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始まり2

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「こんな朝早くから何処へ行くつもりですか?」
「…学校よ。」
「何をしに?」

護衛をするなとは言わないけれど…、何をするにもいちいち内容を聞かれるのは面倒だわ。

「どうせ付いてくるのだから、着いたらわかるでしょう。連れていって。」
「何をするか仰っていただけるなら。」
「……」

ここで温室に行きたいとか、フリナがあるか探したい…とか言えば、完全に連れていってくれないわね。かと言って何かそれなりに目的を…。無いわ、休暇中の学校に…。

「エリザベス様、お客様がおみえです。」
「お客?」
「チャーリー・ジョンソン様という男性です。」
「チャーリーが?」

どうしたのかしら?
チャーリーは貴族ではあるけれど、お父様が一緒でないならここに訪ねて来るような事はないと思うけど…。

「チャーリー?」
「リズ…!」

チャーリーが神妙な面持ちで私を待っていた。

「チャーリー、何かあったの?」
「…少し2人きりになれないか?」
「構わないけど、何かあったの?」
「……」

ここで言えないくらい大変な事なんだわ…。

「とりあえず部屋へ。話はそこでしましょう。」
「エリザベス様、それはいけません。」

チャーリーを部屋によぶ私を護衛がとめた。

「…私はこの邸にいると、友人とさえ話ができないのかしら。この際ハッキリ言っておくわ。私は婚約者候補で護衛対象であっても、自由を奪う権利は貴方達には無いのよ。ここで話ができないのであれば、ホテルに部屋をとってでも2人きりにさせてもらうわ。」
「リズ、2人きりだなんて許せるはず無いだろ…。」

私と護衛の話が聞こえたのか、セドリックも玄関にやって来た。こうなる前に部屋に行きたかったのに…。

「ルーシー様とリリー様にはお付き合いしている人がいるのよ。それを引き裂いてからだったなら受け入れるけれど、私1人だけくだらない理由で友達との付き合いを制限されるのは納得いきません。セドリック様がここでは駄目だと言うのなら、別の場所に移ります。」
「はぁ…、わかった…。この邸で話せばいい。」

おそらく部屋の前に沢山護衛をはって、会話を聞こうとするわね。
まぁいいわ。それなら筆談すればいい事だもの。

「お茶は必要ないわ。いきましょ、チャーリー。」
「ああ。」


パタン

「リズ…」

扉を閉めたとたんチャーリーが話し始めようするのを止めた。

「しー、話はこれで。」

私は紙とペンをチャーリーに手渡した。その意味を納得してくれたようで、チャーリーは毒会の話をしつつペンを走らせる。

「今度の毒会で何か質問したい事はあるか?代理で聞いてやる。」
「そう、ならスホーンの効の……」

チャーリーの書いた事を読んで、私は話を続ける事が出来なくなった。
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