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二〇三〇年 六月
一華の結婚式に招待された時人は、披露宴が終わった後に実来や美作家の親族に挨拶をしてから、ホテルのラウンジで感慨深くなってしまって、静かに泣いていた。
「時人さん、泣いちゃダメだよ。もういい大人なんだから」
それを沙夜があやし、一華と両親は招待客に挨拶をしているようだ。
「相変わらず時人さん、涙腺が弱いんだね。そういう優しい所を、葵ちゃんも好きだったのかな?」
在りし日は幼かった姉妹が結婚するような歳にもなれば、社会人らしく両親をもてなすようになったり、四十前になってまだ独り身の時人を心配するようになったり、一人前の女性らしくなっている。
「一華ちゃん……、本当に綺麗になったね」
「そうだね。私もウエディングドレス憧れるなぁ。それにしても、時人さんこんな豪華なホテル手配してくれてどうもありがとうね。お姉ちゃんもすごく喜んでた」
おめかしをした沙夜が引き出物の入った紙袋を足元に笑うと、時人は指で涙を拭いながら緩く首を振る。
「俺はこういう……、金銭的な面でしか援助できないから」
「そぉ? その金銭的な、っていうのでも物凄い事だと思うけれど」
「たまたまの環境だと思うけれどね」
まだ少し目元が赤くなっている時人がコーヒーを飲み、静かに笑う。
『あの頃』食べる事を受け付けなかった時人の体は、今はスリムな体型ではあるが、あの病的な細さの面影はない。葵の死を受け入れてから少しずつ彼もまた変化をして、人の間に馴染んでいこうとした結果だった。
ファッションに頓着のなかった大学生時代とも違い、年相応にブランドのスーツをちゃんと着こなして、髪のセットや香水、靴やネクタイという小物までにも気を遣っている。
誰もが振り向くような長身の美青年で、それなのに浮いた噂は一切なかった。
「沙夜ちゃんも、結婚の話はちらほら出ているんだっけ?」
時々姉妹と交わされるメッセージアプリでの会話を思い出し、時人がこちらの番という風に話し掛ける。
「……うん、いずれはしたいね、っていう話は」
少しはにかんで沙夜が答え、その問いに今度は沙夜が反撃する。
「時人さんこそ、結婚までとは言わないけど……誰かいい人はいないの?」
「いないよ」
静かに、しっとりとした雪が降るように時人が首を振る。
向かいに座る沙夜の中に、葵の面影を求めるように色素の薄い目が訴え――静かに伏せられた。
「もう、一生恋をする事はないんじゃないかな?」
ラウンジのゴールドの照明が、あの京都での夕暮れを思い出させる。
あれから夕暮れが苦手になった。
ラフマニノフピアノ協奏曲第二番を聴くと、吐いてしまう。
こんな欠陥だらけの俺を、誰が愛してくれるものか。
仮に好いてくれたとしても、忌まわしい化け物だという事を知ったら、きっと離れてゆく。
あまりにも身を守り過ぎて、疑心暗鬼にもなってしまった時人の心は、周囲に対しては立派な紳士としての顔を向けつつ、心の殻は実来がいる白根家の家族だけにしか開かれていない。
一華と沙夜の成長を見守り、この二人が幸せになる所まで見守ったら――、どこかに身を隠そうか。
年齢的にはまだ早いが、そんな事までぼんやりと考えていた。
「勿体ないよ!」
時人の後ろ向きな言葉に沙夜が可愛らしい顔を真剣にさせ、力説する。
「時人さんが思っているよりね、この世界は広いんだよ? 時人さんみたいな社会的地位だと、出会いは限られているかもしれないけれど、運命の赤い糸なんてものはどこに繋がっているのか分からないんだから」
運命の赤い糸という表現に、時人の口元が思わず綻んでしまう。
「あぁ、ほら。いま馬鹿にしたでしょう? そりゃあちょっと少女漫画チックな表現だったかもしれないけれど……、不思議な事とか……あるんだからね?」
「言いたい事は分かるつもりだよ。どうもありがとう」
