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初夜練習3
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「え……っ」
薄いネグリジェ越しに、彼女のまるい胸がクライヴの胸板の間で潰れる。
スゥッと耳元でクライヴが息を吸い込むのが分かり、モニカは「やっ」と声を上げていた。
先ほどケイシーが体を拭いてくれたが、匂いを嗅がれるというのは恥ずかしい。
すっぽりとクライヴの腕に収まった状態で体を小さくさせていると、小さな耳にねっとりと舌が這った。
「やぁぁっ」
ゾクンッと知らない感覚が走り、モニカは上げたことのない声を出していた。
色欲の混じった――、男に媚びる声。
そんな声を上げてしまった自分が恥ずかしく、モニカの体はあっという間に熱くなってゆく。
「モニカ……。君の匂いがする。ずっと知っている匂いだ。体の柔らかさも同じ……」
「やぁ……っ、耳元で……っ、しゃべらないでくださ……っ」
耳の穴に熱い吐息が入り込み、鼓膜が淫靡に震える。
クライヴの声は低く艶っぽいため、そのまま耳で子供ができてしまうのではと思った。
ピチャ……と水音がして耳のまるい輪郭が舐められ、しゃぶられる。
ちゅっと耳たぶを吸われ、「モニカ」と名前を呼ばれた途端、彼女は泣きそうな声を出していた。
「やぁぁんっ、耳が受胎してしまいます……っ」
「子供がどうやってできるかの詳細を知らないのに?」
モニカの言うことが面白いのと、彼女の初々しい反応が嬉しく、クライヴは妖艶な笑みを浮かべている。
彼女をクッションの上に押し倒してしまうと、クライヴはそのまま彼女を跨いでのしかかった。
「だ……っ、ダメです! 式を挙げる前なのに……」
驚いてそう言うも、赤くなったモニカの顔は興奮を隠しきれていなかった。
「君の純潔を損なうことはしない」
そう囁くと、彼は優しくモニカにキスをした。
「ん……ぁ」
フワッと柔らかい唇が重なって、モニカは思わず吐息を漏らした。
それから何度も、ちゅっちゅっとクライヴの唇は音をたてて彼女の唇をついばんでくる。
上唇をほんの少し口に含まれ、音をたてて離される。かと思えば、今度は下唇に軽く歯をたてられ、強めに吸われた。
「ん、ん、……んぅ」
クライヴは薄くて潔癖そうな唇をしていたので、触れ合った彼の唇がこんなにも柔らかいのに、モニカは驚いていた。
そんな意識の浮つきを読んだように、今度は熱い舌がスルリとモニカの唇の間を舐めてくる。
「ふぁ……っ」
また違った感触に、モニカは鼻にかかった声を出す。同時になぜか腰がジンと痺れた。
その後もう一度舌がゆっくりと入り込み、モニカの唇の内側を探ってくる。
「んぁ……、ぁ……」
腰がモジモジする。
体の奥から訳の分からない、熱いモノがこみ上げる感じがする。
落ち着かなくて腰を揺り動かしていると、クライヴの大きな手が胸にかかった。
「あっ」
成熟しようとしている張りのある胸に、クライヴの指がゆっくり埋まる。指を開いて大きくした手が、モニカの胸全体を優しく揺り動かした。
「ん……、んん、ぅ……」
今までモニカの胸に触れたのは、モニカと着替えを手伝うケイシーだけだ。
男の人の手がこんなに大きいのに、モニカは驚いた。剣を握っているからか、その要所に硬くなった部分さえある。それはモニカにもケイシーにもないものだ。
口の中を舌でかき回され、頭の芯がジンと痺れる。
どうしてか太腿の奥が熱くなり、月のものが訪れたように濡れている気がした。
「モニカ……、ずっと触りたかった」
ほんの少し口を離し、クライヴが囁く。
彼の手が円を描くように動くと、掌にコリッとしこり立ったものがこすれる。
「んぁぁっ、あっ……、あぁっ」
胸の先までが痺れているような気がする。
「変……なのぉ……」
綺麗な目は涙をまとい、縋るようにクライヴを見上げる。
「どう、変なんだ?」
優しく問われ、モニカは小さくかぶりを振る。
「分からない……っ、ただ、全部……知らないっ」
知らないことは怖い。
本能がそう訴えているのに、モニカはクライヴに向かって胸を突き出していた。
「知りたいか?」
「……はいっ」
そう問われて一瞬、迷った。
けれど相手は夫になる人だし、彼になら教えて欲しい。そのように思い、モニカは顔を赤くしたまま頷く。
「…………」
僅かな間だが、クライヴはモニカの上に四つ這いになったまま動きを止めていた。
静止している彼の心で、激しい葛藤が攻防を繰り返していたのだ。
ほんの出来心でキスだけしようと思ったのに、一度ついてしまった火はクライヴの中で赤々と燃え上がっていた。
彼女が襲われてケガをしたのを見た時、死ぬほど心配し、同時に彼女が目覚めてこれ以上ないほど安堵した。
本当はずっと、こうやって触れて抱きしめて、彼女が生きているということを確認したかった。
やがて、熱に浮かされたようなかすれた声がする。
「モニカ。これからすることは、まだ子作りの行為ではない。それを理解してくれるか?」
「……? はい、それが本当なら」
「嘘はつかない。約束する」
真摯な目で見つめるクライヴに、モニカはコクリと頷いた。
「君の寝間着を脱がしたりしないし、君の肌がどうなっているのか見ることもしない」
「……はい」
「君は今、お腹が熱くなっていないか?」
「どうして……それを?」
自分の体の秘密を言い当てられ、モニカは驚いてクライヴを見る。
