのことを報告し合いました。

「私は友達・・・・・・仲間ができたよ」
「男?」
「ううん、女の子だよ。 ドワーフの女の子。フィアっていう名前で、魔法使い? だよ」

 どうして、疑問系なのでしょうか。 ドワーフのイメージなら戦士ですから、 魔法使いでは違和感があるのかもしれませんね。しかし、 ドワーフは火と土の精霊の恩恵を受けていますから、魔法の適性は低くはないのですよ。

「フィアちゃんは一緒じゃないんだね」
「急用ができたらしくて、今は別行動してるの」
「聖者の グリードさんはどうしているのですか?」

 私は 気になって、口を挟んで尋ねてみました。

「 グリードさんは神殿で、勇者の儀式の準備をしてくださっています」
「そうですか」

 アインラッシュでも勇者の儀式は可能だったはずですけど、 グリードはシェリーに箔を付けるためにわざわざ聖王都 アレクシスで儀式を行うつもりなのでしょうか。
 ここは神聖な場所なだけに、【神の眼】でも見通すことのできない領域でもあります。何か起こってもすぐに気づくことができません。もちろん、入国は他の国と比べて厳しいのですが、不審者を完璧に見抜くことは不可能です。 ジャネットや エリーゼのような裏の目的がありそうな人物も入国拒否されていませんからね。
 悪意を持ったものがどこにいるのかわかったものではありません。果たして、シェリーを最後まで守り抜くことができるとでしょうか。

 ぐだくだな雰囲気過ぎて、一度シリアスを入れないと緩みそうだつたので、無理矢理に気を引き締めて見ました。この発言がすでに気が抜けそうですけどね。

 次回からは本気で調査しますよ。・・・・・・た、たぶん。



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感想 33

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みんなの感想(33件)

モルガナ
2018.08.05 モルガナ
ネタバレ含む
2018.08.05 はなまる

ロニは勇者候補で、勇者の選定を受けられませんでした。なので、周囲に勇者と認めさせるために力だけを求めたのです。
もちろん、ロニは・・・・・・納得できる展開かはわかりませんけど、ざまぁはあるつもりですよ。第四章はそのための話というか、まあロニのラストだけは 6月の中旬からすでに考えていました。
クロード の 方にも注目してほしいのですけど・・・・・・ ルナマリアの方は撲殺聖女・・・・・・女神の裁き・・・・・・期待しすぎない程度にお楽しみください。

解除
八神 凪
2018.07.28 八神 凪
ネタバレ含む
2018.07.28 はなまる

私もよく間違えるのですが、 シルフィーナではなく シルフィーユです。 アシュトンの言うことを肯定するだけの セリフしか言っていないから、 あまり印象に残らないと思ったんですけどね。
私のお気に入りはリゼとエイミアです。

私は ルナマリアではありませんよ。 本当ですよ?

ルナマリアとの対比として、 第二章ではもう一人の聖女が 登場します。 第三章はその聖女の話が中心ですかね。
第4章ではついに本物の・・・・・・ これ以上は完全にネタバレになってしまいますね(笑) 最初の登場人物紹介の仲間は全て揃いましたね。 シルフィーユの お姉さんのミルフィーユも 登場しています。

ルナマリアが普通の聖女から、 チートを目覚めさせるのが楽しみですね。

ラスボスの候補は二人いたのですが、 第2章で情報を出しすぎたので、 展開が変わりそうですね。

私が一番面白いと 思う展開になるのはまだまだ先です。 ヒントは1000年前の出来事ですね。 第1章だけでも既に伏線は張ってありますよ。

解除
ジオラマ
2018.07.17 ジオラマ

丁寧語で書かれたお話は新鮮でした。
ルナマリアの性格がよく表れていると感じました。

上手な伏線を張るのは難しいですね。読者をうまい具合に誤解させることが鍵だと思っていますが、なかなか難しいです。

2018.07.17 はなまる

感想ありがとうございます。 全くもってその通りですね。
自分の本当に書きたいことを伝えるのは難しいものです。

お互いに頑張っていきましょう。

解除

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