悪役令嬢に転生したら、勇者に師匠扱いされました(;゜∇゜)

第３章、妖精神子 アンジェリカ

魔族との戦いその3( アンジェリカ)

ヴァンパイアノワールは エルヴィンさんの 剣撃を捌きながら、 最上級の攻撃魔法を放ってきます。
私はその攻撃を 妖精魔法で 防御しました。
エリスちゃんの気持ちがわかったかもしれません。
エルヴィンさんは 人間としては弱くはないのですが、 魔族に対しては決定打になりません。
正直言って、私 一人の方が まともに戦えます 。
どうしたらいいのでしょうか。
アレクさんの パワーがあれば、あるいは......。
でも、 今のエリスちゃんにはアレクさんの 存在が必要な気がするんですよね。
妖精神子には 予知能力があります。

｢ 私も同じ意見ですわ｣

妖精神様の神託なら 間違いありません。
ついでに、この状況の打開策を教えてもらえないものでしょうか。

｢ 簡単なことです。そこの殿方を 勇者にしてしまえばいいのですわ｣
｢ エルヴィンさんを？...... どうせなら、恋の相手が良かったのですけど｣

絶対 の決まりではないのですが、妖精神子は勇者と 結ばれるパターンがほとんどなのです。

｢ 仮契約にして、 状況によって勇者を変えればいいのではありませんの｣
｢ それありなんですか？｣
｢ ありですわ。 ビッチ神子｣
｢ やっぱり、そうなるんじゃないですか！｣
｢ そんなことは思っていませんよ。 少ししか｣
にっこり。

神様と言っても、 いたずら好きな妖精です。妖精神が 私の事をからかってきます。

｢ ふざけてないで、ちゃんと力を貸してくださいよ！｣
｢ では真面目な話。 私の力を借りるようでは、 いつまでたっても彼女に追いつけませんわよ｣

彼女とはエリスちゃんのことでしょう。
確かにこのくらいのことを乗り越えられないようでは、 エリスちゃんの隣に立つことはできませんね。

｢ それではごきげんよう。 めんどくさいから帰りますわね｣
｢ 神様がそれでいいんですか｣

儀式が 終われば、妖精神は 本来は現世に不干渉でいなければいけません。
わかってはいるのですが、 なんだか腑に落ちませんよ。