その青い瞳の中に、すべてを見透かす特別なものでもあるかと思ったようだ。
薄いネグリジェ越しに、彼女のまるい胸がクライヴの胸板の間で潰れる。
スゥッと耳元でクライヴが息を吸い込むのが分かり、モニカは「やっ」と声を上げていた。
先ほどケイシーが体を拭いてくれたが、匂いを嗅がれるというのは恥ずかしい。
すっぽりとクライヴの腕に収まった状態で体を小さくさせていると、小さな耳にねっとりと舌が這った。
「やぁぁっ」
ゾクンッと知らない感覚が走り、モニカは上げたことのない声を出していた。
色欲の混じった――、男に媚びる声。
そんな声を上げてしまった自分が恥ずかしく、モニカの体はあっという間に熱くなってゆく。
「モニカ……。君の匂いがする。ずっと知っている匂いだ。体の柔らかさも同じ……」
「やぁ……っ、耳元で……っ、しゃべらないでくださ……っ」
耳の穴に熱い吐息が入り込み、鼓膜が淫靡に震える。
クライヴの声は低く艶っぽいため、そのまま耳で子供ができてしまうのではと思った。
ピチャ……と水音がして耳のまるい輪郭が舐められ、しゃぶられる。
ちゅっと耳たぶを吸われ、「モニカ」と名前を呼ばれた途端、彼女は泣きそうな声を出していた。
「やぁぁんっ、耳が受胎してしまいます……っ」
「子供がどうやってできるかの詳細を知らないのに?」
モニカの言うことが面白いのと、彼女の初々しい反応が嬉しく、クライヴは妖艶な笑みを浮かべている。
彼女をクッションの上に押し倒してしまうと、クライヴはそのまま彼女を跨いでのしかかった。
「だ……っ、ダメです! 式を挙げる前なのに……」
驚いてそう言うも、赤くなったモニカの顔は興奮を隠しきれていなかった。
「君の純潔を損なうことはしない」
そう囁くと、彼は優しくモニカにキスをした。
「ん……ぁ」
フワッと柔らかい唇が重なって、モニカは思わず吐息を漏らした。
それから何度も、ちゅっちゅっとクライヴの唇は音をたてて彼女の唇をついばんでくる。
上唇をほんの少し口に含まれ、音をたてて離される。かと思えば、今度は下唇に軽く歯をたてられ、強めに吸われた。
「ん、ん、……んぅ」
クライヴは薄くて潔癖そうな唇をしていたので、触れ合った彼の唇がこんなにも柔らかいのに、モニカは驚いていた。
そんな意識の浮つきを読んだように、今度は熱い舌がスルリとモニカの唇の間を舐めてくる。
「ふぁ……っ」
また違った感触に、モニカは鼻にかかった声を出す。同時になぜか腰がジンと痺れた。
その後もう一度舌がゆっくりと入り込み、モニカの唇の内側を探ってくる。
「んぁ……、ぁ……」
腰がモジモジする。
体の奥から訳の分からない、熱いモノがこみ上げる感じがする。
落ち着かなくて腰を揺り動かしていると、クライヴの大きな手が胸にかかった。
「あっ」
成熟しようとしている張りのある胸に、クライヴの指がゆっくり埋まる。指を開いて大きくした手が、モニカの胸全体を優しく揺り動かした。
「ん……、んん、ぅ……」
今までモニカの胸に触れたのは、モニカと着替えを手伝うケイシーだけだ。
男の人の手がこんなに大きいのに、モニカは驚いた。剣を握っているからか、その要所に硬くなった部分さえある。それはモニカにもケイシーにもないものだ。
口の中を舌でかき回され、頭の芯がジンと痺れる。
どうしてか太腿の奥が熱くなり、月のものが訪れたように濡れている気がした。
「モニカ……、ずっと触りたかった」
ほんの少し口を離し、クライヴが囁く。
彼の手が円を描くように動くと、掌にコリッとしこり立ったものがこすれる。
「んぁぁっ、あっ……、あぁっ」
胸の先までが痺れているような気がする。
「変……なのぉ……」
綺麗な目は涙をまとい、縋るようにクライヴを見上げる。
「どう、変なんだ?」
優しく問われ、モニカは小さくかぶりを振る。
「分からない……っ、ただ、全部……知らないっ」
知らないことは怖い。
本能がそう訴えているのに、モニカはクライヴに向かって胸を突き出していた。
「知りたいか?」
「……はいっ」
そう問われて一瞬、迷った。
けれど相手は夫になる人だし、彼になら教えて欲しい。そのように思い、モニカは顔を赤くしたまま頷く。
「…………」
僅かな間だが、クライヴはモニカの上に四つ這いになったまま動きを止めていた。
静止している彼の心で、激しい葛藤が攻防を繰り返していたのだ。
ほんの出来心でキスだけしようと思ったのに、一度ついてしまった火はクライヴの中で赤々と燃え上がっていた。
彼女が襲われてケガをしたのを見た時、死ぬほど心配し、同時に彼女が目覚めてこれ以上ないほど安堵した。
本当はずっと、こうやって触れて抱きしめて、彼女が生きているということを確認したかった。
やがて、熱に浮かされたようなかすれた声がする。
「モニカ。これからすることは、まだ子作りの行為ではない。それを理解してくれるか?」
「……? はい、それが本当なら」
「嘘はつかない。約束する」
真摯な目で見つめるクライヴに、モニカはコクリと頷いた。
「君の寝間着を脱がしたりしないし、君の肌がどうなっているのか見ることもしない」
「……はい」
「君は今、お腹が熱くなっていないか?」
「どうして……それを?」
自分の体の秘密を言い当てられ、モニカは驚いてクライヴを見る。
その青い瞳の中に、すべてを見透かす特別なものでもあるかと思ったようだ。
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