(でもね、俺は化け物なんだよ)
そう時人が心の中で呟いた時、沙夜のスマホに実来から連絡が入った。
「あれ、ママ向こうの家の人とちょっと飲んでくって。私、明日用事あるしなぁ。仕方ない、一人で帰らなきゃ」
一人で帰るのは少し面倒臭いが、姉の晴れの日ともなれば仕方がない。そんな顔で沙夜が笑い、時人はいつものように助け舟を出す。
「じゃあ、家まで送ろうか? ホテルの駐車場に車を待たせてあるし」
「本当? いいの?」
黒い目をぱちりとさせる沙夜に、時人は「お任せあれ」と少し冗談めかして笑ってみせた。
**
帰り道、東京の街中はいつも渋滞している。
沙夜が送ってもらう時人の車は、見ただけでは沙夜には何の車種か分からなかったが、名前を聞けばロールスロイス・ゴーストという事で、さすがの車種ランクに息を呑んだ。
運転手付きの車にいつも乗りたいと思いながらも、沙夜は遠慮していた節もあったので、この機会を幸運だと思っていた。
車内にBGMはなく、ホテルを出る前に沙夜が買ったジュースを飲む音だけがする。
「時人さん……、いま何歳なの?」
ふと、沙夜が尋ねた。
「今は三十八だよ」
「若いね。まだ学生ぐらいにしか見えないよ?」
「そうかい?」
驚く沙夜に時人は謎めいた笑みを浮かべ、上品な笑いで真実を誤魔化してしまう。
しばらく、沈黙があった。
それを破ったのは、やはり沙夜だ。
「……時人さん、出会った時から歳をとってないみたい」
「そう?」
「別に……、おかしいとか変とか、時人さんを虐めたい訳じゃないんだけれど……。不思議だな、って」
「はは、三十八のおじさんを虐める、か」
そう笑う時人の横顔は、結婚の話が出ている沙夜の目からしても、とても魅力的だ。
「……まるで、葵ちゃんがいなくなったあの夏に、歳をとる事をやめてしまったみたい」
ポツリ、と落とすように呟いた言葉を聞いて、時人の目がそっと悲しみを帯びる。
しばらく、沈黙してから時人が暗闇に秘密を忍ばせた。
「案外……そうかも」
「え?」
「俺は実は吸血鬼で、葵さんの血を吸って殺してしまったと言ったら?」
自分で言って自分で傷付くような冗談を聞いて、沙夜はすぐに笑い出した。
「やだぁ、時人さん意外と冗談が洋風」
「そうかい? 意外と真実かもしれないよ?」
「だって葵ちゃんはその……、事件だったじゃない。葵ちゃんをあんなに好きだった時人さんが殺す訳もないし、それに吸血鬼だなんて」
さすがに沙夜も、咄嗟に笑い飛ばした時人の冗談について考え出す。
「……もしかして、時人さんまだ葵ちゃんの事件は自分の所為だと思ってるの?」
だから冗談に交えて「自分が殺した」と言いたいのか。
「…………」
それに時人は沈黙を返す。
吸血鬼だと冗談に載せてカミングアウトした事について沙夜の解釈は的を外しているし、彼女なりの解釈についてNOとも言い切れない。
「私、ママに聞いたよ? 時人さんは全身全霊で葵ちゃんを愛してくれた人で、恩人で、時人さんは葵ちゃんを忘れて幸せになる権利はあっても、昔の思い出に絡められて苦しむ事はないって」
「……ありがとう」
車が静かに停まり、赤信号のなか、周囲は赤いテールランプに埋め尽くされている。
「……沙夜ちゃんの言う通り、俺は歳をとる事をやめてしまったと言ったら……、信じてくれる? 俺の味方になってくれる?」
時人が不思議な事を言い、それでも沙夜はいつだって優しい時人の味方だ。
「私も、パパもママも、お姉ちゃんも、いつだって時人さんの味方だよ? それは……時人さんの秘密なの?」
普段妙な冗談を言わない時人が葵が絡む事でそんな話をし、ロマンチストな部分もあるが看護師としてリアルを生きている沙夜も、時人の話に姿勢が前傾する。
見た目美形でとんでもない富豪で、社会的地位も頂点の部類にいる時人。
そんな現実離れした彼が、いつまでも若々しい姿でいて、魅力的なのに彼女の一人も作らない。
秘密の一つや二つ、あってもおかしくないと沙夜は思う。
