【完結】女好きプロゲーマーが恋愛ごっこを卒業するまで

ソラ太郎

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Lv.20 渦中のヒロインの悪口大会

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 大勢の人々が押しかけ箱詰め状態となった会場の熱気は凄まじい。

 今一番ノリに乗っていると言っても過言ではない【FPSライジング・ガン】の大会がついに幕を上げた。

 大会、本番だ。


『今回は過去最高の参加者人数を誇りました。本日の予選の様子は公式ホームページにてリアルタイムで公開されております。
 明日の本戦に勝ち残るのはどのチームか!
 これまでも何度も開催されてきたライガンの大会ですが、いつも以上に熱くなりそうな予感です!』


 和気藹々としたその場は、熟練の司会者のマイクパフォーマンスによってさらに盛り上げられて行く。

 ペアやチームが混在して会場の中がごった返しているが、シロサイを隣に連れて歩いて居るとどこに行っても軽い視線を感じる。

「大丈夫かな」
「心配するな」
「……高山くんに迷惑かけないかな」
「視線集めちゃうのは慣れてるから」
「頑張るね」

 頑張るという言葉で、シロサイが気にしているのが周りの目ではなく今日のプレイ内容であることに気づいた。

 気にしてるのは俺だけか。
 ここにいる人間が俺たちに視線を向ける理由はほとんどが〝熱烈公開告白をしたシロサイ〟と〝整形疑惑のシロサイ〟に対する興味だと思われる。

 本人が気にしないなら俺が気にする必要はないのだが、この間の一件はなかったことにならない。松葉杖をついて歩くシロサイを見ると申し訳なさが残る。

「ムジンくん、今日は同じチームになれなくて残念だったよ」
「今日はシロサイちゃんとペア戦の方だよね?」
「ブルースさん、レッドビーさん。俺たちはペア戦取ってくるんで、チーム戦は優勝取ってきてくださいね」
「強気だねーいいね」
「お互いがんばろうー」

 こうして肯定的に接してくれる人も居る。
 やれることをやって大会を楽しもう。



 ───1回戦目。
 連射担当と連射担当、つまりは2人ともが勢いに任せた超攻撃型のペアに当たった。
 隠れる岩場を壊され逃げ場を失った挙句、身を隠す前に撃破されるのが常套である。

 しかし俺たちにそれは通用しない。

『煙幕』
『おけ。時限設置も終わった』
『突っ込む』

 早々に煙幕を張って時限爆弾で片側を塞ぎ、その間に回り込んで後ろから襲撃。
 1人は俺が楽々撃破するも、シロサイが操作をミスって返り討ちにされた。

『ごめ……ボタンミス』
『大丈夫、時限あとどんだけ?』
『6秒』

 身を隠した俺は敵の足止めになるよう毒針を仕込んだ針千本という爆弾を投げ込んだ。逃げる先を誘導し、まんまと逃げ込んだ先で、敵はシロサイの時限爆弾によって被爆した。
 勝利である。


『少々操作ミスがあったようですが、素晴らしい作戦が行使されました! 乱撃を防ぎ、逃げ道を絞って罠に引っ掛けるのは心理的な作戦でしょう!』


 今回、出場者のプレイ中の声もマイクを通して会場には公開される仕様になっている。

 プレイ座席にはマイク付きのヘッドホンが支給されていて、プレイしている本人たちにはゲーム内の音楽と効果音、それと仲間の音声のみが届けられた。
 敵の声どころか周りの声も聞こえない。

 ヘッドホンを外せば近くを取り囲む観客の声が聞こえるようになる。

「やばぁ。応急処置的な? すごー」
「今の爆発時間ギリギリだったね」
「あそこでミスったのは痛かったよな」

 各ブースごとに仕分けられているので、他のチーム戦やペア戦とも音声がごっちゃになることもない。
 ヘッドホンを外すと観客の生の声が、良いことも悪いこともリアルに聞けてしまう。

「ごめん、高山くん」
「勝ったし大丈夫。ムジンくんな」
「そぅだった、ムジンくん」

 ───2回戦目、3回戦目。
 順調に勝ち進んでいくが、他のブースやチーム戦での迫力あるバトルに慣れてきた観客の声は次第に辛口になっていった。

「さっきのさ、ギリアウトじゃね?」
「またミスった? シロサイ何か下手になった」
「完全に足手纏いじゃん」

 そしてそれはエスカレートしていって、ゲームの内容とは違うところまで火が及ぶ。

「可愛いと思ってたけど整形なんでしょ」
「作り物が綻び始めたんじゃない?」
「ギプスしてるとこ、脂肪吸引中だったりして」

 明らかに悪意ある言葉が聞こえるようになってきた。
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