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毒と毒草同好会3

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セドリックよりも、ルーシー様とリリー様の方が危ないかもしれない。候補が気にくわないなら残り2人も危ないよね。
…私だけが恨まれるような事をした憶えがないし。
まさかスタンじゃないよね…。
1番ありえるわ。

「セドリック様。近々パーティーのような催しがありますか?」
「公式ではない、こじんまりとした集まりはある。」
「出席なさるのですか?」
「そうなってる。」
「いつですか?」
「今週、日曜日の昼だ。」
「にち…よう…ですか…」
「それが何だ?」
「ルーシー様とリリー様も?」
「ルーシーは行くはずだ。目立つのが好きな女だ。」

さすが幼馴染み…よく理解してるのね。

「私も同行してもよろしいですか?」
「……来るのか?」
「無理にとは…」
「いや、連れていく。」
「……」

返事早い…。


毒会は水曜日…。土曜から出発して+5日休暇、そして日曜日の夜帰宅…という予定をしていたのに。大切な9日間が…。
毒会は水曜日よ、月曜に出れば火曜には着ける。大丈夫っ!!

ルーシー様にもセドリックにも何も無いと思うけど、心配だし後悔はしたくない。
『あの時、一緒に行っていたら…』って。
何も無いのが1番いい。けど人は残酷なのよ。殺す事を何とも思わない人もいるわ。

「セドリック様。同行すると言っても、ラッドさんや護衛に混ぜてください。」
「そんな事が出来る訳ないだろ。付いてくるなら俺の隣だ。」
「…お友達としてですよね?」
「どう見るかは回りが決める事だ。」
「…服は?」
「服?」
「ワンピースであれば何でもいいですか?」
「落ち着いたものであれば、とくに問題ない。」
「わかりました。」

傷が見えない形の服でもいいのね。じゃなきゃ危うく行けなくなるところだったわ。私の中で侯爵以上に大切なものはないの。何があったとしてもこれだけは変わらないわ。

「ラッド、俺がリズを連れていく…と、伝えておいてくれ。」
「畏まりました。」
「何故一緒に?俺には近付かないようにしてるんじゃないのか?」

極力避けてたんだもの、いきなり『一緒に』って言われるとそうなるよね。

「もし婚約者候補が狙われているなら、毒を盛るのに1番の場だと思ったんです。本当に私を偶然に見せかけて殺そうとしてた人なら、きっと次もわからないように動くと思います。王太子様もお気をつけ下さい。」


「……」
それなら、1番来ない方がいいのはリズなのでは?と思ったが、俺は言わなかった。




毒会に行くのはギリギリだから、今日からしっかり予習しないと!!
護衛って毒会にもついてくるのかしら。…5日間ずる休みするのがバレるよね。振りきるしかない!
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