それが時人の言う通りに彼が『吸血鬼』だとしても、きっと自分は受け入れられる。
幼い頃から一緒にいるからこそ、そういう自信があった。
一華の結婚式に招待された時人は、披露宴が終わった後に実来や美作家の親族に挨拶をしてから、ホテルのラウンジで感慨深くなってしまって、静かに泣いていた。
「時人さん、泣いちゃダメだよ。もういい大人なんだから」
それを沙夜があやし、一華と両親は招待客に挨拶をしているようだ。
「相変わらず時人さん、涙腺が弱いんだね。そういう優しい所を、葵ちゃんも好きだったのかな?」
在りし日は幼かった姉妹が結婚するような歳にもなれば、社会人らしく両親をもてなすようになったり、四十前になってまだ独り身の時人を心配するようになったり、一人前の女性らしくなっている。
「一華ちゃん……、本当に綺麗になったね」
「そうだね。私もウエディングドレス憧れるなぁ。それにしても、時人さんこんな豪華なホテル手配してくれてどうもありがとうね。お姉ちゃんもすごく喜んでた」
おめかしをした沙夜が引き出物の入った紙袋を足元に笑うと、時人は指で涙を拭いながら緩く首を振る。
「俺はこういう……、金銭的な面でしか援助できないから」
「そぉ? その金銭的な、っていうのでも物凄い事だと思うけれど」
「たまたまの環境だと思うけれどね」
まだ少し目元が赤くなっている時人がコーヒーを飲み、静かに笑う。
『あの頃』食べる事を受け付けなかった時人の体は、今はスリムな体型ではあるが、あの病的な細さの面影はない。葵の死を受け入れてから少しずつ彼もまた変化をして、人の間に馴染んでいこうとした結果だった。
ファッションに頓着のなかった大学生時代とも違い、年相応にブランドのスーツをちゃんと着こなして、髪のセットや香水、靴やネクタイという小物までにも気を遣っている。
誰もが振り向くような長身の美青年で、それなのに浮いた噂は一切なかった。
「沙夜ちゃんも、結婚の話はちらほら出ているんだっけ?」
時々姉妹と交わされるメッセージアプリでの会話を思い出し、時人がこちらの番という風に話し掛ける。
「……うん、いずれはしたいね、っていう話は」
少しはにかんで沙夜が答え、その問いに今度は沙夜が反撃する。
「時人さんこそ、結婚までとは言わないけど……誰かいい人はいないの?」
「いないよ」
静かに、しっとりとした雪が降るように時人が首を振る。
向かいに座る沙夜の中に、葵の面影を求めるように色素の薄い目が訴え――静かに伏せられた。
「もう、一生恋をする事はないんじゃないかな?」
ラウンジのゴールドの照明が、あの京都での夕暮れを思い出させる。
あれから夕暮れが苦手になった。
ラフマニノフピアノ協奏曲第二番を聴くと、吐いてしまう。
こんな欠陥だらけの俺を、誰が愛してくれるものか。
仮に好いてくれたとしても、忌まわしい化け物だという事を知ったら、きっと離れてゆく。
あまりにも身を守り過ぎて、疑心暗鬼にもなってしまった時人の心は、周囲に対しては立派な紳士としての顔を向けつつ、心の殻は実来がいる白根家の家族だけにしか開かれていない。
一華と沙夜の成長を見守り、この二人が幸せになる所まで見守ったら――、どこかに身を隠そうか。
年齢的にはまだ早いが、そんな事までぼんやりと考えていた。
「勿体ないよ!」
時人の後ろ向きな言葉に沙夜が可愛らしい顔を真剣にさせ、力説する。
「時人さんが思っているよりね、この世界は広いんだよ? 時人さんみたいな社会的地位だと、出会いは限られているかもしれないけれど、運命の赤い糸なんてものはどこに繋がっているのか分からないんだから」
運命の赤い糸という表現に、時人の口元が思わず綻んでしまう。
「あぁ、ほら。いま馬鹿にしたでしょう? そりゃあちょっと少女漫画チックな表現だったかもしれないけれど……、不思議な事とか……あるんだからね?」
「言いたい事は分かるつもりだよ。どうもありがとう」
(でもね、俺は化け物なんだよ)
そう時人が心の中で呟いた時、沙夜のスマホに実来から連絡が入った。
「あれ、ママ向こうの家の人とちょっと飲んでくって。私、明日用事あるしなぁ。仕方ない、一人で帰らなきゃ」
一人で帰るのは少し面倒臭いが、姉の晴れの日ともなれば仕方がない。そんな顔で沙夜が笑い、時人はいつものように助け舟を出す。
「じゃあ、家まで送ろうか? ホテルの駐車場に車を待たせてあるし」
「本当? いいの?」
黒い目をぱちりとさせる沙夜に、時人は「お任せあれ」と少し冗談めかして笑ってみせた。
**
帰り道、東京の街中はいつも渋滞している。
沙夜が送ってもらう時人の車は、見ただけでは沙夜には何の車種か分からなかったが、名前を聞けばロールスロイス・ゴーストという事で、さすがの車種ランクに息を呑んだ。
運転手付きの車にいつも乗りたいと思いながらも、沙夜は遠慮していた節もあったので、この機会を幸運だと思っていた。
車内にBGMはなく、ホテルを出る前に沙夜が買ったジュースを飲む音だけがする。
「時人さん……、いま何歳なの?」
ふと、沙夜が尋ねた。
「今は三十八だよ」
「若いね。まだ学生ぐらいにしか見えないよ?」
「そうかい?」
驚く沙夜に時人は謎めいた笑みを浮かべ、上品な笑いで真実を誤魔化してしまう。
しばらく、沈黙があった。
それを破ったのは、やはり沙夜だ。
「……時人さん、出会った時から歳をとってないみたい」
「そう?」
「別に……、おかしいとか変とか、時人さんを虐めたい訳じゃないんだけれど……。不思議だな、って」
「はは、三十八のおじさんを虐める、か」
そう笑う時人の横顔は、結婚の話が出ている沙夜の目からしても、とても魅力的だ。
「……まるで、葵ちゃんがいなくなったあの夏に、歳をとる事をやめてしまったみたい」
ポツリ、と落とすように呟いた言葉を聞いて、時人の目がそっと悲しみを帯びる。
しばらく、沈黙してから時人が暗闇に秘密を忍ばせた。
「案外……そうかも」
「え?」
「俺は実は吸血鬼で、葵さんの血を吸って殺してしまったと言ったら?」
自分で言って自分で傷付くような冗談を聞いて、沙夜はすぐに笑い出した。
「やだぁ、時人さん意外と冗談が洋風」
「そうかい? 意外と真実かもしれないよ?」
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「……もしかして、時人さんまだ葵ちゃんの事件は自分の所為だと思ってるの?」
だから冗談に交えて「自分が殺した」と言いたいのか。
「…………」
それに時人は沈黙を返す。
吸血鬼だと冗談に載せてカミングアウトした事について沙夜の解釈は的を外しているし、彼女なりの解釈についてNOとも言い切れない。
「私、ママに聞いたよ? 時人さんは全身全霊で葵ちゃんを愛してくれた人で、恩人で、時人さんは葵ちゃんを忘れて幸せになる権利はあっても、昔の思い出に絡められて苦しむ事はないって」
「……ありがとう」
車が静かに停まり、赤信号のなか、周囲は赤いテールランプに埋め尽くされている。
「……沙夜ちゃんの言う通り、俺は歳をとる事をやめてしまったと言ったら……、信じてくれる? 俺の味方になってくれる?」
時人が不思議な事を言い、それでも沙夜はいつだって優しい時人の味方だ。
「私も、パパもママも、お姉ちゃんも、いつだって時人さんの味方だよ? それは……時人さんの秘密なの?」
普段妙な冗談を言わない時人が葵が絡む事でそんな話をし、ロマンチストな部分もあるが看護師としてリアルを生きている沙夜も、時人の話に姿勢が前傾する。
見た目美形でとんでもない富豪で、社会的地位も頂点の部類にいる時人。
そんな現実離れした彼が、いつまでも若々しい姿でいて、魅力的なのに彼女の一人も作らない。
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